読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

マルサン-ブルマァクの仕事 ?(いしづき)三郎 おもちゃ道(みち)

2009年10月22日 20時19分41秒 | ■読む
くらじ たかし著、文春文庫刊
小学一年生の頃、「モスラ対ゴジラ」を映画館で観ました。二人の姉と見に行ったのですが、貧しい時代で、よく映画に行かせてもらえたものだと、今では不思議でなりません。いわゆる特撮で、ゴジラが口から火炎をはきながら、歩き回ってビルなどを踏みつぶしてゆきます。幼かったとはいえ、着ぐるみであることは理解していたのですが、結構迫力がありました。ザ・ピーナッツ(懐かしいなぁー)が『モスラーやっ、モスラー ドンガタッタ ドンガタッタ インドームーッ ・・・』という(?)歌を歌っていたのを今でも記憶しています。
それから、しばらくして、テレビで「ウルトラマン」が始まりました。下記URLによれば、1966年(昭和41年)に放映開始なので、当時、私は中学1年生になっていました。だから、それ程夢中にはなりませんでしたが、胸のランプがピーカピカ、と光り、何とか3分間で怪獣を倒して、『シュワッチ』と言いながら去って行くお決まりの「決め」はしっかりと頭に残りました。しかし、登場した怪獣達にそれ程関心もなく、「よく考えるなぁ~」と、少しあきれていた程度です。
さて、本書は、戦後間もない頃、マルサンという家内工業に毛の生えたような会社に、今で言う中学を卒業した、いしづき三郎氏が入社した。まだ身体ができあがっていない三郎少年は、リアカーに商品を積み込み自転車で納品に向かう辛い仕事から始めました。そしてすぐに営業で注文取りに。氏は「何事も人の三倍努力すれば何とかなる」という信念で、営業の仕事にも熱心に取り組んで実績を上げるようになる。入社後幾年か目には商品企画にも携わるように。
戦後の日本の高度経済成長と歩調を合わせるように、マルサンも次第に大きくなり、プラモデルだけでなく、ソフトビニールで怪獣シリーズを作りヒットさせます。しかし、その後の失敗で会社は倒産してしまいます。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/ウルトラマン
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三郎氏達は、仲間と三人でブルマァクという会社を設立し、今度は、前回の倒産の失敗を踏まえ極めて慎重に経営を始めます。この会社もソフトビニールの怪獣シリーズ成功を収めてゆきますが、次第に経営が悪化し、又しても倒産。
そして、三郎氏は、再度新会社アークを設立します。そこでもソフトビニールで作った怪獣のシリーズなどを成功させ、新会社の経営を軌道に乗せ・・・。
戦後の日本の経済成長と自身の成長がぴたりと重なり合って、おもちゃの企画・生産・販売に取り組んできた三郎氏は、「さて、次は何を作るとしようか・・。」と小声で呟いた・・・。
評価は4です。

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