スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

東京2歳優駿牝馬&未購入者

2008-12-31 09:42:10 | 地方競馬
 南関東2歳牝馬チャンピオン決定戦の東京2歳優駿牝馬
 1番人気に推されたネフェルメモリーの逃げ。シアワセノレシピが2番手で,3番手は外にクラフィンライデン,内にレディカサロス。前半の800メートルが50秒0。とくに400メートル通過後にラップが落ち,ミドルペースでも前には楽な展開。こういう展開になれば,ここではネフェルメモリーの力がほかよりも1枚は上ですので,直線に入って追い出されると,後ろを離す一方となり,4馬身の差をつけての圧勝となりました。3コーナー過ぎから勝ち馬を追ってきたクラフィンライデンが2着。中団からまずまずの伸びをみせたエロージュが3着に入っています。
 優勝したネフェルメモリーは北海道デビューでここまで5戦して4勝。7月の栄冠賞と9月のフローラルカップで優勝していました。そのフローラルカップ以来の休み明けで南関東転入初戦を迎えたということが,強いてあげることができるような不安であったのですが,やはり戦ってきた相手が違ったというべきで,能力で圧倒したといったところでしょう。来春の南関東3歳牝馬路線の中心になる馬だと思います。
 鞍上は大井の戸崎圭太騎手。南関東重賞は先月のハイセイコー記念以来で,このレースは初制覇。管理するのは船橋の川島正行調教師で,2005年以来2度目の東京2歳優駿牝馬優勝となっています。

 これで,宝くじを実際に買った人間は,それまでに宝くじに当たったことがなかったとしても,宝くじに当たること,あるいは宝くじに当たる自分自身というのを容易に想像し得るということが理解できました。しかしそれでは,宝くじを買ったことがない人間,すなわち,単に宝くじに的中するということが未経験であるだけではなくて,宝くじを購入するということ自体が未経験であるという人間の場合にはどうなるのでしょうか。
 現実的に考えますと,もしも自分が宝くじに当たるということを想像することができないならば,この人間が宝くじを買うということはあり得ないように思えます。一方,宝くじを購入するということについては,たとえ何度も買ったことがある人間でも,初めて買う場合には当然ですが初体験でしょう。しかしその場合に,宝くじに当たるということを想像できなければ,この人間はこの初体験をなさないでしょうから,宝くじの未購入者も,自分が宝くじに当たることを想像できなければならないということになります。そうでなければ現実的にはだれも宝くじを買わないであろうということになってしまいますが,実際には宝くじは売れているからです。
 しかしこのことは,すでに宝くじを購入したことがある人が容易に自分が的中することを想像し得るということから,同様に帰結すると思います。なぜなら,購入者のこの想像の原因となるのは,購買することの知覚ないしは想起の表象像なので,この表象像さえあれば,人間は宝くじに的中することを表象し得ることになります。このとき,原因となる表象像は,知覚であろうと想起であろうと,あるいは想像であろうと構わないわけです。ところで,宝くじを表象するなら,これが原因となってそれを購入することは,たとえ買ったことがなくても表象し得ることがすでに明らかになっています。したがって,宝くじの未購入者も,自分が宝くじに的中することを,容易に想像できるということになるのです。
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競輪グランプリ&宝くじの的中

2008-12-30 19:54:30 | 競輪
 競輪選手にとって最大の目標となる競輪グランプリ。今年は平塚が舞台でした。
 前受けは平原選手。3番手に永井選手,5番手に井上選手,7番手に山崎選手で最後尾が佐藤選手という周回。山崎選手から上昇しましたが,永井選手を封じるために前までは上がらず。先に佐藤選手が単騎で上昇し,平原選手を抑えました。
 永井選手は残り2周のバックで6番手まで引き,打鐘を迎えて一気にダッシュ。ホームでは小嶋選手は離れ気味となり,第二先行のような形。井上選手がその後ろ。追い上げた小嶋選手が追いついた勢いでそのまま捲っていきましたが,マークという形となった井上選手が交わして優勝。最内を突いた平原選手が2着に食い込み,小嶋選手は3着。
 優勝した長崎の井上昌己選手は1月の競輪祭で優勝して最初にグランプリへの出場権を獲得。その後,別府記念で優勝していました。ここは展開面でかなり有利になったのですが,永井選手の先行になるだろうという読みのもとに小嶋選手の後ろに位置したということで,作戦勝ちだったといえそうです。
 
 かつて宝くじを買ったことがあるかないかには限らず,ある人間が宝くじを買ったとしましょう。ただしこのとき,かつて宝くじを買ったことがある人であるなら,その人は宝くじに当たったことはないということを条件に含めます。要するにここでいっているのは,宝くじに当たったことがない人間が,宝くじを購入したということです。
 僕が考えたスピノザによる人間の精神の事物の表象の説明の具体的不備は,このような場合には,この人間が宝くじに当たるということを想像できないということでした。しかしここまでの考察からすれば,この人間は,自分が購入した宝くじについて,それが的中するということを容易に想像できるということになるでしょう。
 なぜならば,少なくともこの条件があてはまる場合には,第二部定理一七系により,この人間は自分が宝くじを購入したことについては問題なく想起することができます。しかし,宝くじを購入したならば,それは当たるか外れるかのどちらかであることは自明ですので,この宝くじが的中することも外れることも,この想起の表象像に連結しているでしょう。つまり宝くじが当たるか外れるかということは,同時に想像することはできませんが,表象の動揺ないしは表象の疑惑には属さず,どちらかであるということは確実なこととして想起の表象像に含まれていると考えられ,第二部定理一八により,的中する想像,外れる想像は,各々がその想起と一体になっているといえるからです。かくしてこの人間は,自分が宝くじを購入したことを想起するたびに,その宝くじが的中することないしは外れることを想像するでしょう。そしてこの想像は,実際の結果が判明するまでは続くということになるのです。この想像が,表象の動揺とは異なっているということには気をつけてください。
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東京大賞典&宝くじの購入

2008-12-29 19:53:33 | 地方競馬
 1年の競馬を締め括る大一番,第54回東京大賞典
 大井の上がり馬,ブルーホークの逃げ。少し離れてサクセスブロッケンが2番手,カネヒキリ,ボンネビルレコードと続いてヴァーミリアンはその後ろ。前半の1000メートルは64秒4という極端なスローペースに。
 このペースなのでブルーホークも直線入口までは頑張れましたが,あとはサクセスブロッケン,カネヒキリ,ヴァーミリアンの3頭による激しい叩き合いに。サクセスブロッケンがまず脱落し,外から迫るヴァーミリアンの猛追を凌いだカネヒキリの優勝となりました。
 優勝したカネヒキリジャパンカップダートから連勝で大レース6勝目。意外にもこのレースはこれが初出走。阪神と大井では砂質が少し違いますので,それがどう出るかと思いましたが,あまり影響はなかったようです。ゴール前の勝負根性も圧巻でした。
 クリストフ・ルメール騎手,角居勝彦調教師とも,ジャパンカップダートに続く今月の大レース2勝目で,東京大賞典初制覇となっています。

 明日は平塚で競輪グランプリ。山崎ー伏見の福島,平原に渡辺,永井ー小嶋の中部,井上ー三宅で西,佐藤は単騎。僕は伏見選手。

 大井では東京シンデレラマイル。ダイワオンディーヌ◎から。シスターエレキング○とブライズメイト▲。ミスジョーカー△,オリビアフォンテン△。

 ここまでの考察を利用すれば,少なくとも,僕が具体的不備で示したことについては,すでにそれは不備とはいえないという説明ができるのではないかと思います。
 まず第一に,宝くじというものの表象像があれば,つまり何らかの形で宝くじを知覚したことがある人間は,この表象像から,自分が宝くじを買うということを容易に表象し得るでしょう。繰り返しになりますが,このために必要な表象像は宝くじの表象像のみですから,これは無理な仮定ではないと思います。
 もしも宝くじを買ったことがない人間にとっては,自分が宝くじを買う表象像は,未経験の事柄についての表象ですから,これは想像です。そして宝くじを始めて買うという場合には,知覚になります。しかしこの知覚は,すでに宝くじの表象と連結しているので,驚異とか表象の動揺を来したりはしないでしょう。最後に,もしもすでに宝くじを買ったことがあるという人間の場合には,これは想起になります。そして想起の場合には,最初の前提,宝くじの表象像とは関係なく,自分が宝くじを買うことを,想起との関連で表象できるということになります。
 このことから分かるように,初めて宝くじを買う人間であろうと,宝くじを買ったことがない人間であろうと,また宝くじを買ったことがある人間であろうと,同じように自分が宝くじを買うことを表象し得るということになります。そこで,宝くじを買ったことがない人間が,宝くじを自分が購入することを表象することができるということ自体が,人間がある事象を想像し得るということの証明であるともいえるわけですが,さらに深く,これを知覚ないしは想起であると限定して,具体的不備の内容に適合するように進めていくことにします。
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有馬記念&因果関係

2008-12-28 19:07:48 | 中央競馬
 どうも第53回有馬記念が終らないと年末という気分になりません。しかし今年は28日の開催なので明日から大変。こんな競馬ファンは意外にいるのではないでしょうか。
 ダイワスカーレットの逃げ。それほど速いペースではありませんでしたが,後ろとは常に一定以上の差がついていました。追いかけていたのはカワカミプリンセス,メイショウサムソン,アサクサキングスなど。マツリダゴッホは作戦であったかどうか分かりませんが,かなり後ろの位置取り。3コーナー過ぎから外を捲ってはいきましたが,そこで見せ場を作っただけというようなレースでした。
 称えられるべきはダイワスカーレットの強さ。追いかけていた馬も弱い馬ではない筈ですが,すべて潰されてしまいました。ほかの馬とは関係なく,最後尾からレースを進めたアドマイヤモナークが2着,中団で控えていたエアシェイディが3着と,波乱の結末になっています。
 優勝したダイワスカーレットは4月の大阪杯以来の勝利。大レースは昨秋のエリザベス女王杯以来の4勝目。父はアグネスタキオン,母系はスカーレットインク一族。今日のレースを見る限り,このメンバーでは圧倒的な力があったとしかいいようがない感じです。
 安藤勝己騎手は阪神ジュベナイルフィリーズに続いて,今月は大レース2勝。松田国英調教師はこの馬のエリザベス女王杯以来の大レース優勝。有馬記念は共に初制覇です。

 明日は東京大賞典。ヴァーミリアン◎,フリオーソ○,カネヒキリ▲。あとサクセスブロッケン△とボンネビルレコード△。

 平塚ではSSカップみのり。並びは武田ー神山ー手島の関東,海老根ー新田の南関東に山口,石丸ー紫原ー合志で西日本。関東から。

 よく考えてみれば,僕たちが初体験の出来事に出会うたびごとに驚異を表象したり,表象の動揺ないしは表象の疑惑を感じていたりしては大変です。人間の精神のうちには,きわめて多くの観念がある,もちろんそれが一つひとつ意識されてはいないとしても,無意識のうちにはあるわけですから,僕たちの初体験の表象,この場合には僕は初体験の知覚を念頭においていっていますが,こうした初体験の知覚の表象像が,僕たちの精神のうちにある何らかの観念と連結するということは,さして不思議ではありません。というかむしろそういう場合の方が多い方が当然であるとさえいえるでしょう。
 しかし,一般的に初体験の知覚についてこのようにいうことができるのであれば,僕たちが偶然であるとみなすような想起ならびに知覚から生じるような想像に関しては,すでにこの想像が直接的に連結するような観念,すなわちそうした知覚ないしは想起の表象像が明らかになっているのですから,むしろそれが人間の精神のうちに生じる因果関係そのものは,少なくとも初体験の知覚よりは理解しやすいと思います。というのは,初体験であろうとそうでなかろうと,知覚というのは第二部定理一七によって説明されるわけですが,この場合の想像に関しては,この知覚の表象像を原因として,同じ人間の精神のうちに生じるような観念として,つまり,第二部定理五とか第二部定理九に訴えて証明ができるような観念としてあるといえるからです。
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中山大障害&想像の連結

2008-12-27 21:08:07 | 中央競馬
 昨年の上位馬が揃って出走してきた今年の中山大障害。新勢力の台頭はあるのかというのがひとつの見所でした。
 マルカラスカルの先導は予想されたところ。後続を離していくのも予定通りではあったでしょう。ただ,大竹柵を飛越した後,逆回りの1コーナーをスムーズに,回りきれず大きく外に逸走。ここで後ろに追いつかれ,再び先頭に立っていったのですが,さすがにこのロスは大きかったのではないかと思います。
 それでもマルカラスカルは直線まで先頭。これをメルシーエイタイムが捕えると抜け出し,完全に勝ったかと思ったのですが,外を追ってきたキングジョイが直線でこれを捕えて逆転の優勝。マルカラスカルはさすがに疲れ,3着にはテイエムトッパズレが入っています。
 優勝したキングジョイは前走の京都ハイジャンプからの連勝。障害重賞は3勝目で,初の大レース。直線での大逆転ということで,これだけ長距離の障害レースではとても珍しいケースではないでしょうか。
 鞍上の高田潤騎手は名手ですが意外にもこれが初の大レース優勝。管理するのは増本豊調教師で,春の中山グランドジャンプに続き,今年の障害大レースを連勝となりました。

 明日は有馬記念です。ダイワスカーレット◎とマツリダゴッホ○が強力そう。スクリーンヒーロー▲,メイショウサムソン△。穴でコスモバルク△。

 平塚ではヤンググランプリ。並びは菅田ー新田ー飯野ー鈴木の北日本,柴崎ー浅井の三重,北津留ー坂本ー松岡の九州。北津留選手と思います。

 ある人間がAという出来事を体験して,後にこのAを想起するとします。このとき,Aという出来事が偶然であったとこの人間が観想する限り,この人間はAという出来事ではなくて,Bという出来事が生じたと表象する余地があります。ところでBというのはこの仮定それ自体で明らかなように,この人間にとって未体験の出来事です。したがってこの表象は僕がここで規定している想像に合致するので,これはこの人間によるBの想像ということになります。このとき,実はこの想像は,未来ではなく過去に関係しています。端的に,自分があのときこうしておけばよかったというような後悔を伴う想像は,どう考えても未来ではなく過去と関係しているでしょう。よって,想起と想像の相違を,過去と未来に関係付けて規定することができないもうひとつの理由が,ここにあるということになります。いい換えれば,未来に関係するような表象は,非確実性の観点からしてすべて想像であるといえますが,これ以外に,過去に関係するような想像というのもあるということになるのです。
 さらにこのことから,もうひとつ別の事柄が明らかになっています。それは,僕たちがある事柄を初体験する場合にも,僕たちはそれを自分の精神のうちで,秩序付ける,つまりほかの観念と連結させる場合もあるということです。前述のような想像はこの代表といえるでしょう。したがってまず,僕たちがある未経験の事柄を表象するこの表象は,想起ではあり得ないので知覚か想像のどちらかに限られますが,この場合に,第三部諸感情の定義四の驚異や,表象の動揺ないしは表象の疑惑以外のことも生じ得るということになります。そしてこのことが,表象像の連結から,人間の精神による事物の想像が生じる,前提条件になっているといえると思います。
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棋王戦&想起の偶然性

2008-12-26 18:50:17 | 将棋
 棋王戦挑戦者決定戦変則二番勝負第一局。
 振駒で先手となった久保利明八段の中飛車。木村一基八段がこれを押さえ込みにいき,押さえ込めるか破れるかが最大の焦点になりました。
          
 第1図から先手は▲4三歩。これが軽妙な一着で先手が優位に立ちました。たぶん後手は軽視していた手だったのではないでしょうか。△同玉と取りましたが,これ以後,先手がうまく駒を交換しながら入手し,第2図へ。
           
 こうなってしまっては後手の押さえ込みの網は完全に食い破られている形。そうなると後手としては主張するポイントがなく,この局面で大差。以下,いくばくもなく先手の勝ちになっています。
 ということで佐藤康光棋王への挑戦者は今日は決定せず。この両者が年明けの7日にもう1局指し,そこで勝った方が挑戦ということになります。

 明日は中山大障害。メルシーエイタイム◎,マルカラスカル○,キングジョイ▲が上位。あとはクールジョイ△とエイシンニーザン△。

 それでは本当に僕たちが知覚していること,あるいは想起していることに関して,それを同時に偶然なものとして,何らかの意味では確実であるけれども偶然でもあるものとして観想するということがあるのかどうかということを考えてみます。ただしスピノザは論理的な方向として,ここで示したいのとは逆に,ある事柄が偶然であると認識されるならば,それは表象であるというように『エチカ』では証明していますので,ここではこれを単純に経験的な方向からのみ示すことにします。そしてその場合には,想起について考える方が簡単と思いますので,想起で考えることにします。
 僕たちはかつて経験したこと,確かに自分がそれを経験したというのが確実であるよな事柄について,しかしそれが別の経験になっていれば,と観想することがあります。あのときこうすればよかった,というように思う,つまり後悔するのがこの代表で,こうした表象自体をしたことがないなどという人はまずいないのではないかと思います。すでに説明したように,もしもある観念が知性のうちで必然的なものとして認識されるならば,こうした表象は生じ得ないのですから,こうしたことが起こるということ自体,少なくとも僕たちが,ある出来事の想起の表象像に関しては,それが確実に生じたことではあっても,同時に偶然であると観想していることの証明になるでしょう。よってここから別の,つまり実際には生じなかった事柄の想像が生じることも,不思議なことではないといえるでしょう。
 知覚についてはここでは示しませんが,そもそも想起とは,第二部定理一七系により,知覚したことについての想起であるわけですから,知覚の場合にも同様のことが妥当するのは間違いないと思います。
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兵庫ゴールドトロフィー&表象像の偶然性

2008-12-25 19:42:59 | 地方競馬
 今年はJBCが開催された園田競馬場。今日の第8回兵庫ゴールドトロフィーは,そのうちJBCスプリントと同じ条件でした。
 発走後の直線で,一旦はキングスゾーンが先頭に立ちましたが,外からコンゴウリキシオーが被せていき,こちらの逃げ。キングスゾーン,モエレソーブラッズが追っていきました。
 スマートファルコンは後方3・4番手から。僕が予期していたよりも後ろからでしたが,向正面では楽に進出。少し前にいたリミットレスビッドもこれを機に上昇,コンゴウリキシオーと3頭が並んで直線に入りましたが手応えの差は歴然。あっという間にスマートファルコンが抜け出して優勝。スマートファルコンの動きにはついていけなかったものの,徐々に追い上げたアルドラゴンがゴール寸前でリミットレスビッドを捕えて2着。リミットレスビッドが3着と,非常に固い決着になりました。
 優勝したスマートファルコンは先月末の浦和記念から連勝で重賞3勝目。ここは能力上位で順当な勝利。距離もおそらくこれくらいの方が適性は高いものと思います。父はゴールドアリュール
 鞍上は岩田康誠騎手で,一昨年,昨年とこのレースを制しており,三連覇で3勝目。管理する小崎憲調教師はこのレースは初制覇です。

 明日は棋王戦挑戦者決定戦変則二番勝負第一局。木村一基八段が勝つと挑戦決定,久保利明八段が勝つともう1局ということになります。対戦成績は木村八段が8勝,久保八段が6勝となっています。

 防府記念は決勝。並びは福田ー長塚の東日本,稲垣ー伊藤ー山口で近畿中部,富ー柏野ー筒井の中国で坂上は単騎。稲垣選手で。このレース回顧は年が明けてからになります。

 ある人間が経験していること,あるいはかつて経験したことというのは,形相的に,すなわち物理的な運動として考える限り,確かに現実的に生じた運動であるということができます。よって第二部定理七系により,この運動自体の観念は,神のうちに十全な観念としてあることになります。そしてこの観念がこうした仕方である限り,これは必然的なものであるということになりますから,この運動が生じないとか,この運動とは別の運動が生じるとかいうようには認識され得ないでしょう。ある事物が必然的なものとして認識されるということ自体が,そういうことを意味しているからです。実際にそれが可能であるかどうかは別ですが,このことは,この観念がこうした仕方で人間の精神のうちにある場合にも同様です。
 したがってこうしたある物理的運動,ある人間が経験している,あるいは経験した物理的運動が,ある知性,とくにこの人間の知性のうちで,偶然なものとして把握されるならば,この知性がそれとは違ったこと,すなわちそうした運動が生じないとか,実際に生じた運動とは別の運動が生じたと表象したとしても,これは何ら不思議がないということになります。そしてこの場合,そのように表象される事柄は,実際には生じなかった物理的運動,すなわち,この人間が経験したことがないような物理的運動の表象ということになりますから,これはまさにここで考察しようとしている想像という表象の範疇にがっちりと収まることになります。すなわち,僕たちが経験していることと経験したことの表象像,つまり知覚の表象像と想起の表象像が,偶然として認識されるならば,それを原因として想像という表象が生じ得る,つまりそこから必然的に生じるとはいえないまでも,想像が生じる可能性があるということについては,間違いないこととして断定してよいのではないかと思うのです。
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オーバルスプリント&偶然の根拠

2008-12-24 19:03:33 | 地方競馬
 オーバルスプリントという名称の南関東重賞が行われるのはこれが始めて。第19回となっているのは,テレビ埼玉杯が改称されたものだからです。
 先行争いの激化が予想されましたが,わりにすんなりとサミンバリオスが先頭に。これで隊列が決まったようにも感じたのですが,向正面でここで引退というナイキアディライトが強引に外から並びかけていきました。最初の600メートルは35秒2のハイペース。
 2頭の逃げ争いはナイキアディライトが先に脱落。上がってきたのはブローザウインドとトーセンラヴで,4コーナーではどうやらこの3頭による優勝争い。馬場の中央を突き抜けたトーセンラヴが優勝。ブローザウインドが2着。大外から追い上げたコアレスデジタルが,逃げたサミンバリオスを捕えて3着に入りました。
 優勝したトーセンラヴはJRAデビュー。3勝を上げて11月に浦和に移籍。ここが移籍3戦目で,南関東重賞というより南関東での初勝利。ここは強力メンバーともいえないでしょうし,さらにその中で斤量面でも恵まれていました。今後どの程度まで活躍できるのかとなると,正直なところ微妙な面もあるかと思います。母系はフロリースカップシラオキローズトウショウの分枝です。
 鞍上の水野貴史騎手は北関東で騎手デビュー。高崎競馬の廃止で浦和に移籍。南関東重賞はこれが初制覇になります。管理するのは浦和の小久保智調教師。このレースは初制覇ですが,浦和では注目すべき調教師でしょう。

 明日は兵庫ゴールドトロフィーです。中心はスマートファルコン◎。アルドラゴン○とリミットレスビッド▲が続き,メイショウバトラー△まで。

 そもそもスピノザは,自然のうちに生じることまた生じないことに関しては,もしもそれが生じるのであれば必然的に生じるのであって,逆に生じないならばそれは不可能であるから生じ得ないと考えます。これは第一部公理三からして,そうでなければならないといい得るでしょう。したがって偶然と可能ということについてはこれは自然のうちには認めず,すべては必然と不可能のどちらかであるということになります。
 これで考えれば,第二部定理四四系一で,偶然ということばをスピノザ自身が用いていること自体が,スピノザ自身の哲学に矛盾していると思われるかもしれませんが,別にそんなことはないと思います。なぜなら,すべてが必然であるか不可能であるかのどちらかであるということは,それを客観的に,すなわち観念として考えた場合には,十全な観念に対応するからです。いい換えれば,もしも僕たちの精神のうちにある十全な観念があるならば,僕たちはその十全な観念について,あるいはそこで観念されているような対象について,必然として認識するか不可能として認識するかのどちらかでしょう。逆にいえば,僕たちがあるものについて,それを偶然とか可能として認識するならば,それがどのような意味で偶然であろうと可能であろうと,それはすでに混乱した観念であるということを意味します。この系は混乱した観念である表象について言及していますから,偶然ということばが用いられていても,別にスピノザの哲学全体において一貫性を欠いているというわけではありません。
 このことから理解できるように,表象というのは常にこの偶然性や可能性,非確実性よりも広くわたる偶然性や可能性に満ちているということになるでしょう。そしてこのことも,人間の精神が事物を想像する際の,ひとつの根拠,あるいはもっといえば原因になるように僕は思うのです。
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名古屋グランプリ&偶然

2008-12-23 19:14:09 | 地方競馬
 大レースの谷間にあたるものの,新年の川崎記念との関連が意外に深いのが今日の第8回名古屋グランプリ(動画)です。
 ボランタスが内田博幸騎手から東川公則騎手に乗り換り,また地元のセンゲンゴローが出走を取り消したので,11頭でのレースとなりました。
 先手を奪ったのはヤマトマリオン。かなり押さえながらムーンバレイが2番手を追走。チャンストウライ,ワンダースピードと続き,最初の1周はほとんど動きがないレースとなりました。
 2周目の2コーナーに入るあたりから後方3番手に位置していたメイショウトウコンが上昇を開始し,向正面でも外を進出。ムーンバレイとチャンストウライは対応できず,3コーナーを回るとヤマトマリオン,ワンダースピード,メイショウトウコンがほぼ雁行状態となり,4番手以降は少し離されました。そのまま直線に入るとヤマトマリオンは脱落。ワンダースピードが一気に抜け出して優勝。追ってきたメイショウトウコンが2着。直線で伸びたボランタスが3着に食い込みました。
 優勝したワンダースピードは4月のアンタレスステークス以来の勝利で重賞2勝目。ここはほかの有力馬に比べて,距離適正で上回った結果ではないかと思います。時計は少し遅くなったという印象がありますが,それにしても鮮やかな勝利でした。
 鞍上は小牧太騎手で,管理するのは羽月友彦調教師。共に名古屋グランプリは初制覇です。

 明日は浦和でオーバルスプリント。ディアヤマト◎を狙ってみます。ナイキアディライト○とコアレスデジタル▲,次いでキングビスケット△。トーセンラヴ△も。

 表象の非確実性について考える前に,ひとつ注意しておきたいことがあります。表象の動揺ないしは表象の疑惑に関する説明をスピノザが与えている備考が付されている第二部定理四四系一には,偶然ということばが使われていますが,僕がここでいっている非確実性というのは,この偶然とは異なります。簡潔にいえば,ここで偶然といわれている範囲は,僕が非確実性ということばで示そうとしていることよりも,ずっと広く渡るでしょう。しかし,この偶然ということについて考えることもまた,想像を考える上で,きっと役立つと思います。
 たとえば,僕たちはある事柄を知覚する場合には,自分自身がそれを知覚していることに関して,より正確にいうならそのように知覚している対象に関して,何らかの確実性を有します。これは想起の場合にも同様で,想像だけがこうした確実性をもちません。これが非確実性,あるいは確実性ということの,ここでの意味です。
 しかし一方で,ある事柄について,それは確実ではあるけれども偶然である,あるいは偶然というのは必然の対義語ですから,ある事柄は確実に自分自身に現前している,あるいは現前したけれども,それが自分に現前すること自体は必然ではないと観想することはあるわけです。これは自分自身の知覚ないしは想起について反省的に考えるなら,だれしも納得できることだと思います。
 したがって,非確実性ということばで示されるような精神の一状態が含まれるような表象というのは想像に限られるわけですが,それが偶然ということばで示されるような状態が同時に含まれるのは,想像に限らず,知覚にせよ想起にせよ,表象全般にわたるということになります。
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岐阜記念&想像の可能性

2008-12-22 18:55:42 | 競輪
 みんなで歌おうZが原因ですが,どうも岐阜と義父が僕の精神のうちで連結しています。昨日は義父記念ではなく岐阜記念の決勝(動画)でした。
 前受けが石橋選手。山口選手が4番手で,浅井選手が7番手という周回。
 残り2周のホームで上昇してきた浅井選手が石橋選手に並び掛けると,石橋選手は誘導を斬りました。浅井選手はバックで石橋選手を叩くと,浅井ラインに山口選手が続き,引いた石橋選手は7番手。一列棒状の打鐘から浅井選手の先行になりましたが,この状態がバックまで続いては勝負あり。石橋選手の捲りに合わせて山口選手も発進しましたが,前には関係なく,十分に車間を開いて踏み出した番手の浜口高彰選手が優勝。マークの村上選手も2着に続き,3着も浅井選手が粘り,ラインで上位独占となりました。
 優勝した岐阜の浜口高彰選手は,昨年は9月に行われた岐阜記念を制していて,地元記念連覇。記念競輪の優勝もそれ以来で,通算だと16勝目。年齢的なことからいっても,一番強かった頃の力というのはさすがにもうないのだろうと思いますが,こうして大事な地元記念を連覇するあたり,やはり立派だと思います。

 明日は名古屋グランプリ。中心はメイショウトウコン◎でしょう。ヤマトマリオン○,ワンダースピード▲,チャンストウライ△が続き,ムーンバレイ△まで。

 競輪は明日から防府記念です。これが今年最後の記念競輪です。

 この表象の動揺ないしは表象の疑惑についてのスピノザの説明は,一面では,人間の精神による事物の想像ということの可能性をはらんでいるというようにも僕には思えます。
 表象の移行がBからCないしはDのどちらに移行するべきか確定できない状態というのは,夜にCを見るかDを見るかこの人間には分からないという状態であるわけですが,これは逆に考えてみるならば,この人間がCを見ることとDを見ることの双方を想像している状態であるといえなくもないからです。
 もちろんこの表象は,すでにこの人間がCを見ることもDを見ることも経験した上での表象ですから,第二部定理一七系によって説明される表象であり,この限りでは想起です。また僕自身も,あえて過去に関する表象と未来に関係する表象ということでは想像と想起と想像とを分類しませんでした。ただここで,Cを見ることもDを見ることも,この人間の精神のうちでは,何らかの意味で確実であるとされていない,つまりある表象像から確実に連結されていないという点は,看過できないように思うのです。
 一般的に僕たちは,ある事柄を想起する場合には,確かにそれを自分が経験したこととして想起します。そういう意味で,この表象像自体は十全な観念ではありませんが,何らかの確実性を同時に表象しているとはいえるでしょう。しかし僕たちがある事象を想像するという場合には,僕たちはその事象が確実に現在するであろう,あるいは現在したであろうとは表象しません。それどころか,場合によっては,それは絶対に生じないであろう,あるいは確実に生じなかったであろうと思いつつ表象するケースさえあると思います。実はこの非確実性こそが,想像という表象の大きな特徴ではないでしょうか。
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朝日杯フューチュリティステークス&表象の動揺

2008-12-21 19:38:15 | 中央競馬
 2歳の芝ではこれが唯一の大レースとなる第60回朝日杯フューチュリティステークス
 先行争いはひとつの注目点でしたが,ツルマルジャパンの逃げになりました。ミッキーパンプキンとゲットフルマークスがこれを追走。ホッコータキオンがその後ろ。前半の800メートルは46秒3でハイペース。
 後方2番手に位置していたブレイクランアウトが,3コーナーを過ぎてから外を捲るように追い上げ,直線入口では前を射影圏内に。直線でまず先頭に立ったのはホッコータキオン。これに外からブレイクランアウトが並びかけたところ。内に進路を取ったセイウンワンダーの伸びがよく先頭に。さらに外からフィフスペトルが伸びてきて,セイウンワンダーにぐんぐん迫りましたが,僅かに届かず,セイウンワンダーの優勝。フィフスペトルが2着で3着にはブレイクランアウト。4着のホッコータキオンまで,差なく入線しました。
 優勝したセイウンワンダーは初戦2着の後,未勝利と新潟2歳ステークスを連勝。その後で一頓挫あったため,ここが3ヶ月ぶりでしたが3連勝で大レース制覇となりました。父はグラスワンダーで,このレース父子制覇。母系はフロリースカップサンマリノの分枝。
 鞍上は岩田康誠騎手で,秋華賞以来の大レース制覇。管理する領家政蔵調教師は1995年の桜花賞以来の大レース優勝。このレースはふたりとも初制覇です。
 中山の1600メートルは内枠が有利。フィフスペトルにとってその点は大きかったかもしれません。逆にセイウンワンダーはその利を生かした形。岩田騎手の騎乗が勝因のうちでも大きなウエートを占めたのではないかという気がします。

 スピノザによる初体験の表象について考察するために,もう1度,過去と未来で説明した事例に戻ります。
 朝にA,昼にB,夜にCを見るということが連続するようになると,こうしたことを知覚する人間の精神のうちで,この表象像が連結するようになります。かくしてこの人間はAの表象像からBの表象像,Cの表象像へと移行していくということになります。ところが,この人間が朝にAを見て,昼にBを見て,夜にはCを見るということは,絶対に確定している出来事であるのかといえば,これはだれにもそうであるとはいえません。そこでたとえば,ある夜には,この人間はCを見ずにDを見たと仮定します。前述の条件により,これは無理な仮定ではありません。
 するとこの人間の精神のうちにはどういったことが起こるでしょうか。それは,AからBへの表象の移行が依然として確定的であっても,Cへの移行というのは確定的ではなくなるということです。むしろこの人間の表象像は,Bの表象からCの表象ないしはDの表象の双方へと移行することになるでしょう。ただし,第二部定理一八により,CとDを同時に表象するということはないでしょう。こういうのをスピノザは表象の動揺ないしは表象の疑惑といいます。つまり,ひとつの表象像から別のふたつの,あるいは複数の表象像へと移行するような状態に,ある人間の精神がおかれる状況,とくに,確定していた連結が破壊されてこうしたことが発生するような場合です。
 そこでこの表象の動揺を,未来の時間と関係付けてこれを想像というならば,この人間はCについてもDについても,確実に表象することはできない,あるいは確実に想像することはできないということになります。そしてこのことは,どんな外部の物体についても妥当ですから,少なくとも,どんな外部の物体,あるいは事象についても,人間はそれを確実な仕方で想像することはできないということが帰結することになります。
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佐世保記念&過去と未来

2008-12-20 18:52:12 | 競輪
 期待された地元の九州勢が揃って準決勝までで敗退してしまった佐世保記念。決勝(動画)は17日に争われました。
 すっと飛び出していったのが四国勢。Sは小倉選手が取って浜田選手の前受け。3番手に吉田選手で6番手に岡村選手と,かなりスムーズに位置取りが決まりました。
 残り2周のホームに入るところで岡村選手が早くも上昇。一旦は吉田選手を牽制して,バックに入ると一気に踏み上げ,打鐘前からそのまま先行しました。吉田選手が追い上げ,5番手に入れそうでしたが,ホームからそのまま発進。1コーナーで海老根選手が牽制しながらそのまま早くも岡村選手を捨てて出て行きましたが,吉田選手もかなり抵抗。ここをバックで浜田選手が捲っていくと,直線の入口では捲りきり,そのまま抜け出して優勝。直線で海老根選手と接触した小倉選手が大きく外に浮いたため,2着に海老根選手,3着に小倉選手という入線に。審議にはなったものの,入線通りで確定しています。
 優勝した愛媛の浜田浩司選手はこれが記念競輪初優勝。FⅠでは何度か優勝していますので,記念制覇してもおかしくない力はある選手。今節は調子もかなりよかったように思います。大ギアもきっと合っているのでしょう。
 海老根選手は来年のSSが懸かっていましたので大きな2着。もしも確保できたならば,これは大きな審議であったということになります。

 明日は朝日杯フューチュリティステークス。不安もありますが中心はブレイクランアウト◎。シェーンヴァルト○とセイウンワンダー▲が本線。あとフィフスペトル△とミッキーパンプキン△。

 岐阜記念は決勝です。並びは山口ー手島に大槻で東日本。石橋ー桐山ー武井の南関東。浅井ー浜口に村上で中部近畿。全員が動ける南関東が気になります。

 初体験に関連してはスピノザはもうひとつ,別の説明を第二部定理四四系一の後の備考で示しています。ただしここではそれを直接的に考察する前に,過去に関連するする表象と未来に関連する表象ということについて,僕がどのように考えているのかということを先に説明しておかなければならないでしょう。
 ある人間がいて,朝にAを見て,昼にBを見て,夜にCを見るといったことがあるとしましょう。するとこの人間はそれぞれの時間にA,B,Cをそれぞれ別々に知覚することになります。しかし,次の日も同じことがあり,また次の日も同じことがありといった具合にこの経験が蓄積されていくと,A,B,Cの各々の表象像が,この人間の精神のうちで連結していくようになります。そしてそうなると,この人間の精神のうちでAの表象像はBの表象像からCの表象像へと移行していくようになりますから,この人間は朝にAを知覚すると,昼のB,夜のCを表象するようになるでしょう。この表象を朝の時点でその日の昼とその日の夜に関連させるなら,これは想像であるといえなくもないのですが,実際にこの人間の身体のうちに生じている運動と関連させるなら,これはむしろ第二部定理一七系により想起ということになります。どちらもそれなりの根拠を有しますが,想像について考えるときに,想起ともいえるような表象について考えることはあまり好ましくありません。僕が想起と想像とを分類するときに,単にそれを過去に関係する表象と未来に関係する表象という仕方ではなく,すでに体験ないしは経験をしたことがある事象に関連した表象と,未体験であるような事象に関連する表象というように分けたのは,このような表象を想像から排除するためです。
 ただしこの分類は,この考察のための分類ですから,上述のような未来に関連する表象に関しては,それを想像であるといわれても,僕はそれについては争う気はありません。ただ人間の精神によるそうした表象の根拠に関しては,第二部定理一七系ですでに説明できていると思います。
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かがり火賞&第三部諸感情の定義四

2008-12-19 18:58:29 | 競輪
 岐阜記念は長良川鵜飼カップ。そういうわけで今日の2日目優秀(動画)はかがり火賞でした。
 前受けは石橋選手。この後ろが競りでしたが,残り2周のホームの時点では村上選手が入り,山口貴弘選手が3番手。5番手が加藤選手,7番手に香川選手で,8番手から岡部選手という周回。バックに入ると山口貴弘選手が追い上げ,村上選手の外に。後続は動かず,石橋選手は残り1周まで誘導を使っての先行になりました。番手戦は半周ほど続き,バックで外の山口貴弘選手が確保。この間,後ろがまだ動かなかったので,石橋選手は余裕のマイペース。楽々と逃げ切った石橋選手が1着。番手を守った山口貴弘選手が2着で,山口貴弘選手マークの手島選手が3着でした。
 加藤選手も岡部選手もまったく動きませんでしたので,レースの見所は番手戦だけ。石橋選手にしたらずいぶんと楽なレースであったのではないかと思います。

 最も単純に考えて,ある人間がまだAを表象した経験がないと仮定しておいて,この人間がAに本性を含むような仕方で刺激されるならば,第二部定理一七によりこの人間はAを現実的に存在すると観想します。あるいは僕の表象の分類からすればAを知覚します。このことは,仮定から,この人間にとっての初体験であるといっていいでしょう。というか,こうしたことをここでは初体験といっているわけです。
 このときに,この人間の精神のうちにどういったことが起こり得るのか。第三部諸感情の定義四は,そのときのありようのひとつを示しているように僕には思えます。
 「驚異とはある事物の表象がきわめて特殊なものであってその他の表象と何の連結も有しないために,精神がその表象に縛られたままでいる状態である」。
 諸感情の定義に含まれていますが,この驚異は感情ではなく,精神の一状態だけを示しています。その状態というのは要するに,知覚した表象像が,その人間の精神のうちにあるいかなるほかの表象像とも連結しないために,その表象像からほかの表象像への移行がなかなか図られないでいる状態といえると思います。
 スピノザはこれを,あまりに特殊だからと説明していますが,別にそのように考えなくてもいいだろうと僕は思っていて,たとえば自身が予期していたのと異なることを知覚するような場合には,こうしたことは人間には往々にして起こると思います。たとえば日本シリーズの記事で,第6図の局面になったとき,森下九段が頭の中が真白になったといっていたことを書きましたが,この空白状態こそ,驚異という状態を示していると僕は思います。よって確かに,人間の精神の状態がこのような状態に陥ることがあるということは,間違いがないところでしょう。
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竜王戦&初体験

2008-12-18 20:20:10 | 将棋
 竜王戦七番勝負第七局。今日はNHKBSの生中継が19時までありましたのでそれを途中から見ることができました。しかし解説を聞いていてもちんぷんかんぷんといった具合の難しい将棋。僕が見始めたあたりはおそらく後手の渡辺明竜王がよかったと思いますし,結果も後手の勝ちになりましたが,放送終了時,105手目に先手の羽生善治名人が▲1一角成としたところは,かなり難しくなっているような気はしました。このあと,なかなかネット中継に繋がらず,検討はほとんどできていません。
           
 これは放送終了直後,詰めろを受けて△5五歩とした局面。実戦はここで▲2四飛と出て,先手の駒がぼろぼろと取られてしまい,後手玉が寄らなくならりました。▲2四飛の代わりに▲4八飛と金を取る手は考えられ,これだと先手が有望のような気もするのですがどうだったのでしょうか。
 正直なところ,このシリーズが始まる前,双方に初代永世竜王がかかっているということで,少し複雑な思いがありました。羽生名人が勝ちますと,すべてのタイトルの永世称号獲得。これは快挙ですが,ほかの棋士からすれば一種の屈辱的出来事でしょう。渡辺竜王が勝てば初代永世竜王で,これも快挙ですが,B級1組の棋士が永世称号を獲得というのも何となく違和感がありました。結果,3連敗後の4連勝という将棋界では初となる劇的な結果で渡辺竜王が防衛すると共に初代永世竜王に就位。今期もまだチャンスが残っていますので,早いうちにA級に昇級してほしいところです。
 シリーズを通していいますと,僕は第四局の渡辺竜王の106手目,△4九龍というのが最も印象に残っています。

 明日は岐阜記念の2日目優秀のかがり火賞です。並びですが岡部に紫原,石橋には山口ー手島の関東ですが,村上も行くそうです。加藤ー山口の岐阜,香川が単騎。先行1車ですから素直に石橋選手。

 宝くじに当たったことがない人間が,自分が宝くじに当たることを表象できないということは,経験的に考えて不条理です。そしてこのことを一般的にいうならば,人間は,自分が経験したことがないこと,あるいは体験したことがないことについて,それを表象することができないと主張するならば,これは不条理であるということになります。そしてまさにこの体験したこと,経験したことがないことを表象することをここでは想像といっているいるわけですから,人間はある事象についてそれを想像する,あるいはこういってよければ想像し得るということについては,これをもはや否定することはできません。そして,この想像という表象は,このように考える限り,自分が経験ないしは体験したことがないことを,あたかも体験し経験するように,あるいは表象がある事物を現実的に存在すると観想するということであるということにもっとこだわるなら,そうした未体験ないしは未経験の事柄を,さも経験し体験しているかのように観想することですから,この観念がその対象とは一致していないということは疑いようもないので,これが混乱した観念であるということも,とくに論理的に説明されるまでもなく明らかであるといえると思います。
 しかし,ここで気をつけておかなければならないことは,単に未経験であるような事象を表象するということが,ただちにそうした事象を想像しているということは必ずしもできないということです。というのは,これも経験から明らかですが,僕たちは人生の過程において,それまでには経験したことがないことを経験するということが何度かはあるわけです。あるいは子どもの頃には数多くあるとさえいえるでしょう。こうした経験は,一般には初体験といわれます。そしてこの初体験の表象は,想像ではなくて知覚です。そこでこうした知覚というのが,僕たちの精神のうちでいかにして秩序付けられるのかを考えることは,想像といわれる表象について考えることの第一歩になるだろうと思います。
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全日本2歳優駿&具体的不備

2008-12-17 19:26:04 | 地方競馬
 2歳ダート王決定戦の全日本2歳優駿。残念ながら雨で,不良馬場での争いとなりました。
 チョットゴメンナの逃げは予想された展開のひとつ。これにリスペクトキャット,ヴァルダマーナ,スーニの3頭が集団で続きました。前半の800メートルは49秒4でこれはミドルペース。
 先行集団の後ろにいたのがナイキハイグレードとメトロノースで,メトロノースは向正面で上がっていきたいように見えましたが差を詰められず。直線の入口ではスーニが絶好の手応えで先頭に並び,そのまま追われるとあとは一人旅で楽勝。その他の先行馬は苦しくなり,ナイキハイグレードが2番手に上がりましたが,これを外から北海道のナサニエルが捕えて2着。ナイキハイグレードが3着。
 優勝したスーニ兵庫ジュニアグランプリに続きここも制覇。4戦全勝での大レース制覇。今日は距離延長がひとつの課題でしたが,1600メートルでは問題ありませんでした。ある程度まで先行できて,確実に末脚も発揮できますので,少なくともこれくらいの距離までは,大崩れすることは考えにくそう。無事に育っていってほしいです。
 鞍上は内田博幸騎手で,菊花賞以来の大レース優勝。このレースは一昨年以来の2勝目。管理するのは吉田直弘調教師で,これが初の大レース制覇となりました。
 不良馬場の影響はたぶんあったでしょう。どの馬がどうとはいえませんが,2着のナサニエルには有利に働いたのではないかと思います。

 竜王戦は第七局なので振駒。先手は羽生善治名人。渡辺明竜王第六局と同様に急戦矢倉に出ました。まったく違う形ですが,戦いが開始されてからの封じ手。先手は駒得が確定しているようなものなので,後手からの反撃を凌ぐことができるかどうかが勝負の分かれ目になるのではないでしょうか。

 競輪は明日から岐阜記念になります。まだ記念競輪がひとつ残っていますが,来期のSSはここで確定します。

 自分の身体ならびに精神の想像について先に説明したのは,考察をあまりややこしくさせないために,主に外部の物体の想像というのを考察の対象にしようという考えが僕にあったためです。よってここからは,それを中心に考えていきます。ただし,やはり想像というのは広い意味をもちますので,単に外部の物体の想像というだけでは不十分です。ある人間が体験していないこと,つまり未経験である事柄を表象するなら,この表象はすべて想像といわれます。したがって,単に外部の物体の表象というよりは,ある人間にとって未経験の事象の表象といった方がいいかもしれません。この事象というのは,どんな事象であってもある運動ないしは静止です。運動と静止は延長の属性に固有の事象ですので,便宜的にこの事象を,延長の属性の個物である物体といっているというようにお考え下さい。現実的にはこの想像の中には,自分の身体ならびに精神がその一部として入り込んでくる場合も多いでしょう。
 さて,もしもスピノザが論理展開していることのみを真に受けて,人間の精神による表象はスピノザが証明していることだけであるというなら,人間は現時点で経験していること,すなわちこれが知覚であり,またかつて経験したこと,すなわちこちらが想起になりますが,これ以外の表象をなさないということになります。つまり人間は未経験である事柄については表象することがないということになるわけです。これはたとえていえば,宝くじに当たったことがない人間は宝くじに当たることを表象できないというようなことを意味します。しかしこれが不条理であること,というか端的に誤りであるということは,とくに説明するまでもなく明らかであるといえるでしょう。そもそも,もしも自分が宝くじに当たることが表象できないなら,多くの人間は宝くじを買わないだろうと思います。これがスピノザの表象論における具体的な不備と僕が考えていることになります。
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