旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

ラベンダー紀行 中富良野(前編) 

2004-08-31 13:35:29 | ラベンダー紀行
町営ラベンダー園
(北海道空知郡《上川管内》中富良野町)


自衛隊の官舎の側を通って、目的地を目指す。ラベンダー園へ向う道は車で渋滞している。駐車場にたどり着くまででも大変そうである。渋滞を横目に歩いて町営ラベンダー園に到着した。ここのラベンダー園は、初めて中富良野へラベンダーを見に来た時に訪れている。懐かしい。冬はスキー場となるそうだが、その時期には訪れた事はない。それにしても、このラベンダーの色はどうだろう。何度かラベンダーを見に足を運んでいるが、今まで見た中で一番良い色をしている。まさに見頃なのだ。

中富良野駅で入手したリフトの50円引券を使い、上まで登ってみる。鞄は預かってもらい、リフトに乗る。冬はスキーヤーを運ぶのだろう。今は板をつけてないので乗るのも簡単である。見頃のラベンダーも良いが、田園風景や十勝連峰の眺望も良い。富良野線を走る列車も見る事が出来た。リフトから降りる。近くでラベンダーを見てみるが、今日の花の色は抜群に素晴らしい。写真に撮るが、この美しさをどれだけ再現できるだろうか。そもそも写真の腕前もよくない。撮影しながら下まで降りていってもよいし、以前に訪れた時にはそうした。ただ今回はリフトは往復となっている。ケチなのか何なのか、乗らなきゃ損だとばかり、半分くらい降りていたラベンダーの咲く斜面を歩いて登る。

リフトで下まで降りてきて、預けていた鞄を受け取ったが、預けていたのは私だけだった。さて、これでラベンダーは終わりではない。ここから歩いてファーム富田へ行く。ラベンダーのはしごである。道路は相変わらず渋滞している。ファーム富田へ行く車で渋滞しているのだ。しばらく歩いて観光バスも数多くやって来ているファーム富田に着いた。人の流れに乗って、ラベンダー畑へ入っていった。 (つづく)


ラベンダー紀行 富良野→中富良野

2004-08-30 00:37:29 | ラベンダー紀行
富良野線 普通 730D列車 (中富良野)

富良野駅で途中下車。朝はおにぎりだけなので腹も空いてきた。待合室に立ち食いそば店があったので、天ぷらそばを注文する。360円也。つゆは関東風。むろん天ぷらは本当の天麩羅ではないが、非常に崩れやすく、すぐに天かす(揚げ玉)状になろうとしている。札幌もそうだったのだが、北海道ではこのくらいのゆるさが支持されているのだろうか。まだ2杯目なので、何とも言えないが。

これから富良野線に乗る。次の列車は11時45分発の旭川行。その次は11時52分発の臨時列車「富良野・美瑛ノロッコ2号」美瑛行である。ゆっくりと走るトロッコ列車なのでノロッコだと思うが、以前に利用した事もあり面白い列車である。しかし、今は少しでも早く出発して観光したい。急いでそばを食べ終えると、改札内に入り、旭川行の待つホームへと行く。ノロッコ号も発車を待っているが、随分と混んでいる。そして旭川行も混んでいて座れない。こういう時はかぶりつきに限る。運転席の側に立ち、前方の風景を眺めるのである。

富良野を発車すると根室本線が左に分かれて行く。富良野線は真っ直ぐだ。こちらの方が開業は古く、道東へのメインルートだったのだ。畑の中を一直線の線路が伸びており、見ていて実に気持ちがいい。普通列車だが、途中の学田、鹿討は通過する。最初の停車駅の中富良野に到着。ラベンダーを見るために途中下車する。ホームと駅舎の間には誇線橋や地下道なぞない。11時52分、列車が発車して線路を渡って駅舎に入った。

ラベンダーが見頃だからだろう、臨時と思われる観光案内所がある。今から目指す町営ラベンダー園には一度行った事があるが、随分前の事なので地図を貰う。リフトの割引券も貰う。荷物が重いが少し歩く事になる。台湾からの観光客らしき人を見かける。アベックで、やはりラベンダー園に行くのだろう。帯広では見かけなかったが、やはり富良野地区は人気があるのだ。 (つづく)


ラベンダー紀行 帯広→富良野

2004-08-29 23:35:37 | ラベンダー紀行
根室本線 快速「狩勝」 3430D列車 (帯広)

平成16年7月19日月曜日(海の日)。今回利用したホテルには朝食におにぎり、味噌汁、コーヒーの無料サービスがある。軽食ではあるが、ありがたく頂戴する。ゆっくりしたいが列車の時間もある。快適な一夜を過ごしたホテルを後にして、帯広駅に歩いてむかう。

駅に到着して、まずは切符を買わなければならない。この後の行程では特別企画乗車券は使わず、普通乗車券で旅行する。ただし経路は少し複雑だ。この時期はラベンダーが見頃となっている。当初は予定に入れていなかったが、せっかくなので中富良野町のラベンダーを見てきたい。夜は札幌であるものが食べたい。往路はフェリーを利用したが、復路は全行程を鉄道利用としたい。東北新幹線八戸-盛岡間で「はやて」に乗りたい。こうして、次のような片道乗車券を発行してもらうことにした。

区間:帯広→東京都区内
経路:帯広→(根室本線)→富良野→(富良野線)→旭川→(函館本線)→白石→(千歳線)→沼ノ端→(室蘭本線)→長万部→(函館本線)→五稜郭→(江差線)→木古内→(海峡線)→中小国→(津軽線)→青森→(東北本線)→八戸→(東北新幹線)→東京

運賃は16,380円、有効期間は9日、営業キロは1512.5と、東京から西へ行ったとすれば、鹿児島中央を過ぎて、指宿の先まで行く道のりである。帯広駅の窓口氏は上記の経路を私が口頭で伝えただけで、すぐに発券してくれた。運が悪いと時刻表の索引地図を見ながら悪戦苦闘して発券までに相当の時間がかかる場合もある。ある旅行会社の窓口だと1時間はかかるだろう。帯広駅は優秀である。

さっそく乗車券で自動改札機を通る。機械とは味気ないが、入鋏もスタンプとなっており、鋏でパチンとやってもらえるわけではない。自動改札機から出てきた切符には小さな穴があいた。プラットフォームに出る。札幌行の特急「スーパーおおぞら2号」を待つ人が多いようだ。札幌まで220.2キロ、2時間24分で到着する。バスでは4時間を要するから、随分と速い。私はこれから快速「狩勝」で2時間12分かけて富良野まで125.5キロを行く。あまり速くない。この快速「狩勝」は釧路-帯広間を普通列車として運転し、帯広からは快速列車として滝川まで運転する。釧路-滝川間308.4キロを6時間35分を要する。私が乗るのは全体の1/3にも満たない。3時間近く走ってきた列車が到着。ボックス席の前向き窓側に陣取る。車外に出て写真を撮ってもどって来ると、私のボックス席に年配の夫婦がやってきて相席となった。

特急を先に発車させ、9時20分に快速は発車した。停車駅は少ないのだが、列車交換で結構停車する。新得からは坂を登ってゆき、新勝狩トンネル内にある上落合信号場で、南千歳方面の石勝線と分れて富良野へむかう。高速運転されている石勝線とは違い、自然の地形に沿って線路は敷かれている。気持ちの良い山間の路線だ。映画の撮影で使われ、セットも残されている幾寅駅、ダム湖などを車窓に見て、11時32分に富良野に到着した。 (つづく)
北海道旅客鉄道(JR北海道) http://www.jrhokkaido.co.jp/


ラベンダー紀行 トマム→帯広

2004-08-26 12:37:42 | ラベンダー紀行
根室本線 帯広駅 (北海道帯広市)

自然の中の駅に特急スーパーおおぞら7号が接近してきた。トマム発15時30分。キハ283系は気動車とは思えない電車並の加速力で速度を上げて行く。石勝線・根室本線の高速化に伴い登場した車両だが、札幌-釧路間で4時間を切る運転を可能にし、航空機に対抗している。最高速度は時速130キロ。新狩勝トンネルを貫けると素晴らしい展望である。新得との標高差を下るため、線路は右へ左へと弧を描く。33.8キロを21分で走り、15時51分に新得着。

「一日散歩きっぷ」はここ新得まで。このまま乗っていれば27分で帯広に着くが、それではトマム-帯広の正規運賃・料金(2,510円)が必要である。「一日散歩きっぷ」で改札を出る。自動販売機で帯広までの乗車券(810円)を買い、再びキハ40の客となる。特急が27分で行くところを、のんびりと61分かけて走る。16時08分新得発。この先の根室本線では、広い畑、真っ直ぐに伸びる防風林など、十勝ならではの車窓が楽しめる。17時09分、帯広に到着した。

3連休の中日なので予約しておいた駅前のホテルにチェックインする。シャワーを浴びてスッキリすると、市内の百貨店に行き、欲しかったDVDソフトを入手する。帯広に来たかいがあった。六花亭本店でマルセイバターサンドをお土産に買う。自分で食べる用にも買う。ひとつを帯広郵便局から送ったが、内地に送ったら気温で溶けてしまいそうである。別のものを検討する。あとでホテルに帰って食べたが旨かった。

アメリカ牛肉輸入禁止のあおりで、牛丼店で豚肉を使った牛丼の代替品を豚丼として販売しているが、豚丼といえば十勝の豚丼である。本物の豚丼を再確認する為に今日は豚丼を食べる。駅前のPという有名店では行列が見られる。ここの豚丼は1度食べたので有名店にこだわる必要はない。昨年、10数年ぶりに訪れた「ふじもり」に行く。10数年ぶりと1年ぶりでは感慨も違うが、最初に水とメロンソーダが出されるのは嬉しい。昨年と同じく豚丼と生ビールを注文する。「○○はよろしかったですか?」という北海道独特の言い方が隣の席から聞こえてくると、北海道にいることを改めて実感する。それにしても帯広に宿をとる事が多い気もするが、帯広を目的に訪れたのは、帯広競馬場のばんえい競馬を見に来た時くらいではないか。同じ北海道でも函館は何度も宿泊しているし、観光もしているのだが。 (つづく)
北海道旅客鉄道(JR北海道) http://www.jrhokkaido.co.jp/
六花亭製菓 http://www.rokkatei.co.jp/
藤森商会 http://www.fujimori-kk.co.jp/


ラベンダー紀行 新夕張→トマム

2004-08-25 15:48:08 | ラベンダー紀行
トマム駅付近の鵡川(北海道勇払郡《上川管内》占冠村)

これから特急に乗る。小樽から利用しているのは「一日散歩きっぷ」(2,040円)でフリー区間の快速・普通列車が利用できる。特急・急行列車は利用できない。ところが、石勝線新夕張-新得間では普通列車の運転が無いことから、同区間の各駅相互間は、乗車券のみで特急の普通車自由席に乗車できるという特例がある。「一日散歩きっぷ」や「青春18きっぷ」でも特例でそのまま利用ができる。あくまでも同区間の各駅相互間での利用に限られるのでお間違えなく。例えば新夕張-帯広間で特急を利用すると全区間の正規運賃・料金が必要となる。

新夕張まで乗ってきた普通列車の運転士に、特急利用の件を確認して列車を待つ。すぐに特急「とかち5号」が入線してきた。新夕張発13時52分。1日1本の列車しかなかった旧楓駅(現信号場)を過ぎて行く。楓駅が無くなったので、新夕張と隣の占冠までの34.3キロが在来線では隣の駅までの最長距離となった。大自然の中を特急で快適に移動。特急料金不要である事が申し訳無いくらいだが、しっかりと利用させていただく。

占冠14時24分発。隣の駅まで30分以上かかっている。駅間は長いが信号場は多数あり、上り列車と交換する。ところで最近、車内放送で「反対列車との行き違い」という表現をよく聞くが、「行き違い」というと間違いがあったようで「交換」の方が好きである。なんにも用事がないけれど、列車はトマムに着いたので降りた。ここでも上り列車と交換があり、14時45分に上下2本の特急がトマムを発車した。

トマムは北海道でも有数のリゾート地で、石勝線の開業後に開発された。開業当時は石勝高原という駅名だった。新千歳空港からのアクセスもよい。上下2本の列車の乗客は皆、歩道橋を渡ってアルファリゾート・トマムのインフォメーションセンターへ行く。ここのホテルを利用しないのは私だけだろう。インフォメーションセンターにコーヒーでも飲めるところがあればと思ったが飲食店はなく、自動販売機で缶コーヒーを買い、駅に戻る。日陰に入ってコーヒーを飲む。風が吹いてくる。なんと気持ちのよい事か。関東の猛暑が嘘のようである。周囲の緑も気持ちよい。こんな所のリゾートホテルなら泊まってみたい。しかしそんな予算はない。今夜は帯広のホテルを予約している。鳥や虫の声がする自然豊かな駅だったが、道路を走る車の音も聞こえるのが残念だった。 (つづく)
北海道旅客鉄道(JR北海道) http://www.jrhokkaido.co.jp/
アルファリゾート・トマム http://www.tomamu.co.jp/