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垣根涼介著、幻冬舎文庫刊。
垣根さんが、後に三賞を受賞した「ワイルド・ソウル」の執筆ために取材した南米を巡る都市での見聞をまとめた本です。作品から想像していた作者の人柄が、本書に滲み出ていたように感じました。同時に、意外な一面にも。
意外な面は、作者が貧しい家庭に育ったので、大学進学は学費のかからない国立大学であって、生活費も掛からない(物価が安い)土地に立地している、そして専攻したい学科のある大学として筑波大学を選んだとのことでした。学生時代はお金を稼ぐため、アルバイトの掛け持ちをしながら学生生活を送った。二十歳の時、バイクで日本一周の旅に出たこと。随分と短気なこと。などなどです。
本書の最後に、作者が二十歳の旅の途上で体験した「若さの喪失と成長」の体験(?)が、この南米の旅でもあったと記しています。人の本質は変わらないけれども、世界を理解する視線は変わってゆく。ある時、突然変わることもあれば、ゆっくりと変わって行くときもあると思います。垣根さんの作品は、いずれも自身の体験を基礎として作られていることが本書読んで分かりました。新作が楽しみです。
評価は4です。
垣根さんが、後に三賞を受賞した「ワイルド・ソウル」の執筆ために取材した南米を巡る都市での見聞をまとめた本です。作品から想像していた作者の人柄が、本書に滲み出ていたように感じました。同時に、意外な一面にも。
意外な面は、作者が貧しい家庭に育ったので、大学進学は学費のかからない国立大学であって、生活費も掛からない(物価が安い)土地に立地している、そして専攻したい学科のある大学として筑波大学を選んだとのことでした。学生時代はお金を稼ぐため、アルバイトの掛け持ちをしながら学生生活を送った。二十歳の時、バイクで日本一周の旅に出たこと。随分と短気なこと。などなどです。
本書の最後に、作者が二十歳の旅の途上で体験した「若さの喪失と成長」の体験(?)が、この南米の旅でもあったと記しています。人の本質は変わらないけれども、世界を理解する視線は変わってゆく。ある時、突然変わることもあれば、ゆっくりと変わって行くときもあると思います。垣根さんの作品は、いずれも自身の体験を基礎として作られていることが本書読んで分かりました。新作が楽しみです。
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