約1か月の糖尿病教育入院を行って、週末に86歳女性と62歳女性が退院予定になった。
86歳女性は10年前に他院からの紹介で、当院の糖尿病外来(大学病院医師担当、専門は高血圧だったが)に通院し始めた。初診時からインスリン強化療法で、ノボラピッド3回+レベミル1回で、レベミルを出始めから使用していたのだろう。その後、一時流行ったヒューマログミックス50を朝夕にして昼は超速効型に変更になった。ヒューマログではなくてノボラピッドのままだったので、リリー+ノボの混成チームになる。
今、このミックス50朝夕+昼超速効型はほとんどみかけなくなった。低血糖が頻発するようになって、当時診た内科の若い先生が、持効型のみのBOTに切り替えた。その後、当方が治療を引き継いだが、HbA1cが10%となって、強化療法に戻すことにした。抗GAD抗体は陰性だが、自己インスリンは枯渇していて、緩徐進行1型糖尿病(SPIDDM)相当だった。
年齢もあり、HbA1c8~8.5%でもいいので、超速効型インスリンは3単位ずつの少量とした。トレシーバも6単位と少ない。この方はBMI18.1でかなりやせている。中高年女性にインスリンが枯渇したSPIDDMの方を時々(たまに?)みかける。
62歳女性は2年前に心不全で内科クリニックから当院の循環器科に紹介された。完全房室ブロックがあり、心臓ペースメーカー植え込み術を受けた。現在は主治医が開業したので、そちらに通院している。
20年前から糖尿病があり、循環器科で合わせて治療していたが、開業に伴い、また同時期に大学病院糖尿病代謝科から外来応援が始まったので、糖尿病の治療は糖尿病科に回された。
循環器科医は新薬好きだった(?)ので、今時の治療になっていた。メトグルコ1500mg/日・トルリシティ注、それにα-gGIとグリニドの合剤だった。HbA1cが11%だったので、糖尿病科の先生から教育入院の依頼があった。インスリン強化療法導入目的の入院だった。
インスリン自己注射も血糖自己測定もすぐに覚えて、血糖も毎食前140mg/dl程度には下がった(入院時は食前血糖が250mg/dl)。基本的にBMI45.1(体重105Kg)の肥満があるので、インスリンはあまり増やさずに、体重調整を行いたい。今回糖質制限食の本を購入したりしてやる気になってはいる(カロリー制限は無理)。