なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

尿管結石

2023年05月01日 | Weblog

 4月29日土曜日の午前5時過ぎに右上腹部痛の70歳男性が救急搬入された。前日の午後6時から11時まで飲食していて、日本酒2合とウイスキー3杯を飲んだそうだ(自称)。刺身(マグロ、カツオ)も食べていた。

 午前1時から痛み出して、症状が続くので救急要請していた。胆嚢炎か膵炎かと思われた。アニサキスはない?。

 搬入時には症状は軽減していた。症状は右上腹部の痛みと感じたようだが、同部に圧痛ははっきりしない。点滴を採血を出して、CTを単純で撮るか造影もするかは、症状と検査結果をみてから決めることにした。 

 まず救急室の腹部エコーを行うと、胆嚢内の頸部に結石を認めた。結石は頸部に嵌頓しているわけではない。胆嚢壁の腫脹はなく、debrisもなかった。エコーのprobeを当てて押しても痛みはなかった。症状とは関係ないようだ。

 右腎臓に水腎症を認めた。尿管結石のようだ。症状の割に、腹部所見に乏しいのも合っている。

 CTは尿管結石を確認するだけなので、単純だけにした。右水腎症はあったが、尿管には結石はなく膀胱内に認めた。うまく落ちたようだ。症状の推移と、水腎症が残っていることからは、落ちたばかりということになる。

 そのまま休んでもらうと、症状はすっかり消失した。尿が出そうだというので、歩いてトイレに行ってもらった。尿潜血(2+)だった。

 尿管結石治癒として帰宅となった。ただし両側の腎臓内に小結石が数個あり、また尿管結石を起こすかもしれませんと伝えた。

 

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