昨日の夕方病棟を診ていると、貧血の患者さんが入院してくるという。内科医院からの紹介で、肉眼的血尿・貧血の70歳代後半の男性が受診していた。地域の基幹病院泌尿器科(常勤医2名)に連絡したが、ベット満床で断られて当院(泌尿器科常勤医なし)に回されてきた。救急当番だった消化器科医が受けたのだった。
腹部造影CTで見ると、膀胱癌のようだ。貧血はHb3.6g/dlと重度だったが、小球性貧血(慢性出血)だったので、輸血でしのげば何とかなると判断したらしい。4単位ずつ2日間輸血の指示が出た。昨年から血尿があったという。
尿細胞診で癌が証明されたら、すぐにがんセンター泌尿器科に紹介しましょうかと言ったが、上下部内視鏡検査をしてから(消化管出血を否定してから)という返事だった。そこまでしなくてもいいと思うが、真面目なんだから。
今日は内科再来をみていた。60歳代後半の女性が心不全の悪化で受診して、何度か入院で診てもらっている心臓血管センターに搬送した。糖尿病があり、CTで見ると走行が全部わかるくらい冠動脈の石灰化がある。PCI後だが、再検してもPCI対象になる血管は案外通っていたそうだ。末梢の冠動脈硬化症で心機能は著しく悪い。その病院の処方を継続していたが、サムスカなど、それ以上追加のしようがないくらいの処方だ。時間外に受診した際に担当医がわかるように、「病状悪化時は専門病院へ転送」と画面に付箋をつけてわかるようにしていた。
胃瘻造設後にS状結腸癌と判明した80歳代の男性(寝たきり全介助)は、治療の適応なしとなり、行けるところまで自宅療養としていた、今日診たところでは、もう少し在宅でやれそうだった。1か月後に最初の胃瘻(器具)交換になるが、そのあたりで入院治療になって結局交換はなしとなるかもしれない。