内科外来に糖尿病・高血圧症で通院している82歳男性は、2018年に肝細胞癌の手術を受けていた。術後のフォローで外科外来に通院していた。
2021年12月に大腿部の痛みから骨盤転移(右恥骨)と判明した。外来で診ていた外科医が、がんセンターの消化器内科に紹介した。抗癌剤治療は希望しないということで、放射線治療科に回されて、緩和的な放射線治療を受けた。
その後、疼痛に対してNSAIDs(ロキソプロフェン)使用で胃潰瘍ができて、神経障害性疼痛治療薬が処方されていた。昨年外科常勤医が不在となり、肝細胞癌のフォローも内科で診てほしいと外科からいわれた。
5月2日に内科外来を受診した時に、4月から右大腿部から下腿の近位にかけて(背側)の疼痛が続くと訴えた。予約日まで我慢していたそうだ。
放射線治療を受けた転移巣が再燃したかと思われたが、造影MRIで検査すると第5腰椎からその右側にかけて腫瘍を認めた。肝細胞癌の転移巣なのだろう。治療した部位の腫瘍は縮小したままだった。
結果をお話すると、患者さんから「がんセンターですか」と言われた。また紹介します、と伝えた。今回は直接放射線治療科宛に診療情報提供書を出して、外来予約をとった。