読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

大金持ちも驚いた105円という大金 救われたローン人生

2012年06月04日 19時16分17秒 | ■読む
吉本康永著、三五館刊
予備校の講師を生業としている著者は、故あって大変な額の借金の返済に追われていた。それが還暦に2年を残す時に、担当する授業のコマ数を減らされてしまいます。食うや食わずの返済生活を送ってきた著者は、ふとしたことからアマゾンで所蔵する書籍を売り、これを切っ掛けにして、本格的な古本のネット販売に乗り出します。
著者は、現実世界で上手く立ち回ることの苦手なインテリのようです。だから、こうした商売に足を踏み入れたのは偶然であり、借金に圧迫されていなければ、予備校の講師の傍ら、ネット販売に励むことは無かったかと思います。因みに「せどり」とは、ウィキペディアによれば、「掘り出し物を転売して利ざやを稼ぐ商行為」だそうで、「競取り、糶取り、背取り」などと表記するそうです。
著者は、ブックオフでせどりして、それをアマゾンに出品し、販売することにまつわる様々な体験やノウハウを披露していますが、お人柄によるものか、実に嫌み無くほのぼのとしており、少し辛口の見解を、ユーモアを交えて披露しています。子供三人を育て上げて、奥様と二人暮らしの傍ら、借金返済のために、実に地道な商売を続けている物語に、私は大変感動を覚えました。商売に踏み込んでから徐々に販売金額を伸ばして、月々40万円の返済を賄えるようになった経緯は、尊敬に値します。
因みに、本では無くパソコンなどの電子機器をせどりして、作者と同様生活している知人がいますが、オフハウスを中心に利用しているとのことです。もう、5年位前に聞いた話ですが、世の中には、色々な人が居るものだと思います。私の場合、著者と同様、余程追い詰められないと、こうした商いはできないし、追い詰められても無理かもしれません。
著者は、残念ながら、昨年末に急逝されたそうです。
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URL => http://d.hatena.ne.jp/tasogareoyazi/
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評価は5です。

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