なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

白血球減少と白血球増加

2017年04月26日 | Weblog

 昨日の日中に搬入された患者さんと、昨日の夜間に搬入された患者さんは、重度の検査値異常を呈していた。

 昨日の日中、精神疾患で他院に通院している60歳代半ばの男性が、意識障害と著しい肝機能障害で内科クリニックから紹介されて救急搬入された。汎血球減少症があり、特に白血球数700と著しく低下していた。CRPは5程度と軽度の上昇だった。肝機能障害・腎機能障害があり、特に肝機能はトランスアミナーゼが5桁に上昇していた。

 胸腹部CTでみると、両側肺野に浸潤影があった。陰影の広がりとしては重症ではないが、酸素飽和度が低下して酸素吸入10L/分になっていた。血圧は110くらいでまだ保っていた。意識低下で会話はできない。心拡大と軽度だが心嚢液貯留もある。肝臓はやや大きさ的には正常だが、全体に腫脹した印象があった。肝萎縮ではない。胆道系に異常はない。

 家族の話ではここ数日の経過らしいが、原疾患の問題があり、実際はもっと長いのかもしれない。感染症の進行した状態をみているのか、何らかの肝疾患の急性発症なのか、血液の悪性疾患が隠れているのか、判断がつかなかった。大学病院の救急部くらいしか診れないだろうと思われたが、家族は希望しなかった。当院に入院して治療を開始したが、夜間になって亡くなった。

 昨日の夜間に90歳代半ばの女性が発熱で救急搬入された。普段は潰瘍性大腸炎(治療はペンタサのみ)で消化器科に通院していた。こちらは5万の白血球増加があり、芽球が40%だった。貧血と血小板減少もある。胸腹部CTで左胸水貯留と無気肺像を認めたが、そこは昨年末に外傷性多発性肋骨骨折+血気胸で入院していて、陳旧性か新規か判断が難しい。腹部症状の悪化はない。

 担当の消化器科医が、血液内科で診てくれるだろうかと言っていた。相談はすべきだろうが、多分断られるのではないか。当院で骨髄穿刺をしますかと伝えたが、即答はしなかった。どうしましょうか。

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