夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

人目も草もかれぬと思へば  いすみ市岬町

2007年11月11日 22時10分55秒 |  気になる詩、言葉
トップの写真、Mixiで使いましたら、どこかで見たようなってコメントが付きました。確かに五月の鯉幟を入れてここの風景を撮っていますけど、でもそれを覚えておられたのかな? なんとなく日本人が考える原風景の典型みたいな風景だからじゃないでしょうか。懐かしくなるような風景。それが岬にはたくさんあります。



山里は冬ぞ寂しさまさりける
  人目も草もかれぬと思えば
        源宗千朝臣

なんていうほど、岬は人里離れた町ではありません。
でも、都会の家並みの中に自然を探す状況とはもちろん違います。
自然の中にぽつんぽつんと家がある。
人によっては、寂しすぎるでしょうね。
私には、やっと自然に戻れたって、自分を確認できる場であるのですけど。

岬は堰や池、沼、そしてクリークの多いところです。
多分、海に面した土地に人が住み、畑を作ろうとするときに、最初に必要なのが水だったからでしょう。
いつもの椎木堰ではなく、これは中原堰。



椎木堰の隣です。水の出口は数百メートルも離れていないと思います。
椎木堰の方が鳥が多いので、ともすれば椎木堰を案内しています。
でも、風景としてはこちらは丘に囲まれて静寂な美しさを持っていると思います。

椎木堰、中原堰のあるところは昔は出城があったそうです。



その本城が万木城。
この下に万木沼があります。
岬の自然環境保護のセンターがそばにあります。
夏の一時期を除いて、いつきても誰もいません。
でもこんな素晴らしい池が岬にはたくさんあります。



そして岬の人にはとても有名なとんぼ沼。



千葉にいる殆ど全てのトンボがここにはいるそうです。
もうすぐ、白鳥が渡ってくるそうで、楽しみにしています。
まんなかの白い鳥は鷺ですよね。でもちょっと形が違うみたいで、もしかしたらって思っています。



堰や、池と畑を結ぶクリークが縦横に流れています。





八重葎しげれる宿のさびしきに
  人こそ見えね 秋は来にけり
           恵慶法師
岬のうちの隣のうち。もう訪ねてくる人もありません。朽ち果てるに任せてあります。仮の宿とはいえ、寂しい限り。



岬の冬は遅い。でも空の色にもだんだんと冬の気配が強くなってきます。
夕景も夏とは違う趣です。