陶智子著、平凡社新書刊
著者の幼少期に、母方のおじいさんの膝の上に載っていると、幼い著者の顔を覗き込んで「智子は色は黒いし、鼻べっちゃりだし、おまけにちんちくりんで、おでこさんだ。よわったよわった・・・・。」と言ったそうな。以来、ご自身が不美人の部類に属しているとの自覚を深められたようだ。ネットの写真を見るとそんなことはない。なかなか魅力的な容貌と思います。
さて、本書は、不美人の実相を探し求めて、不美人そのものと、不美人以外に当たる美人を巡る古今の書籍を渉猟し、多面的に検証されている。自虐ネタが多いのはご愛敬で、絶世の美人では無いことの表明と思います。それにしても、本書は取扱が難しい問題を巡って、ユーモアを交えながら実に丹念に逍遙し、気が付けば、人々の価値観や美の本質までカバーしている。美人論に類する書籍を何冊か読んだが、人の顔に興味を持つ私には、新局面を開いた書籍でした。
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○陶智子
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評価は4です。
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