「非血液専門医・ジェネラリストのためのBasic&Practical血液診療」樋口敬和著(診断と治療社)を読んだ。ビタミンB12の投与で知らないことが載っていた。
ビタミンB12欠乏性巨赤芽球性貧血は、抗内因子抗体による悪性貧血や胃全摘術後の内因子欠乏による。
治療は通常はビタミンB12の筋肉内注射が行われる。筋肉内注射されたビタミンB12の多くは尿中に排泄され、注射された量の約10%が体内にとどまる。(この代謝は知らなかった)
メコバラミン500μgを連日あるいは週に3回程度筋肉注射するが、週1回でも効果が得られる。
筋肉内注射が困難な場合は静注も可能であるが、尿中への排泄がより早く、効果は筋肉内注射よりも劣る。(点滴する患者さんでは静注で投与していて、その方が体内に入ると思っていた)
経口投与されたビタミンB12の1~2%程度が内因子非依存性に受動的拡散により吸収され、1000μg/日以上の大量のビタミンB12の経口投与でも効果が期待できるが、経口投与では速効性や確実性がやや不十分であり、原則経口投与を行う。(経口投与した症例もあるが、内因子非依存性に受動的拡散、の機序は知らなかった)
調子にのって、同じ著者の本をまた購入した。血液疾患疑いで血液内科に紹介された患者さんが、血液内科でどのように診断されたかが記載してある。