なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

器質化肺炎

2023年05月27日 | Weblog

 金曜日に内科外来から、外科に通院している患者さんが来ていて、発熱があるという。最初事情がわからなかったが、外科医(非常勤)から頼まれていた患者さんだった。

 2016年に食道癌の手術を受けて(食道切除、胃管再建)、外科外来でフォローしている81歳男性だった。食道癌の再発は指摘されていない。

 昨年末に右肺上葉に結節影を認めていた。呼吸器科外来(非常勤)に紹介されて、原発性肺癌だろうと診断されたが、年齢と病状から精査・治療はなしとされていた。

 5月2日の胸部CTで思いがけなく、左上葉舌区に浸潤影を認めた。5月11日呼吸器科外来(別の非常勤医師)に紹介されて、器質化肺炎と診断された。炎症反応は白血球6200・CRP7.2と上昇していた。発熱・呼吸器症状がないことから経過観察とされて、2か月後に呼吸器科外来予約となった。

 外科医から、「呼吸器科に相談はしているが、入院が必要になった時はお願いしたい」、といわれていたのだった。

 

 1週間くらい食欲が低下して、外科外来の指示で点滴が出されていた。金曜日も点滴で受診したが、38.6℃の発熱があり、そのまま指示の点滴をして帰宅とするのはまずいと、外来の看護師さんが判断した。

 いつものコロナ(とインフルエンザ)の検査で陰性を確認して、画像検査・血液検査を行った。左肺の浸潤影は拡大して、周囲にすりガラス陰影を伴っていた。

 区域を跨いで胸膜に沿って広がっているところは器質化肺炎らしい。4月の採血の時からCRPが上昇していて、経過は1か月半くらいになる。通常の細菌性肺炎らしくない。

 器質化肺炎の悪化として入院治療することにした。最初抗菌薬で経過をみてからの(抗菌薬に反応しない肺炎として)ステロイド投与も考えたが、最初からステロイドを使用することにした。抗菌薬も併用はするが。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする