なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

卵巣癌疑い

2017年04月24日 | Weblog

 昨日の日曜日直の時に、60歳代始めの女性が食欲不振で受診した。前々日の金曜日に腹水で、内科医院から消化器科の外来に紹介されていた。卵巣癌・癌性腹膜炎(腹膜播種)で、週明けにがんセンター婦人科外来へ紹介になっていた。

 1か月前から7kgくらいの体重増加・腹部膨満があり、内科医院を受診した。腹部エコーで大量(中等量?)の腹水を認めて、当院紹介となった。腫瘍マーカーはCEAとCA19-9は正常域で、CA!25が300以上と高値を呈していた。腹部造影CTで右横隔膜下後方に肝臓に接して腫瘤を認めた。また左卵巣と判断される腫瘤があった(右はかなり以前に摘出)。まず卵巣原発と判断されての紹介だった。

 受診時の訴えは食欲不振と腹部膨満感(重苦感)だった。初診時は外来で1本点滴をしていた。当院に入院してしまうと、がんセンター受診ができなくなるので、外来で点滴をすることにした。せっかくなので、ソリタではなくアミノ酸入りのパレプラスにして、半分入ったところでラシックス1A(20mg)を静注した。

 点滴を始めてから病棟に行くと、消化器科医がいて、今日も受診したんですねと言われた。救急外来の画面で名前を見つけたらしい。利尿薬の投与かステロイド(デカドロン)の点滴静注を考えていると相談して、利尿薬静注になった(普通はそうだ)。時間をかけての点滴だったので患者さんは夕方まで外来の点滴室で休んでいた。ラシックス静注後は排尿が7回あって、腹部膨満が楽になったという。

 消化器癌よりは抗癌剤の効果が期待できるはずだが、どういう治療になるのだろうか。まずは腹水細胞診などでの確定診断が先だが、当院外来で行うよりは、最初からお任せしたほうがいいと判断した。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする