なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

血液培養でグラム陽性球菌

2017年04月11日 | Weblog

 朝病棟で指示出しをしていると神経内科医から連絡がきた。昨日救急搬送した40歳代半ばの男性は、前交通動脈(A com)の破裂による出血で、脳外科で手術になったそうだ。発熱に引っ張られてしまった、とも言っていた。何度も側頭葉病変を探してもないという話をしていたが、それも当然だった。

 脳実質内出血とくも膜下出血を発症して、くも膜下腔の血液が頸部に流れて、後頸部痛の訴えになったのだろうか。頭痛の有無を訊いても痛くないといっていた。出血像は薄まっていたので、1週間前からの経過としては合う。発症時は突然の頭痛だったはずだが。結果的に脳外科に回されたので、搬送して間違いはない(と思うことにしよう)。

 喉頭癌と診断された後に両側誤嚥性肺炎をきたした80歳代男性は、学会に行った日に亡くなって、内科の先生が看取ってくれていた。代わりにといってはなんだが、日曜日の日直の時に、その先生が主治医の誤嚥性肺炎で悪化していた80歳代の男性を看取った。

 急性胆管炎と黄疸で入院した80歳代半ばの女性は(胆管癌術後・左右肝管空腸吻合術後)、炎症反応横ばい・黄疸漸増で学会出張中も無事だった。昨日も血液検査を入れていたが、黄疸の漸増は同じ。腹部エコーで見ると、拡張した肝内胆管内に内部エコーあり(結石ではなくて腫瘤)と指摘された。入院時にはなかった腹水貯留もあった。入院時のCTでも左右の肝内胆管内が不整な腫瘤様に見える。腫瘍マーカーはCA19-9が4000弱と、胆汁うっ滞だけにしては高すぎる値だった。肝内胆管癌が疑われる。治療は継続するが、予後は厳しい。家族は苦痛がないようにお願いします、ということだった。

 日曜日の朝に高熱・肝機能障害で入院した80歳代男性は、総胆管結石疑いだったが、MRCPで明らかな結石はなかった。腹部エコーで見ると、胆嚢内に小結石と充満したdebrisが描出される。右季肋部痛の訴えがないが、急性胆嚢炎そのもののようだ。抗菌薬投与で今日は解熱している。細菌検査室から、血液培養2セットからでラム陽性球菌が検出されたと報告があった。腸球菌らしい。これはちょっと感染症の学会帰りらしいかもしれない。

 

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