緊急事態宣言の延長で会場が使えなくなり、東久留米の『世界』を読む会・2月例会は、zoomでのオンライン開催となりました。
メールで案内をしたものの、果たして何人がネット環境があって参加できるだろうか? 結果、4名の参加となりました。もう1名参加しようとしたのですが、マイクがうまく動かず断念となりました。東久留米としては初めてのネット開催でしたが、人数は少なくなりましたが、何とか実行することができました。
次回(3月)は会場が使えると思うのですが、今後もネット開催ということもあるかと思いますので、この際、準備、チャレンジをしていただけたらと思います。
こちらもIT関係は不案内ですが、出来るだけ協力しますので、接続について連絡して下さい。一応、いつでもこちらからzoomのテストが出来る状態です。ネットで私と対面できますよ?
寒い時期ですので、家に居るままで参加出来るのはそれなりに快適なことでした。
途中で奥方がお茶を淹れて下さっている様子などが画面に映るアットホーム・在宅ワーク的な雰囲気が味わえました。うらやましい。
中身ですが、
五箇公一「生物多様性とは何か、なぜ重要なのか?」は、どなたにも好評で、図を含む分かりやすい叙述で、考えが整理しやすかったということでした。人間の都合による自己中心的な振る舞いが地球の危機を招来していることが理解できました。五箇さんは、時々テレビに出る長髪にサングラス、黒シャツのロックミュージシャン風の人です。見かけによらず地球に優しい、説明の仕方も易しい人なのですね、というのは私の感想。
地球史的なスパンの話で、『はじめ人間・ギャートルズ』が登場して笑いました。
ここでは「生物多様性」ですが、景観の多様性、人間の多様性など、地方毎の多様性、「多様性」はキーワードですね。気候危機、パンデミックは、生物学者や人類学者が大きな示唆を与える状況なのが面白いと思います。なにか、世界に対する見方が大きなスケールの思考を促しているような。そんな状況なので、斎藤幸平『人新世の「資本論」』が新書大賞を受賞するようなことになるのでしょうね。
五箇さんは、地産地消、里山資本主義的な具体的な方向を見ているようですが、同じ特集の三宅芳夫「自由と平等のサピエンス史」では、斎藤幸平と同意見で資本主義の放棄を主張しています。
次に荻上チキ×上西充子の対談「国会論議を侮ってはいけない」では、ニュース番組のあり方など、7時と9時のNHKニュースに、競う形で民放はニュース対決をした方がいいのでは、という意見などがありました。新聞も国会の中身を伝える点で不十分だと。題名が「国会論議を侮ってはいけない」なのに、国会論議の中身について何も言っていないという批判がありました。確かに。
小西雅子「2050年、カーボンゼロ社会は可能だ」は、見通しが楽観的過ぎないかという声。日本は、この問題に対して意識が甘いな、ということでした。また、水素、特にグリーン水素が決め手のように言っていますが、小澤祥司『「水素社会」はなぜ問題か』(岩波ブックレット、2015年)では、水素の製造は高温ガス炉という原子炉を使用するもので(「国が描く高温ガス炉を中心とした「水素エネルギー社会」の将来像は、各都市がそれぞれ高温ガス炉を持ち、そこから水素を得て、その水素を自動車燃料、水素発電などに必要に応じて使うというものだ。」)、水素は製造、貯蔵、運搬の全てで非効率で大量の電力を消費するとして、それよりも「ポスト車社会」を考える根本思考が必要だ、と言っています。水素については、学ぶべきことが沢山ありそうです。
4名でしたが、このように、色々考えを交流できました。
今回の共通テーマは、
○ 「生物多様性とは何か、なぜ重要なのか?」五箇公一
○ 「国会論議を侮ってはいけない」 荻上チキ×上西充子
○ 「2050年、カーボンゼロ社会は可能だ」 小西雅子
でした。
その他のお薦めは、以下のモノでした。
● 須山 「自由と平等のサピエンス史」 三宅芳夫
「廃炉への現実的道筋を提起する」 筒井哲郎
● 髙木 「グラビア The human planet」J.スタインメッツ
でした。
◎ 東久留米の『世界』を読む会、3月例会のお知らせ
●日 時 3月10日(水) 午後6時
●場 所 市民プラザ会議室(市役所1階)
●持ち物 雑誌『世界』3月号
○共通テーマ
・「新たな公害の世紀」 上田昌文
・「生態系とヒトを蝕み続ける農薬」 岡田幹治
・「日米一体の巨大軍事基地」 前田哲男
※ 第2水曜が定例です。ご承知ください。
● 連絡先 須山
suyaman51@mail.goo.ne.jp

