● 村山富市×河野洋平 「日本の歴史認識とアジア外交の未来」を読んで
『世界』6月号 須山敦行
◎ 《「談話」当事者の対談》
安倍政権によって、亡き者にされようとしている、「村山談話」と「河野談話」。二つの談話の当事者の対談であるということで、注目して読ませていただきました。
◎ 《現状が突き付けていること》
は
歴史に向き合う姿勢の問題が起きている。
そして
戦後の教育がどうであったか、の反省を突き付けている。
と語られる。
◎ 《根本的な対立》
そして、私たちが向き合っている事態は、右と左の対峙ではない。
「戦争という過ちを反省して進んでいこうという人々」と
「戦争したことは誤っていなかったと考える人々」
との対峙、対立である。
※ この対立軸をはっきり認識し、示すことは、大事である。
そのことで、現状を良くするための、国民ぐるみの多数派での一点共闘が成り立つ。
◎ 《重い教育の課題》
あの戦争はいつどのようにして始まったのか、
日本の当時の朝鮮支配やそれまでの対中政策がどのようなものであったのか
を謙虚に受け止め、
その反省と教訓を後の世代に教育を通じて伝えていくこと
が肝要であろうと思います。 〔河野〕
安倍政権の歴史認識は、対外的な面だけでなく、
自由を圧殺し、戦争へと突き進んでいった戦前のありかたを
どのように反省しているのか 〔村山〕
※ かつては、そういう人々が、自民党の中にも、保守勢力の中にも、沢山いて、最低の常識になっていたのだ。
◎ 《日本国憲法の学習》
日本国憲法が平和主義、民主主義、基本的人権の尊重という三つの原則を掲げていることは誰でも知っていることで、 〔河野〕
※ 確かに、そう学んだ気がする。
しかし、今、そう学んでいるんだろうか。その意味を学んでいるんだろうか。
もしかしたら、そう教えることは、「偏向教育」の名で抑圧、排除されているのではないか。
先生の責任は重い。
◎ 戦後七〇年の今年は、
歴史が問われている時でもあり、
戦争の歴史と戦後の歩みをきちんと学ぶ機会にしてほしい。〔村山〕
◎ だからこそ教育が大事です。 〔河野〕
※ 戦争を学ぶ、戦後を学ぶ、
あらためて
そういう課題が日本人の前に提起された年だ。
そういう「学習」の一大ブームを起こしたい。
様々な「学習」の中で、「戦争の歴史」を学ぶことが、一つの柱になるべきだ。
『世界』を読む会 も そういうものの一つになりたい。