なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

安定の処方

2023年05月28日 | Weblog

 62歳女性が内科外来に通院している。高血圧症・甲状腺機能低下症(橋本病)・気管支喘息の処方以外に、抗うつ薬・安定薬・睡眠薬が4種類出ている。

 退職した別の先生の外来からの処方で、当方の外来に通院してからも継続している。以前は精神科(メンタルクリニック)にも行っていたはずだが、郡部は都市部のように気軽に受診できる精神科クリニックはないので(精神科病院はある)、内科からの処方が続いている。

 日中にロラゼパム(ワイパックス)0.5mg錠3錠分3で、就寝前にゾルピデム(マイスリー)10mg錠1錠・フルニトラゼパム(サイレース)2mg錠1錠分1・ミルタザピン(リフレックス)15mg錠1錠分1になっている。

 通常の内科疾患の処方は2か月分で、上記の精神科処方(1回の処方が30日縛りの薬)はその間で自分の都合のいい時に薬だけもらいに来る(本来は無診療では出せない)。

 うつ病というのではなく、不安症相当なのだろう。保育の仕事をしていて、職場の悩みなどを少し話して帰っていく。両親も当院に通院して、母親が入院した時に担当したことがある。気管支喘息は父親がそうで、不安症は母親の方だった。

 10年以上同じ処方なので、すっかりなじんでいて、調子がいい時も調子が悪い時も処方の変更は希望されない。ゾルピデム+フルニトラゼパムよりは、どちらかを(ゾルピデムだろう)トラゾドン(デジレル)に変更してみたくなるが、同意はされない。

 他の患者さんよりは外来診察に時間を要するが、なかなか話が終わらずに困ってしまうということはない。(仕事の合間に来ているせいもある)当方も年齢的にいつまで勤務しているかわからないので、いずれ他の先生の外来に回すようになるのだろう。

 

 以前から著書を購入している井上真一郎先生が新著を出されたので、さっそく購入した。岡山大学精神科から新見公立大学看護科の教授に移られていた。

 島根県出雲大社に行く時に、岡山県倉敷市に一泊して、翌日伯備線を行く特急出雲で新見市を通ったことを思い出した。

 

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