パコ・アンダーヒル著、ハヤカワ新書刊
なぜ商品が売れないのか、又は、売れるのかを、購入者の行動を追跡し分析することにより解明し、改善方策を提示するコンサルティング業務の分野を切り開いた著者が、自らの経験に基づく様々な事例を紹介している書籍です。
内容は、理論よりもハウツーもので、人間性の洞察などの深い話しはありません。実用書の類でしょうか。
実際に販売業に携わる人にとっては中々示唆に富んだ事例が列挙されているのでしょうが、一般人からすると、重複の多いトピックの羅列に感じると思います。原書のタイトルは「Why We Buy: The Science Of Shopping」なので、原著にもショッピングの科学ですが、内容は科学とは異なる経験則の集合体だと感じました。
しかし、本書の価値は、それまでの販売の為の様々な取り組みが、現実の購入者の実態を調査すること無く立案され実行され、反省されること無く行われたのに対し、著者が新しく切り開いた手法が、経験してしまえば当たり前に感じる必然性を持っていることを証明することにあるのでしょう。事実、著者の会社の業務を紹介する記事がニューヨーカー誌に掲載されてから、同社への引き合いが激増したとのことです。
手に取った時の期待とはかなり異なる内容でしたが、誠に合理的で説得力のある多くの事例は、販売以外の分野でも応用できそうです。
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○エンバイロセルジャパン ○ザ・ニューヨーカー
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評価は4です。
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