今野敏著、新潮社刊
今野さんの「隠蔽捜査シリーズ」の第3弾です。主人公の竜崎は、その生い立ち故に、理性で律することで自らの人生を切り開いてきました。一作目では、その背景を理解するまでは違和感がありましたが、いじめられた同級生との確執を通して、不器用な人間であればある程、生きて行くために理屈を考え出して生き延びる他に道が無いことが納得できた途端に、作品世界に引き込まれてしまいました。
二作目では、一作目の出来事故に、所轄の警察署長に飛ばされてしまった主人公が、ぎりぎりの所で生き残りの道を切り開きます。「変人」と評価されている主人公は、不器用な価値観に縋り付くしかない故に、難局を打開し、周囲の尊敬を勝ち得ました。何故に敬意を表されているかを理解しないままに。
さて、本作は、そんな主人公が、恋に落ちてしまいます。かつてない感情の激動に戸惑い打ちのめされ、かつて自分をいじめた恨みのある同僚に相談しに行き、ヒントを手に入れる。そして、思い定めて立ち直り、覚悟を決めて敵に対峙する。本作で、ニヤニヤしながら読んでいた私は、不覚にも、終盤の2カ所で、涙してしまいました。寂しい地味に生きているオヤジを慰めてくれるシリーズではないかと、密かに思っています。
評価は5です。
今野さんの「隠蔽捜査シリーズ」の第3弾です。主人公の竜崎は、その生い立ち故に、理性で律することで自らの人生を切り開いてきました。一作目では、その背景を理解するまでは違和感がありましたが、いじめられた同級生との確執を通して、不器用な人間であればある程、生きて行くために理屈を考え出して生き延びる他に道が無いことが納得できた途端に、作品世界に引き込まれてしまいました。
二作目では、一作目の出来事故に、所轄の警察署長に飛ばされてしまった主人公が、ぎりぎりの所で生き残りの道を切り開きます。「変人」と評価されている主人公は、不器用な価値観に縋り付くしかない故に、難局を打開し、周囲の尊敬を勝ち得ました。何故に敬意を表されているかを理解しないままに。
さて、本作は、そんな主人公が、恋に落ちてしまいます。かつてない感情の激動に戸惑い打ちのめされ、かつて自分をいじめた恨みのある同僚に相談しに行き、ヒントを手に入れる。そして、思い定めて立ち直り、覚悟を決めて敵に対峙する。本作で、ニヤニヤしながら読んでいた私は、不覚にも、終盤の2カ所で、涙してしまいました。寂しい地味に生きているオヤジを慰めてくれるシリーズではないかと、密かに思っています。
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