大学病院から胆嚢癌の69歳男性が転院してきた。緩和ケア継続の依頼だった。
昨年の4月にインフルエンザと肺炎球菌肺炎で当院に救急搬入された。もともと慢性閉塞性肺疾患(肺気腫)があり、両側肺炎で広範囲に陰影があって、抗菌薬2剤投与してやっと軽快した。CTで胆嚢肝床部から肝門部にかけての腫瘤が写っていて、そちらの症状はなかったが、肝機能障害が軽度にあった。
腹部造影CT・MRCPを行って、胆嚢癌が肝床部から肝門部に浸潤していた。右肝菅から上部総胆管が狭窄していた。大学病院消化器内科に紹介して、外来受診後に黄疸の進行で即入院になった。(その時は肝門部胆管癌かと思ったが、今見ると胆嚢癌だ)
その後胆道ステントが挿入されて、手術適応について消化器外科で検討したが、手術は不可能と判断された。腫瘍内科に回されて、癌化学療法を受けていた。大学病院は外来化学療法なので、その合間に1回当院の外来に患者さんが挨拶に来たことがあった。
抗癌剤治療も限界となり、十二指腸狭窄でそちらにもステントが挿入された。当院に緩和ケア継続の依頼が来て、今日転院してきたが、その間に消化管出血があったそうだ(十二指腸ステントのあたりかと追加の紹介状記載されていた)。
高カロリー輸液と塩酸モルヒネの持続静注(15mg/日)が行われていたので、継続とした。予後1~3か月だろうか。