『世界』を読む会

寅さんの博も読んでいる『世界』を読んで、話し合おう。

富岡の『世界』を読む会・9月例会は、5名で。

2024-09-21 18:35:56 | 日記
富岡の『世界』を読む会・9月例会の報告
 
 富岡『世界』を読む会・9月例会が、9月19日(木)14.00-16.00時、吉井町西部コミュニティセンターにて、5人の参加で開催された。
 テーマは、
 1.特集2「癒えない傷、終わらない戦争」から
  ①中村江里『戦争のトラウマを可視化する』、
  ➁黒井秋夫✕藤岡美千代・対談『戦争で壊れた父親と向き合う』の2本と、
 2.津田環『「セクシー田中さん」とジェンダー問題』
       だった。
 
 1.特集2 癒えない傷、終わらない戦争 
   ①中村江里「戦争のトラウマを可視化する」
   ➁黒井秋夫✕藤岡美千代「戦争で壊れた父親と向き合う」
 日本軍兵士のトラウマが、戦後何故、不可視化されてきたのか。心を病んだ兵士に対して、国家は「皇軍にはいない」と断じ、世間は「女々しい」とうわさし、家族は「家の恥」と隠した。そして本人自らが「強い恥の意識」を抱き、周囲の偏見を内面化したからだ、と中村は分析する。そして戦争トラウマの可視化の努力が、復員兵の子供世代に当たる60-80代を中心に、「PTSDの復員兵と暮らした家族が語り合う会」の活動として紹介される。この「戦争PTSD家族会」の活動内容は、黒井✕藤岡・対談で詳細が語られている。70代主体の例会参加者からは、私たちの世代を中心に今現在、戦争のトラウマを可視化する活動がなされていることに対して、「ハッとさせられた」との感想が出された。また、参加者の一人は、スマトラ島から復員した職業軍人であった父が絶えず、幼児期から思春期の自分に対して暴力と威圧的態度で接し、「父は私にとっては暴君だった」としみじみと語った。今回の読書会が、過去の辛い体験を喚起したのだ。家族会参加者の「私は独りではない」という感想を共有するものだ。
 加害行為と向き合い続けた画家として、版画家・彫刻家の浜田知明とその作品が紹介された。(里山のフクロウ『浜田知明さんのご逝去』)
http://minoma.moe-nifty.com/hope/2018/07/post-b9c0.html
 
2.津田環『「セクシー田中さん」とジェンダー問題
 テーマは、人気漫画『セクシー田中さん』のTVドラマ化にあたり、原作者が中心テーマとしたジェンダー問題が、TVメディアによってことごとく無視されたことを考察するものだ。当の漫画やTVドラマを視聴した参加者が少ないなか、議論は盛り上がりに欠けた。TVの民法放送が、視聴率やスポンサー企業に影響されることは予想されることであり、そのことが結果的に、TV作品の質的低下を招いている、との指摘があった。また、TVドラマ化にあたっての独自の創作がどこまで許容されるかの問題だ、との感想があった。著名な小説の映画化にあたっての問題と同様のテーマでもある。
 
◎ 10月例会の予定
  1.日程・場所:10月17日(木)14.00-16.00時、
        吉井町コミュニティセンター学習室(2F)
  2.テーマ:
    1.特集2 核危機の人新世
      ①石山徳子『沈黙の廃墟』
     ➁竹峰誠一郎『放射能とともに歩む』
     ➂鴫原敦子『核の平和利用』
    2.①駒林歩美『ドイツ「罪の克服」とはなんだったのか
     ➁『世界』6月号 橋本伸也『「歴史家論争2.0」とドイツの転落』
 
 
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