2週間前に糖尿病で外来通院している80歳代前半男性が、発熱と咳・痰(血痰も)で受診した。胸部X線・CTで両側肺炎を認めて入院した。心房細動で内服しているDOACを一時的に休止した。喀痰の抗酸菌塗抹は陰性だった。発症して1週間以内で急性の経過だった。
広範な陰影で、珍しく抗菌薬2種を併用してなんとか肺炎は治癒した。肺胞出血も考えたが、違うようだ。血糖コントロールが悪化していたので、BOTからインスリン強化療法に切り替えて糖尿病の治療調整も行った。
今回Hb7g/dl台と小球性貧血(鉄欠乏性)もあった。その目でみると、前回整形外科に入院した時から少しずつ貧血が出ていた。慢性的な消化管出血によると思われるが、肺炎の治療中はそれどころではない。肺炎軽快後に消化管精査としていた。
肺炎を診るCTは、胸腹部CTで行っていた。胃・大腸に明らかな腫瘤性病変は指摘できない。自分では気づかなかったが、放射線科の読影レポートで十二指腸水平脚に腫瘤(GIST疑い)とあった。
肺炎治癒で退院として、消化管精査は外来で行うことにする予定だった。今日消化器科医に相談すると、まず上部消化管内視鏡で見えるかどうかわからないが、まず入院中にやってから方針を決めることになった。無症状だが、総胆管結石もある(胆嚢結石も)。手伝いに来てもらっている消化器センターのある専門病院に紹介かなということだった。
今日は消化器病学会に来ている。幕内雅敏先生が招聘講演で肝移植の話をされた。幕内先生の出された超音波ガイドの本を買ったことがある。昔はPTCDもやっていたが、今はもう自分ではやらない。