11月17日記載の、新型コロナウイルス感染症で両側肺炎を認めた54歳女性の経過。
入院したのが発症9日目だった。デキサメサゾン6mg/日(デキサート1.65㎎3A )の点滴静注を6日継続した。血液検査で炎症反応は陰性化していた。
デカドロンを何日投与すべきか判断するために、胸部CTを再検査した。両側肺の背側に淡いすりガラス様陰影は少し残っていたが、入院時よりはかなり軽減していた。
大学病院から呼吸器外来に来てもらっている先生(感染症科)に相談した。当院新型コロナウイルス感染症の入院1例目が、入院してみたら重症相当だったので、その日すぐに大学病院感染症科に搬送した。その患者さんの主治医のひとりだった。
入院時の胸部CTでも炎症のピークを少し過ぎた時点ではないかという。指摘されたように、確かにすりガラス様陰影に線状の陰影が混じっている。多数のコロナの肺炎をみているとそう判断できるのだろう。
デキサメサゾン投与はどうだったかだが、悪くはない選択ということだった。自然経過といわれると何ともいえないが、2-3日で酸素飽和度の改善(といっても95%から98%)と症状軽快を認めていたので、効いたと思われる。
別の感染管理で来てもらっている先生からステロイド使用可否の話を聞いた。コロナの急性期すぐに(1週間以内)ステロイドを使用すると、ウイルス増殖期に免疫抑制してしまい、病状が悪化するという。サイトカインストームの時期に使用するのが正しいそうだ。
患者さんは今日自宅退院されたので、まずは良かった。