スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

小林と安井&次の予約

2010-08-15 00:07:20 | 歌・小説
 『それから』という小説が『三四郎』のそれからであるということは有名ですが,『それから』のそれからにあたるのが『門』という小説です。よってこれらは三部作といわれることもあります。ただ,僕個人が受ける印象としては,『三四郎』と『それから』との間にはさほどの継続性のようなものは感じません。そもそもそれぞれの主人公である三四郎と代助の出自がまったくといっていいほどに異なっているからです。しかし,『それから』と『門』との間には,少なくとも『三四郎』と『それから』よりは強い継続性があるように感じられます。
                        
 『それから』において平岡にあたる立場は,『門』では安井です。したがって小林と平岡との間にある種の関連性があるならば,小林と安井との間にもまた,そうしたものがあってもおかしくないように感じます。そして小林と平岡との間の同質性が金の無心ということにあるならば,小林と安井との間にある同質性は,海外への渡航ということになるのではないでしょうか。
 安井は『門』の主人公である宗助に同棲していたお米を不倫の末に奪われた後,満州とモンゴルを放浪しています。一方,『明暗』の小林の方は,小説の中ではまだ海外に行っているわけではありませんが,朝鮮に渡ることを宣言しています。
 日本という狭い島国からみれば,大陸の大きさはそれだけで魅力的なものだった筈です。しかし小説の中で描かれている安井や小林の渡航の中には,そういった要素よりは,むしろ放浪とか,都落ちとかいった,どちらかといえば負のイメージの方を僕は強く受けます。清水忠平は『漱石に見る愛のゆくえ』の中で,平岡も含めたこれら3人を,アウトローということばで表現していますが,確かに漱石の筆致からは,そのような印象の方が強く感じられるのではないでしょうか。
                         
 下層階級の小林はともかく,友人に不倫の揚句に妻や同棲相手を奪われた平岡や安井が,なぜ一種のアウトローとして描かれなければならなかったのかは僕には分かりません。しかしこのような意味で,平岡が小林の前身であるように,安井もまた小林の前身であるようには僕には思えます。

 前回,3月8日の検査と診察のとき,それまでは2ヶ月の間隔で一定していた総合内科への通院を,1ヶ月に縮めたのは,ヘモグロビンA1cの検査結果の値が著しく悪化していたためというのが最大の理由でした。そういう意味でいえば,今回はその結果がさらに悪くいなっていたわけですから,同じように1ヶ月の間隔とするか,あるいはもっと期間を縮めるというのが常識的な選択であるということになります。しかし,М先生が指定した次の通院の期日は,5月24日の月曜日。つまり4月5日の診察から換算すると1ヶ月半強の期間があるわけで,間隔はむしろ開くということになりました。
 しかしこれにはやむを得ない理由がありました。すでに説明しましたように,僕の通院は,何月の何日であったとしても,月曜であるということは一定していました。したがって,もしも1ヶ月の間隔で通院するなら,これは5月4日ということになります。しかしこの日はゴールデンウィーク中の休日ですから,みなと赤十字病院の場合は外来はお休みで,検査や診察というのはありません。よって,翌週の5月11日というのが,それが可能な最初の日ということになります。
 ところが,実際には5月4日が定期的な診察の期日に当たる患者というのが大勢いるわけです。そこでこうした患者たちは必然的に1週伸びることになりますが,当然ながら11日が定期的な診察の期日であるという患者もまたいるわけで,4日の患者のすべてを11日に回せば,捌ききることができなくなります。このような理由から,おせおせで翌週,また翌週と伸びていく患者が出てきます。25日という期日は,現実的に僕の診察が可能であった初めての日ということなのでしょう。
 こうした理由から,前の週が休日であったという場合,病院は大変に混雑します。これはもちろんただ総合内科だけが混むというわけではありません。中央検査室での検査,僕の場合だと実際に影響するのは採血の検査ですが,この検査を行うのは糖尿病患者に限ったことではなく,総合内科のほかの患者もいるでしょうし,ほかの多くの科の患者もいます。だから自分の検査の日がこのような状況の日に合致したような場合には,初めから採血にはある程度の時間を要するであろうということを想定しておかなければなりません。
コメント
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