なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

それぞれの家庭の事情

2017年04月12日 | Weblog

 昨日は内科の当番だったが、当直の外科医からは特に連絡がなかった。今日病院に来て昨日の当直帯での受診を確認すると、受診数は少なかったが、1名だけ入院になっていた。

 他県の精神科病院に入院している60歳代前半の男性が、自宅に外泊していた。6月の退院を目指しての外泊というので、精神科の時間はゆっくり流れているようだ。

 家族が、入浴中に意識消失しているその患者さんに気付いて救急要請した(いつ入浴していたのか家族も知らなかった)。意識消失(JCS200)・血圧70mmHg・SpO260%で当院に救急搬入された。

 搬入後は、呼びかけに開眼するようになり、酸素飽和度も上昇した。画像検査をすると、両側肺に誤嚥性肺炎と判断される陰影があった。頭部CTは異常なかった。血液検査では、炎症反応はまったくの陰性。入浴中に何らかの原因で意識消失して、お湯を誤嚥したと推定される。

 事故と言えなくもないが、外科疾患ではない。ないが、内科に入院依頼しにくかったらしく(遠慮深い真面目な先生)、外科で入院になっていた。

 今日は内科再来を診ていた。80歳代初めの男性は、退職した先生から引き継いだ血糖コントロールの悪い糖尿病の患者さんだった。以前からインスリン導入を勧められているが、拒否していた。教育入院もしたくないという。ちょっと医療費の話が出て、家庭の事情を教えてくれた。

 この方はいつも奥さんといっしょに来院する。年金が夫婦二人で月25万というので、二人なら十分では、と言った。しかし、離婚した娘さんが実家に戻ってきていて、孫も二人いる。その分の出費もあるので生活は楽ではないという。娘はまったく働こうとはせず、そのことを指摘すると怒鳴ってくるそうだ。

 60歳代半ばの女性も糖尿病で通院していて、血糖コントロールは良い。このごろ胃の調子が悪いという。最近、お舅さんと同居しているが、そのお舅さんはCOPDで在宅酸素導入になった。さらに夜中に騒ぐので、それがストレスになる。とりあえずPPIを処方して、そのうちに胃内視鏡検査をしましょうと勧めた。 

 元気よく診察室に入ってくる70歳代半ばの女性は、時々ペットボトルに入ったお茶を差し入れしてくれる。500mlのボトル3本なので、500円くらいか。断るのも悪いので、ありがたくいただいている。処方内容は胃腸薬と安定剤少量で大したものではない。この方は脳梗塞後遺症で要介護5の夫を介護をしている。週1回のデイサービスを受けているので、その時に合わせて3か月に1回受診しているらしい。

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