なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

脳梗塞

2023年05月09日 | Weblog

 5月6日に84歳男性が右半身不全麻痺と構語障害で救急搬入された。日当直で来ていた外科医(大学病院から)が対応してくれた。

 これまで何度か左右の大脳にラクナ梗塞が発症していた。左ラクナ梗塞で左不全麻痺で他県の病院に入院した既往もあるが、日常生活にはさほど困らない。認知症の妻と二人暮らしで、妻の介護をしていた。

 今回はその日午前10時ごろに遅い朝食を食べている時に右上肢の脱力が生じて、様子をみているうちに右下肢の脱力も出現していた。構語障害(呂律が回りにくい)も出てきた。 

 

 頭部MRIの拡散強調画像で左放線冠に淡く高信号域が写っていた。もともと多発性ラクナ梗塞で抗血小板薬を内服していた。それは継続として、エダラボンの点滴静注を開始していた。構語障害があると嚥下障害もあるはずだが、食事は摂取できる。

 認知症の妻は一人では過ごせないので、東京から息子さんが来たそうだ。本人の希望としては妻の介護のために早く退院したいが、まず自分の治療をしないと退院はできない。

 当院の脳神経内科の外来に通院していた。担当医は近々退職するので、診療情報提供書を近くの病院宛に書いて持たせていた。

 脳神経内科医は、7日の当直だったので患者さんを診て、抗血小板薬を2剤に変更していた。確かに内服していて新規梗塞が発症すると、同じ薬で継続とはしにくい。

 

 これまでのラクナ梗塞は症状としてはそれほど問題にならなかったが、今回は場所が悪い。老々介護は難しくなりそうだ。

 

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