zoom『世界』を読む会・11月例会の報告
11月26日(金)、午後7時から、zoomの『世界』・11月例会が行われました。
参加は5名でした。
第一テーマ・酒井隆史「反平等という想念」
・「平等」のしるしを持ったものへの攻撃がネオリベラリズム側からなされていることに関連して、「平等」についての議論がなされました。
新村聡論文「平等と公平はどう違うのか」とも関連づけて。ネオリベは「結果の平等」に対して「機会の平等」を主張していること。ゴータ綱領批判での「仕事給」と「生活給」。新村論文では「貢献原則」と「必要原則」としていること。また、平等が「誰が」(男女が、国民が)とか「何が」(法の下で、分配で)ということもあるなど、難しい問題を孕んでいること。筆者は、「自由」と「平等」が不可分に結びついた「平等」を求めることが人間に備わっていると主張しているようだが。
・「オメラス」への批判が、「立ち去る」というネガティブな反応では、ということについては、小説が「立ち去る」以外には方法がないような「契約」によって成り立っている社会である「オメラス」という設定になっているので、「変革」「別の世界」への希求が「立ち去る」ということにしかなりえないようになっている、のではという議論。「オメラス」は、現実の世界の中にある状態を映しているという見方。フロリダの富豪だけの町の有り様や、日本で語られる御殿場のスマートシティ構想などにも、そこにある人の安全、快適のみを実現しようとするような発想が感じられる。いや、私達のこの日常も。
・「もう一つの世界は可能だ」ということで、例えば「連帯経済」と呼ばれるものなのが今一つ具体的なイメージとして確かなものになり得ていない問題も話し合われました。
第二テーマ・安田浩一「絶望の収容所」、安田菜津紀「ウィシュマさんの生の軌跡、死の真相」
・郡山さんから、日本の入管を巡る歴史的な経緯についての詳しく、整理された報告がありました。そして、ウィシュマさんの事件に至る経過、状況についても本文を補う報告をいただきました。
・外国人にも人権はある、ただし「入管法」の範囲で。外国人労働者を巡る状況は見ようとすれば(見ようとしなくても)「見える」ことなのに、「見えていない」「見ていない」日本人の状態が生んでいる事態ということか。重苦しい現実を前にする思いでした。
ごめんなさい。zoomの『世界』は録画できるので、メモがいい加減でもと思っていたら、スイッチを押し忘れて、録画に失敗して、雑なメモからの報告になってしまいました。
◎ ZOOMの『世界』を読む会、12月例会 の予定
●日 時 12月23日(木) 午後7時~9時半
※ 月末の金曜が定例ですが、今回だけ木曜とします。
24日(金)は、大切なイブですので?
○共通テーマ
決定次第連絡します。
○参加ご希望の方は連絡下さい。案内を差し上げます。
● 連絡先 須山
suyaman50@gmail.com
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