なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

EBVだった?

2023年05月15日 | Weblog

 5月10日水曜日の夜に21歳女性が救急外来を受診した。症状は発熱と倦怠感だった。

 患者さんは県内の県庁所在地で一人暮らしをしている。5月4日から発熱があった。市内の病院を受診して、肝炎疑いと言われたそうだが、詳細はわからない。(経過をみるため外来再受診の予定だった)

 発熱と倦怠感が続き、実家のある当地から母親が迎えに行った。当地に連れてきて、そのまま当院を受診したという経緯だった。

 コロナとインフルエンザの検査は陰性だった。扁桃の腫大・発赤と白苔の付着を認めていた。頸部リンパ節も触知されていた。

 血液検査で、白血球12200・CRP 6.4と炎症反応の上昇があり、AST 650・ALT 701・γ-GTP 291・総ビリルビン3.2と著明な肝機能障害を認めた。

 当直で対応した先生は、一晩入院として点滴と解熱薬で経過をみていた。朝になって受診していた病院に連絡して、転院としていた。

 病棟の看護師さんたちが、転院の手配でばたばたしていたので、事情を聞いて上記の経過がわかった。最初に受診した病院に肝臓専門医がいるのは知っていた。ホームページで確認すると、別の肝臓専門医に代替わり?していた。

 

 咽頭炎・扁桃炎、頸部リンパ節腫脹(特に後頚部)、肝機能障害だと、年齢も考慮してEBウイルス感染症(伝染性単核球症)になるが、外注検査でEBVの抗体を見ないとわからない。

 救急外来で腹部単純CTを撮影していて、明らかな脾腫を認める。肝腫大もあるようだ。胆道系の異常はない。

 凝固検査異常などがなければ、もう少し経過をみるのもあるが、1週間目で39℃の発熱が続いている。治療はどうするのだろうか。肝炎の検索はするとして、ステロイド投与はまだしないか。

 以前に地域の基幹病院におられた肝臓専門医は、トランスアミナーゼが4桁で凝固異常をきたす肝炎ではステロイドを使用していた。

 

 当院の時間外の血液検査は、簡易検査で試験紙を使用して出している。ちゃんとした検査は比べて、ひどく違うことはないようだ。凝固検査はできないし、トロポニン・BNPや血清アンモニアなどはできない。

 

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