読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

朽ちるインフラ

2011年08月08日 19時55分09秒 | ■読む
根本祐二著、日本経済新聞社刊
古代世界で一際そびえ立つ文明の代表と言えばローマ帝国でしょう。規模や文化的な影響度で言えば、元帝国やペルシャ帝国も偉大ですが、今日の西欧文明の礎を築いた点から、無視し得ない文明であったと思います。その偉大な文明が滅亡した理由の1つは社会インフラの崩壊であるとされています。また、今日の強大なアメリカも、一時期インフラの維持を怠ったため、社会的な問題になったと聞きました。
本書は、こうした現代社会に必至な道路、上下水道など、人々の日常生活を支えているインフラの現状を検証しつつ、こうした地味な分野に政治や人々の関心が寄せられないことに起因する大きな危機に警鐘を鳴らしています。今後の少子高齢化社会にあっては、財源に余裕がなくなり、従来のインフラの再構築に当たっては、量的に削減するだけでなく、機能を複合化させたり、整備や運営の面で民間のノウハウを活用すべきであるとしています。また、資金調達の方法として、今日のPFIは役不足であり、別な手法を見出すべきとの考え方をお持ちのようです。
著者は、日本開発銀行や経済企画庁を経て、大学教授に就任しているためか、政策の具体的な面にも精通しており、議論の展開が非常に具体的で、事例もきちんと提示されているため、実用的な書籍になっています。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/根本祐二
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評価は4です。

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