練馬の『世界』を読む会・11月例会の報告
練馬の『世界』を読む会・11月例会は、11月21日(木)、午後1時より、光が丘図書館第一会議室で、行われました。参加は5名でした。
■ 今月のテーマは
・兼子歩「アメリカン・ストロングマン」
・玉置敦彦「「アメリカの時代」の終わりと日本外交」
・明田川 融「基地国家・日本の現在」
・水町勇一郎「世界最大の労働問題をどう解決するか」
の4本でした。
◎ 第1テーマ・兼子歩「アメリカン・ストロングマン」
トランプ現象を歴史的に考察することは良いが、1964年の公民権運動の大きな役割についての叙述が欠けている。「敵」を作って分断を煽る手法が蔓延しているが、そういう思考に陥りやすいものだ。アメリカが世界をリードする面がほとんど見られなくなっている。
◎ 第2テーマ・玉置敦彦「「アメリカの時代」の終わりと日本外交」
日本の政権与党や野党でも安保容認の人々の思考法はこんな風ではないか、という点で参考になる。抑止力論が安全保障のジレンマに陥ることについての判断が、所々で矛盾している。現実主義として軍事同盟と軍事拡大は必要で、長い目で対中外交を進めるというスタンス。
◎ 第3テーマ・明田川 融「基地国家・日本の現在」
日本はほとんど植民地状態といえる「全土きち方式」の基地国家となっている。「相互運用性」の強化により、日本中がアメリカの基地となり得る状態だ。「事前協議」という最近使われなくなったことを、安全性の維持のために使う手がある。「軍備制限地帯」構想という、平和への一つの提案は考察に値する。
◎ 第4テーマ・水町勇一郎「世界最大の労働問題をどう解決するか」
フリーランス、ギグワーカーの問題は、労働者が安く使われるだけでなく、アルゴリズムの支配によって、人間がAIなどに支配されるような怖さを感じる。闇バイトなどもこの動きの結果である。フリーランスだけの問題ではなく、全ての労働者に関わる問題である。
などと話し合いました。
■11月号のその他のお勧めは
・実川 「国家神信仰を批判する」 森本あんり
・吉田 「労働者・自営業者・フリーランス」橋本陽子
・須山 「韓国軍脱走兵の社会史にむけて」 森田和樹
でした。
◎ 練馬の『世界』を読む会、12月例会 の予定
●日 時 12月13日(金) 午後1時~4時
※ 第三木曜日が定例ですが、12月は、第2金曜です。
●場 所 光が丘図書館・第一会議室
●持ち物 雑誌『世界』12月号
○共通テーマ
・「「軍事オタク」首相の思考法を読み解く」 水島朝穂
・「日中「平和・協力・友好の海」のゆくえ」 毛利亜樹
・「「われわれリベラル」を再考する」 朱喜哲
・「〝脱炭素〟という名の原発延命策」 大島堅一
・「再エネに吹く向かい風」 茅野恒秀
● 連絡先 須山 suyaman50@gmail.com
