なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

三回忌、肺癌

2014年11月20日 | Weblog

 今日は母親の三回忌で、午前中お寺に行ってきた。20分ほどのお経を聞いて、帰ってきた。私たち夫婦と妹と、近くに住んでいる伯母(母親の姉)だけが参列した。お布施3万円に食事代1万円を支払った。七回忌は父親の何回忌かと合わせて行い、それで終わりになるのだろう。父親と母親の兄弟も次々に亡くなり、残っている人たちも施設に入って介護を受けたりしている。葬儀の時にしか会わないいとこたちも、中年から老年に差し掛かっている。昼に病院に来て、車に喪服の上着とネクタイを置いて、病院に入った。

 今日は大学病院から肺癌の66歳男性が転院してきた。先月に呼吸困難で隣町の病院に救急搬入された。喫煙者でCOPDがあり、当初はCOPDの肺炎併発による増悪と思われたらしいが、右肺癌ご判明して大学病院へ転送された。精査したが、右気管支から出た癌で癌治療はできないと判断され(COPDで肺機能は悪い)、BSCのみとなった。後は近くの病院でと当院に紹介された。住所からは当院が一番近い。どうもその日の当院の当直医が受け入れを断ったらしい。ただ、受け入れたとしても、当院で手におえず、基幹病院呼吸器科へ転送した可能性が高い。そうなったとしても、診断がついて治療方針がBSCとなれば当院に戻されるので、結局あるべき形になったともいえる。

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66歳の誤嚥性肺炎

2014年11月19日 | Weblog

 1週間前に内科クリニックから66歳女性が誤嚥性肺炎で紹介されて、救急搬入となった。救急当番は外科医で、電話が来た時に年齢が若いので変だと思った。既往歴を見ると、6年前に脳出血が発症して、ほとんど寝たきりになって在宅介護を受けていた。その1週間前にもたこ焼きを喉に詰まらせて救急搬入されていた。その後は全粥刻み食とろみ付きにしていたらしい。

 脳出血後遺症で嚥下障害による誤嚥性肺炎ということになるが、もっと複雑な事情があった。まず、大学病院に全身性硬化症(CREST症候群)で通院していた。食道の蠕動低下があることになる。またパーキンソン症状と低血圧症があり、多系統萎縮症の疑いがあった。聞いたところでは、脳外科外来扱いなので神経内科で診ていないという。

 入院後は、抗菌薬投与(ユナシン)で解熱軽快した。STが入って嚥下を診ているが、なんとかソフト食(ムース状)は飲み込めるが、嚥下したというよりも、いつの間にか口腔内からなくなるという飲み込みらしい。

 今回、胃瘻造設を行うかどうかだが、早めに行った方がいいようだ。経口摂取は楽しみ程度をするのが、適切と思われる。消化器科から今週末に内視鏡的胃瘻造設術が2例あるので手伝ってほしいと言われていた。この患者さんは来週行うことにしよう。

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肝硬変・肝性脳症

2014年11月18日 | Weblog

 肝硬変・肝性脳症で入院している79歳女性は明日退院予定となった。3年前に両下腿浮腫で内科医院から紹介になった。画像では明らかに肝硬変だった。B型・C型感染ウイルスは陰性で、女性であることから自己免疫性肝炎が疑われた。抗核抗体は80倍で、有意ではなかった。肝機能は胆道型酵素優位ではなくて、抗ミトコンドリア抗体も陰性で、原発性胆汁性肝硬変ではない。アルコール性という印象は受けなかったが、若いころからかなりワインを飲んでいて、アルコール性と判断された。

 利尿剤内服で浮腫は軽快して、利尿剤の量を多少変更するくらいで病状は安定していた。近くの内科医院に戻そうと思ったが、夫が慢性腎不全で当院の腎臓内科に通院していたので、当院通院を希望された。いつも付き添ってきた夫は一見して元気そうだったので、そんなに腎臓が悪いとは思わなかった。

 この夫婦は東京の方で、当地の温泉付き別荘地に夫婦で引っ越してきていた。今時お手伝いさん付きというのは、経済的に相当裕福なのだろう。そのうちに、夫の腎不全が悪化して腎臓内科に入院して、亡くなってしまった。透析導入はしないという方針になっていたそうだ。夫が亡くなってからも、ひとりでお手伝いさんの世話を受けて生活していた。軽度に認知症があり、常時見守りを要する。昨年から肝性脳症の増悪で入退院を繰り返すようになった。増悪の原因は、感冒罹患や便秘と思われた。アミノレバン点滴1週間ほどで改善して退院できるので、治療には困らなかった(内服の肝性脳症の処方はフルで入っている)。

 今回入院して息子さんが東京から来た時に、以前にも勧めてはいたが、東京に戻って息子さんと同居するか近くの老人ホームに入所することを勧めた。考えてみますということだったが、東京に連れて帰ることになった。近くの施設への申込書を持ってきたので、記載した。明日退院して、現在住んでいる別荘で数日いっしょに過ごして(荷物の整理)、その後はいっしょに東京に帰る予定だ。施設にはすぐに入れるらしい。

 院内処方で3か月分ずつ薬をもらっているが、そのうちの1剤だけがなくなってしまった。他の薬はあと1か月分ずつあるので、薬局で間違えたようだ。まあ、処方薬の数を確かめないこちらもうっかりだが。足りないのは尿酸の薬のフェブリクだ。この薬はシートが14個になっていて、大抵の薬が1シート10個になっているのと違うので、単純に数を間違えたのだろう。薬局で事情を話すと、1か月分のフェブリクをくれた。

 この前、一包化の処方を9週間分(63日分)処方した患者さんがいて、多数の薬のうち1剤を56日分で処方してしまった(前回全部56日だったので1剤だけ直さなかった)。処方されて自宅に帰った後に、家族が足りないことに気づいた。午後に薬を取りに来て処方ミスに気付いた。日数を合わせなかった私が悪いのだが、一包化の処方で1種類だけ少なくなっているのを薬局は不思議に思わなかったのだろうか。院外の調剤薬局ならすぐに疑義照会で電話が来るところだ。

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「肺HRCTエッセンシャルズ」、高齢男性の尿路感染症

2014年11月17日 | Weblog

 ブログ「呼吸器内科」に載っていた{肺HRCTエッセンシャルズ」を書店で見て、わかりやすい記述でほどよいページ数だったので購入した。土曜日に近くの温泉に泊まりに行って、夜さっそく読んでいた。先週、入院時に間質性肺炎と確定できない患者さんを呼吸器科に転送したこともあり、間質性肺炎の項目も読んでみた。

 胸部X線で所見があると、必ず胸部CTを撮るようにしている。被曝量の問題はあるが、見逃しては何にもならない。胸部単純で所見がないように見えても、臨床的に肺胸膜(心膜も)の病変が疑われる時もCTを撮っている。肺炎、心不全、肺炎と心不全の併発と、けっこうわからないものだ。

 今日は尿閉があって、泌尿器科で尿カテーテルを留置した87歳男性が発熱で受診した。肺炎も否定できないので、胸部X線・CTで確認したが、肺炎を示唆する陰影はなかった。高齢者の場合、発症3日後に陰影が指摘できるようになったこともあり、完全に肺炎がないとは言えないが、まあ尿路感染症(腎盂腎炎)でよさそうだ。尿培養と血液培養2セットを提出して、泌尿器科で前回行った尿培養で緑膿菌が検出されていたこともあり、ファーストシンで治療を開始した。先週やはり尿路感染症(尿閉傾向ありの腎盂腎炎)で入院した81歳男性は、尿培養と血液培養2セットから肺炎桿菌が検出された。セフトリアキソンで開始したが、感受性があり、臨床的にも効いている。

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直腸癌

2014年11月14日 | Weblog

 発熱が続いて内科医院から紹介された79歳女性はCTで直腸癌があった。もともと便秘気味だったが、夏ごろから便秘の程度が悪化して市販の下剤を飲んでいた。血便(便の表面に血液付着)もあるはずだが、気付いていなかった。

 当院の循環器科に高血圧症・虚血性心疾患・糖尿病で通院していた。夏ごろに血液検査でCRPの上昇があり、そのうち四肢に皮疹が出現して皮膚科を受診した。結局正確な病名としては付かなかったらしいが、皮疹は消失して炎症反応も陰性化した。2週間くらい前から37℃程度の発熱が続き、時には38℃になった。内科医院を受診して、抗菌薬の投与を受けていたが、軽快しないので不明熱として当院内科に紹介された。口内炎(アフタ数個散在)が1か月前から続いていた。

 今週初めに受診して、口内炎以外の症状がなくて原因はわからなかった。(内科医院でジェニナックが処方されていて培養もとれないし、比較的元気だったので(ご本人は入院したくないという)、数日経過をみた。胸腹部造影CT検査で半周性の直腸癌があった。左鼠径部リン御あ節腫脹があり、直腸癌としては?だった。肺転移・肝転移はなくて大動脈周囲リンパ節腫脹もなかった。

 CTで直腸癌とわかってから、直腸指診をして腫瘤を確認することになった。発熱の原因として、肛門周囲膿瘍や炎症性腸疾患もありうるので、当然直腸指診は最初にするべきだった。

 消化器科で来週上部・下部内視鏡検査の予定を入れてもらった。下部直腸で手術は人工肛門造設になる位置だ。発熱との関係が良くわからない。リンパ腫だったらありえそうだが、普通の直腸癌でいいと思われる。発熱はまた別の原因なのだろうか。数日経過をみて発熱は軽快してきたようだ。

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誤嚥性肺炎、尿路感染症、リウマチ性多発筋痛症?

2014年11月13日 | Weblog

 今日は外来がないので、午前中病棟を診て、他科入院中で内科疾患のコンサルトを受けている患者さんも診ていた。午後はゆっくり過ごすはずが、入院やコンサルトで忙しくなってしまった。

 肺炎で入院していた87歳男性は抗菌薬投与で改善が見られず、胸部CTを再検すると、入院時に間質性肺炎疑いと読影された陰影が広がり、びまん性間質性肺炎だった。基幹病院呼吸器科の先生に連絡して、明日転院で診てもらえることになった。

 内科クリニックから66歳女性が誤嚥性肺炎で紹介されて、救急搬入した。66歳だが、6年前に脳出血後遺症で寝たきりになっていた。嚥下障害もあり、先日咽喉に食べ物を詰まらせて救急搬入されていた。幸いに詰まった食べ物を出すことができた。その後、ミキザー食を食べていたというが、肺炎になってしまった。1週間は絶食で肺炎の治療をするが、嚥下が悪い時は胃瘻造設が必要かもしれない。

 ふらついて歩けなくなって、呂律もまわらなくなった(普段よりはということ)85歳男性が救急搬入された。38℃の発熱があり、そのためかとは思われたが、救急当番は神経内科医なので、頭部MRI検査をして新規の脳血管障害がないことを確認していた。胸腹部CTで肺炎はなく、左腎臓周囲の脂肪織が少しdirtyな印象を受けた。前立腺肥大があり、尿閉傾向があるので尿路感染症の発熱と判断された(前立腺炎も疑われた)。入院して抗菌薬投与で経過をみるが、認知症があって入院継続できなくて早期に外来治療になった既往がある。

 整形外科に大腿骨頸部骨折で入院した80歳代女性は胸部X線で肺炎があり、心不全もあった。手術は見合わせて経過をみることになったという。施設入所者の肺炎なので、コンサルトでもあり、抗菌薬はゾシンを勧めた。

 内科の若い先生の祖母が四肢の痛みで受診した。正確には先週受診して、多少尿混濁もあったので、尿路感染症として抗菌薬を投与したが、軽快しないとコンサルトされた。微熱程度なので(36℃後半だが普段よりは高く発熱ありと判断される)、関節痛までは生じないと思われる。関節痛は実際なかった。1か月半くらい前からの症状だった。かかりつけの内科医院から基幹病院整形外科に紹介されたが、そのまま近くの整形外科診療所に回されたそうだ。診察したところでは。肩と上腕と大腿部の疼痛のようだが、触るたびに返事が変わるので正確に判断しがたい。蹲踞に姿勢は相当つらそうだった。除外診断的ではあるが、リウマチ性多発筋痛症が疑われる。プレドニン10mg/日で1週間語に再受診とした。

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メロペンを入れて紹介

2014年11月12日 | Weblog

 今日は総胆管結石・急性胆管炎で内視鏡治療ができる病院へ紹介した88歳男性が戻ってきた。救急搬送した日に胆管ドレナージを行って、炎症が軽快した翌々日に総胆管結石を摘出したと記載してあった。10日間ベット上臥床が続いて、筋力低下しため(一人暮らしということもある)、短期間当院でリハビリ(歩行器で歩けるが、何も使わず独歩できるまで)をしてから退院の予定だ。胆嚢結石もあるが、これは年齢的に胆摘は行わず経過をみる方針となった。当院から搬送した時は、急性閉塞性化膿性胆管炎になっていたか、なりかけていて危なかった。引き受けてもらって感謝だ。

 85歳女性が2週間前からの下痢・腹痛・嘔吐で食事摂取ができずに、内科クリニックからの紹介で救急搬入された。認知症の夫を介護しているので、そのクリニックで外来点滴を受けていたそうだ。当初は37℃台の発熱もあり、いったん軽快したが、また症状がぶり返したという。ただ、ひどかった時に比べると、今は少しましだと言っている。白血球右方移動とCRPの軽度上昇があった。案外電解質は正常域で腎前性腎不全でもなかった。救急当番の外科医から連絡がきて救急室に診にいった。点滴は搬入されてからソルラクト500mlに変更されていたが、クリニックで500mlにメロペン0.5gが混合された点滴が入っていた。このクリニックは、肺炎や急性腎盂腎炎の患者さんを当院に搬送する時に、よくメロペン0.5g入りの500mlの点滴が入っている。明らかに腎盂腎炎からの敗血症でも、この点滴が50ml入っただけで。尿培養も血液培養も菌は何も生えない。2週間の経過で何度か受診して点滴・投薬を受けているはずだが、紹介状に記載はなかった(メロペンの点滴の記載のみ)。便培養(CDの検査も)をオーダーしたが、たぶん菌は生えてこないだろう。

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不明熱?、若い肺癌患者、抗凝固薬の使い分け

2014年11月11日 | Weblog

  79歳女性が内科医院からの紹介で内科新患を受診した。5日前から発熱(37℃台)が続いて、炎症反応上昇もあった。内科医院で点滴(たぶん抗菌薬入り)と抗菌薬(グレースビット)処方で治療していたが、軽快しないということだった。上気道炎症状、腹痛、関節痛、筋肉痛はない。ただ1か月近く前から口内炎(有痛性のアフタが数個)があって、治らないという。もともと元気な方だが、口内炎のせいで食事摂取は少し落ちていた。白血球数12000、CRP12だった。胸腹部CTで肺炎や腹部の異常はなく、尿検査は正常だった(もっとも感染症なら内科医院の処方で修飾されているが)。リンパ節腫脹はない。明らかな心雑音はない。普段は高血圧症、糖尿病で治療を受けているが、HbA1c6.6%とコントロールは良好だった。診たままで言えばヘルペス性口内炎だが、原因なのか結果なのか。

 県立がんセンターから42歳男性が紹介されてきた。今年の2月に健診で左肺門異常影を指摘された。内科クリニックを受診して、当院放射線科に胸部CTの依頼が来た(画像のみ)。左肺門部に腫瘤があり、肺癌が疑われると診断された。その内科クリニックから県立がんセンター呼吸器科に紹介になり、肺腺癌と診断された。癌化学療法を受けていたが、効果がなくなり、Best supportive care(BSC)のみとなった。先進状態もしだいに悪くなり、がんセンターへの通院も大変なので、最期は地元も病院で診てほしいという紹介だった。毎度のことではある。左胸壁に肺癌に皮膚転移巣が数個あった。紹介の画像は先月の胸部X線1枚と頭部MRI(脳梗塞と記載されているが、転移か)のみだった。

 どのくらい持つのだろうか。若い方なので、当院には呼吸器科常勤医はいない、大学からの応援医師は麻薬処方ができないので内科で経過をみることをお話した。奥さんには、併発した肺炎の治療などは行うが、いよいよとなったらDNRの方針(気管挿管・人工呼吸器管理、心マはしない)ことを伝えた。まだ早いような気もしたが、急変して心肺停止で搬入される可能性もあるので、決めておくことにした。ホスピス入院(がんセンターにある)を選択することもちょっとだけ話をしたが、できるだけ自宅で過ごしたという希望なので、今後の通院から入院まで当院で診ることに決めた。

 昨晩は循環器の講演会があって、「心房細動の抗凝固薬療法におけるワーファリンとNOACsの使い分け」の講演を聞いてきた。ワーファリンのTTR(time in therapeutic range)の話が印象的だった。確かに、ワーファリンを処方はしているものの、PT-INR1.6~2.6の治療域に入っていないことが案外ある。共催はエーザイでワーファリンのメーカーだった。副作用の消化管出血(出血性胃潰瘍など)の予防に自社のパリエットをと宣伝していた。

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今日は頭が働かない

2014年11月10日 | Weblog

 昨日の日曜日に日直をして、けっこう疲れている。当直をすると半日代休がとれるが、日直ではない。できるだけ午前中で仕事を済ませて、午後は医局で調べものをして休むようにしている。今日の外来分の次回検査や予約表をプリントアウトして、早く外来が終わるようにしていた。病棟の指示も週末までの分を、日直の外来の合間に出しておいた。内科系医師8名で土日祝日の日直当直を組むので、単純にはひとり2回だが、祝日もあると3回入ってしまう。年齢的に当直は避けて日直に入るが、家庭の用事がある若い先生を休ませたいので自分は3回入っている。

 昨日脳梗塞で入院した89歳男性は、今日頭部CTで梗塞巣を確認した。前大脳動脈領域の一部と圧排された後大脳動脈領域が残ってはいるが、左大脳がほぼ全滅に近い。全失語で右完全片麻痺があり、意識レベルは3ケタ。脳萎縮があるので、健側への圧排は軽度だった。乗り切ってもいいことはないが、できる範囲で治療はする。

 先月肺炎で入院した81歳男性がまた肺炎で入院した。今回は右肺に2x2x2cmくらいの浸潤影があった。これで白血球数18000、発熱38℃になるのだから、免疫反応がいいというべきなのか。

 「金沢大学血液内科・呼吸器内科/血液・呼吸器内科のお役立ち情報」のブログを見つけた。最近、大学病院の講座で、このようなブログを出しているところがいくつかあって参考になる。ブログ記事からできた「しみじみわかる血栓・止血」もさっそく買ってみた。

 今年の分の出張費を使い切ってしまったが、1月31日~2月1日に臨床微生物学会があるので、行ってみることにした。ICD講習会に参加する目的もあるが、1~3月は特に用事がないので、何か無理にでも用事を作って東京に行ってみたい。東京を散歩するための雑誌や本が最近目立つので一冊購入した。

 今日は朝から頭が働かず、書いていることも雑多な内容になっている。

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89歳の脳梗塞

2014年11月09日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。喘息発作や風邪の患者さんがパラパラと受診するくらいで、救急搬入もなかったが、施設から脳血管障害疑いの89歳男性を受信させたいと連絡が入った。

 老年期認知症で施設に入所していて、当院は2回外来を受診していた。いずれも頭部打撲で、頭蓋内出血疑いで頭部CTが行われていた。脳萎縮のみだった。来てみると右片麻痺があり、ふだん良くしゃべる人らしいが(内容は対話にならないそうだ)、発語はなかった。頭部CTでは以前のCTになかった右小脳梗塞があるが、これは今回ではない。左大脳の皮質白質境界が不明瞭に見えた。じっとしていないので、できるだけでいいから(核酸強調のみでいい)と頭部MRIをお願いした。左頸動脈領域(前大脳動脈領域・中大脳動脈領域)に脳梗塞を認めた。

 これから脳浮腫が出現するはずだが、脳萎縮があるので、脳浮腫を吸収するかもしれない。今日は抗浮腫剤は入れないで、明日の頭部CT再検を見てから判断することにした。急性期を乗り切って食事摂取できれば最高だが、ただ助かっただけとなりそうだ。40歳代で胃全摘術を受けていて胃瘻造設はできない。

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