東久留米の『世界』zoom・9月例会の報告
東久留米の『世界』を読む会・zoomの9月例会は、9月11日(水)、午後7時より、初参加の若い2人を含む、5人で行われました。
若い人の新鮮な疑問や感想で、年配者は大いに張り切った会となりました。
こういう話し合いの場が作られることが、本当に大切だなと感じました。
■ 今月のテーマは
・打越文弥「大学「一般入試」は公平か?」
・木村育恵「学校が不平等を再生産しないために」
・中村江里「戦争のトラウマを可視化する」
・黒井秋夫×藤岡美千代「戦争で壊れた父親と向き合う」
の4本でした。
◎ 第1テーマ・打越文弥「大学「一般入試」は公平か?」
第2テーマ・木村育恵「学校が不平等を再生産しないために」
一般入試は、公平だという常識があるが、運に左右される不確実性など女性の置かれた条件が、女性に不利に働くという指摘に目を啓かれた。意識されていないが厳然とある学校における教職ジェンダー(上級学校に行くほど男性率が高い、養護の先生は女性など)は、子どもに「知らず知らずのうちに」ジェンダー差別を育む「隠れたカリキュラム」になっていることなど、気づきを与える文章だった。
試験で分けるということの持つ意味、そこでの「公平」ということなど、根本的な思考を迫られる。競争で勝ち抜いた者が利益を得る、という「能力主義」は、新自由主義的な価値観に通じる。
今の受験制度は、社会に出てから、人間の幸福な一生を得るための様々な力(コミュニティ力、自立性、学び続ける力など)に欠ける人間を育てることになっているのではないか。
◎ 第3テーマ・中村江里「戦争のトラウマを可視化する」
第4テーマ・黒井秋夫×藤岡美千代「戦争で壊れた父親と向き合う」
ベトナム戦争から社会的な問題になったPTSDが、日本の第二次大戦でのトラウマの問題としてようやく取り上げられるようになった。トラウマを生むのは、戦争の実態、日本の加害の残忍さ、非人間性だが、そういう戦争を学ぶことが意図的にネグレクトされている現状がある。若い人は、過去の戦争も、今現に起きている戦争も、自分のことと考えられないような生活を送っている。自分本位の狭い視野に留まっているのを、どう変えられるのだろう。
などが、いくつかの本の紹介もされながら、話されました。
■9月号のその他のお勧めは
・須山 「揺らぐ国語教育と教室空間」 打越文弥
「紛争地の生とかかわり続けて」 金本麻理子×高遠菜穂子
「三淵忠彦最高裁長官はいかに誕生したか」 赤坂幸一
でした。
◎ 東久留米の『世界』を読む会、10月例会のお知らせ
●日 時 10月9日(水) 午後7時
●zoomでのオンライン開催
参加希望の方は、メールを下さい。案内を送ります。
●持ち物 雑誌『世界』10月号
○共通テーマ
・「「トランプ王国」は続くのか」 金成隆一
・「沈黙の廃墟」 石山徳子
・「核の平和利用」 鴫原敦子
・「ドイツ「罪の克服医とはなんだったのか」 駒林歩美
※ 第2水曜が定例です。ご承知ください。
※ 他に、昼の部として、第3水曜、4時から会場で行なう会もあります。
● 連絡先 須山
suyaman50@gmail.com
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