● 渡辺 治 「『戦後』日本の岐路で何をなすべきか」を読んで
『世界』6月号 須山敦行
◎ 筆者は、「戦後」とは何か、ということから説き起こす。
私なりに、その内容の中心を受け止めると、
「戦後」とは、我々のことだ。「戦争」の反省をし、不戦を誓い、民主主義と人権の確立を成し遂げようとした。我々のことだ。
そして、戦後の歴史は、「戦後」を清算しようという勢力との闘いの歴史であった。
「戦後」を清算する勢力から、「戦後」を守るのが、我々の任務だ
ということになる。
◎ 集団的自衛権も特定秘密保護法も、安倍の思いつきでもなく、安倍はその提案者でもない。
それは、新自由主義改革勢力であり、アメリカや保守支配層である。
安倍とその背後の勢力の目的は、グローバル競争大国である。
それが、「戦後」を清算しようとする勢力だ。
◎ 日本の保守政権は
軍事力保持を否定する戦後体制を否定し、軍事大国を目指したいが、そのためには、軍事大国であった戦前日本を肯定せざるを得ない。
そこに
「日本会議」、「新しい憲法をつくる国民会議」、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が出てくる。安倍にとって、単なる「お友達」以上の存在なのである。
安倍政権は、「戦後」体制打破=軍事大国化の切り札である。
◎ 筆者は、戦後の、三つの岐路で、それぞれの陣営がどのような動きをしたのか、その質を問うている。それは、歴史を振り返らせ、参考になる。
◎ 《改憲をどのように阻止するか》
ということで、筆者は提起する。
一 立場、思想の違いを自覚しつつ結集すること
① 「武力によらない平和」を求める立場
② 自衛隊がアメリカに加担し海外へ行く、戦争する国づくりに反対する立場
③ 立憲主義に反するから反対する立場
二 沖縄・辺野古の新基地反対を課題にすること
三 改憲に反対する政党の参加
民主党の態度決定
四 安倍の構想する「日本」への対抗構想の構築
知識人の責務
・東北アジアと日本の平和構想の探求
・植民地支配と侵略戦争を繰り返した日本の近現代史への国民的総括
国民的議論
の 知識人による呼びかけ
※ 「立て!知識人!」
みんなで『世界』を読もう! という わけだ。
◎ 「戦後」は未完である。
日本国民は、「憲法」を選びなおし、海外で戦争をしない「戦後」をつくってきた
「戦後」清算勢力に打ち勝ち 「戦後」を築き直す闘いで
未完の「戦後」を実現させよう
という呼びかけで、文は終えている。
※ 「戦後」(平和、民主主義、人権)を守り、「戦後」の精算勢力を打ち破る闘いを、再構築することで、未完の「戦後」を成し遂げよう!
そのためには、戦争、戦後の学び直し、真の総括 が 必要だ!