山陰本線・餘部橋梁より日本海を望む (鎧-餘部)
浜坂行の普通列車(531D)は、まずまずの乗車率で、城崎温泉を11時58分発。ボックス席には座れず、ロングシート部に腰をおろす。温泉街を流れる川を渡り、隧道を抜けると、ローカル線の雰囲気が濃厚となった。が、ここは山陰本線である。短い2両編成だが、途中駅のプラットフォームは長い。乗客の鉄分も濃くなった。車窓からちらっと見える日本海のきれいなこと。鎧を発車し、いくつかの隧道を抜けると、列車は高みを鉄橋で渡る。餘部橋梁(鉄橋)である。
山陰本線 餘部駅 (兵庫県美方郡香美町香住区余部)
橋梁を渡ったところにあるのが餘部駅。ここで途中下車する。無人駅にしては乗降りする客が異様に多い。定刻の12時48分に発車できない。客のお目当ては、もちろん餘部橋梁である。明治45年(1912)に完成したこの橋梁は、構造物としてだけでなく、まわりの風景を含めて美しい。橋梁を行く列車を撮影する為、列車だけでなく、乗用車でも大勢が訪れている。予想はしていたが、地元香美町のウェブサイトで紹介されている鉄橋撮影スポットには多くのカメラが陣取っていた。電柱やケーブル等が写りこんでイマイチな場所からだが、橋梁を行く特急列車を撮影する。
特急〔はまかぜ1号〕1D列車 (鎧-餘部)
家族連れなどもいて、観光地となっている。人が多いので無人駅だが、JRの社員もホームにいて、切符の販売もしている。大変残念であるが、コンクリート橋への橋梁の架け替え工事が来年春から予定されている。今のうちに撮ったり、乗ったりしなければならない。餘部橋梁を渡るのは今回が2回目だが、1回目は平成15年(2003)に寝台特急〔出雲〕で渡った。その〔出雲〕は今年廃止となった。せっかくなので、列車は渡っていないが、多くの三脚が立ち並ぶ前を失礼して、橋梁を撮影する。
この辺りから撮りたかった
日本最大のトレッスル橋
約1時間の滞在で餘部を後にする。いい写真を撮りたいなら、人の少なさそうな時だろうが、架け替えが迫れば、ますます人も多くなるのだろう。 (つづく)
余部鉄橋コーナー(香美町)