
山田詠美著、角川文庫刊
苦手な分野の恋愛小説で、山田さんの作品は読んだことがありません。特徴的な容貌と著名でありながら異端の風を感じて興味を持ち、本書を手に取りました。本書は八編の短編集です。様々な恋愛模様が描かれていますが、その独特の文体に驚きました。乾いた感じです。理性的と言うのかもしれません。分析的で臭いや触覚などの五感を駆使して雰囲気を紡ぎ出しています。濃厚なエロスの描写が生故の営みとして描かれているので安くなっていないのだと思います。後書きで著者は、自らの恋によって小説が描けると語っていますが、どの物語にも、切ない恋心を丁寧にすくい上げて描いています。高校生の初恋の物語などは、読んでいて、自分の十代の記憶が呼び覚まされました。書くという行為は、対象となる分野や見掛けの筋書き以外に、伝えたい本質を、全体として描き出す手法があるのだと知りました。
-----------------------------------------------
URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/山田詠美
-----------------------------------------------
評価は4です。
苦手な分野の恋愛小説で、山田さんの作品は読んだことがありません。特徴的な容貌と著名でありながら異端の風を感じて興味を持ち、本書を手に取りました。本書は八編の短編集です。様々な恋愛模様が描かれていますが、その独特の文体に驚きました。乾いた感じです。理性的と言うのかもしれません。分析的で臭いや触覚などの五感を駆使して雰囲気を紡ぎ出しています。濃厚なエロスの描写が生故の営みとして描かれているので安くなっていないのだと思います。後書きで著者は、自らの恋によって小説が描けると語っていますが、どの物語にも、切ない恋心を丁寧にすくい上げて描いています。高校生の初恋の物語などは、読んでいて、自分の十代の記憶が呼び覚まされました。書くという行為は、対象となる分野や見掛けの筋書き以外に、伝えたい本質を、全体として描き出す手法があるのだと知りました。
-----------------------------------------------
URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/山田詠美
-----------------------------------------------
評価は4です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます