
釜山港大橋(1,114m)
西紀2025年2月21日金曜日。釜山廣域市の釜山港国際旅客ターミナルに来ている。下関行フェリーの乗船手続きを済ませて乗船開始を待つ。屋外に出て港を眺める。

朝島

釜關フェリー〔星希〕(16,875t) (釜山港)

성희 SEONGHEE


大亞高速海運 DAE-A EXPRESS SHIPPING 〔SEA FLOWER〕 (釜山港)
釜山と対馬とを結ぶ高速船。

低糖小豆モナカ(₩3,000) Dr Pepper 500ml(₩2,100)
ターミナル1階の7-ELEVENでアイスモナカを買って来た。昨日港で両替したレートで337円8銭。Dr Pepperは梵魚寺驛頭のコンビニエンスストアemart24にて購入。2,100ウォンで同235円95銭6厘。この2点で573円3銭6厘とは。Dr Pepperはここまでに振動か温まったかで開栓すると吹き出してしまう。トイレから紙を取ってきて床は拭いておく。

また屋外へ
別の高速船が入港してくる。


STARLINE 〔NINA〕(553t) (釜山港)
対馬の比田勝港(長崎県対馬市)から高速船が到着する。〔NINA〕は620便が釜山発9時10分、比田勝着10時40分。571便が比田勝発15時50分、釜山着17時20分というダイヤとなっている。所要時間は90分。対馬から釜山までの最短距離は49.5kmだそう。対馬には厳原の他に比田勝という港がある事は以前から時刻表を眺めていて知っている。厳原は島南部の長崎県下県郡旧厳原町にあり、比田勝は島北部の上県郡旧上対馬町にある。平成16年に対馬にある町が合併し対馬市が発足している。律令国の対馬国にあたる。まだ訪れた事はない。

高速船を見てご当地の人達が「テマド」と話している。漢字で書くと「對馬島」。ある時期、突然に報道などで朝鮮半島の地名を現地風に言うようになってしまった。しかし民間人がそれに倣う必要はないだろう。それぞれ自国での読みでいい。当方は従前どおり濟州島は「さいしゅうとう」と読む。
ちなみに比田勝の位置は上の地図の通り。昨日訪れた巨濟島にも近い。さて、どのくらい待ったか。閑散としていた待合室も席が埋まり立っている人も多く見られる。こんなに大勢が下関行の船に乗るのかと思ったが、ダイヤからして福岡行の乗客も待っているようだ。日本人が少ないのは往路と同じである。いよいよ時間となり案内が始まる。ターミナル2階の7-ELEVENで水500ml(₩1,000)を買って来た。まずは空港と同様に保安検査がある。下関と違って釜山は厳重。しかしペットボトルの持ち込みは可。続いて出国審査。旅券を見せて審査は終わる。入国時に旅券の査証頁にハンコではなく二次元コードの入った小さなシールを貼付されたのだが、出国時にはハンコも貼付もない。無事に대한민국(South Korea)を出国する。出国後の待合室も国際空港のよう。免税品店も充実している。下関にも免税品店はあったけど田舎の売店といった感じ。建設時期も違い古さもある。下関からは釜山便のみ、釜山からは複数の目的地へ便があり、利用者数も違うだろうから規模も違うだろう。混み合う待合室から船に案内される。


船舶・航空機の船内・機内ではその国籍(船籍)の法令が適用されるのだそう。往路は関釜フェリー〔はまゆう〕(母港は下関)を利用したから下船するまでは日本国内といえなくもないが、復路で利用するのは母港が濟州島の〔星希〕。出国したけどまだ出国していないともいえる。

2等船室の様子
搭乘券で指定された船室へ。カーペット敷きの大部屋に一番乗り。

端っこを取ってしまえ

布団を敷く
柳井(山口県)-三津浜(愛媛県)や青森(青森県)-函館(北海道)くらいの時間なら仮眠なので苦ではないが、30年くらい前に舞鶴(京都府)-小樽(北海道)を二船中泊三日(一日目の夜出発、三日目の朝到着)でカーペット敷きだった時は疲れた。他のご家族の部屋に入っている感じで気を使うし、昼間は明るいので寝ていられない。布団を敷いても床は固い。2等寝台が空いてなかったから仕方がないが、これ以後は2等寝台を確保出来て長距離フェリーに乗るのを条件とした。しかし〔星希〕には2等寝台がない。翌日出航する〔はのゆう〕は満席だったので〔星希〕に乗るしかなかったのだ。結果として双方の船を乗り比べられるのはいい。一番乗りで部屋に入ったけど、定員いっぱいの利用となった。一人利用の日本人客が集められた感じ、と思ったが後で日本人だけではない事が判った。客同士の会話はないので気付かなかった。

コンセントは二種類
旅慣れた方は変換プラグを持参しておられた。自分は100V側でカメラの電池を充電。

船内には〔星希〕の模型が

釜山港国際旅客ターミナルを望む
肉眼で見るともっと暗いのだが、写真に撮るときれいに映る。


宿泊していた東横INN

自動販売機は日本仕様
日本円のみ。〔はまゆう〕と同じく下関で商品補充するのだろう。モナ王(200円)が安く感じる。


食券
レストランは営業されている。疫病の影響でメニューは一種類のみ。それは承知しているからいい。船の案内所(フロント)にて食券を購入。「お酒は置いてないんですよね?」と尋ねると、1本まで持ち込み可能という。素晴らしい。船内の売店がコンビニエンスストアGS25になっており、麦酒を買ってゆく。お弁当やカップ麵で済ませる人も多く、店内は混雑している。ここでICカードTmoneyは船内では使えない事が判明。支払いは現金のみ。乗船手続きする時に確認すべきだった。3,400ウォンのチャージ残額を残して帰国が決定。判っていれば港で使い切っていたのに。交通系ICカードもクレジットカードも使える東京九州フェリーは凄かったのだ。通信時間が少々かかるけど。

豚肉炒め定食(₩10,000) CASS 500ml(₩2,800)
持ち込み1本まで可という事で麦酒は500ml。巨濟島・ジニの食堂さんからCASSばかり飲んでいる。上の階のレストランへ入る。あまり混んでない。セルフサービスでトレイに料理を取ってゆく。加減が判らないので列の前の人を見て取ってゆく。味噌汁はコックさんがよそって用意している。何か合宿の食事のようでもある。合宿とは違いお酒が入りご機嫌な一団もみられる。

いただきます♪
ご飯、豚肉炒め、白身魚のフライ、キムチ、唐辛子の辛いやつ、海苔、味噌汁。船酔いが怖いのであまり多くは取らなかった。しかし港に停泊していて全く揺れていない船内で心配しても仕方がない。麦酒とともに頂戴する。船上で飲む麦酒は旨い。豚肉炒めはもちろんフライも旨い。味噌汁の入った椀は持ち上げぬよう、ご飯を投入して匙で雑炊のように食べる。ごちそうさまでした。

RESTAURANT ANDAMIRO
食事を終え、屋外の甲板に出てみる。

後方にもフェリーが停泊している



カメリアライン〔ニューかめりあ〕(19,961t) (釜山港)
カメリアライン(福岡県福岡市)が運航。博多と釜山とを結んでいる。ウェブサイトによると釜山発20時、博多着翌日7時30分。これはそれぞれの出入国審査の都合に合わせたもので、出港案内には出港22時30分とあった。こちらも乗船してもすぐには出港しないし、到着してもすぐには下船出来ない。博多行は夜行便だが、釜山行は昼行便。博多発12時30分、釜山着18時30分で6時間の船旅。

ニューかめりあ NEW CAMELLIA
福岡が母港である。母港(船籍港)は市町村なので、博多ではなく福岡市となる。以前、久里浜港で母港が東広島の船を見掛けて、何故内陸(西条・八本松など)が母港なのかと不思議に思ったが、安芸津港のある豊田郡旧安芸津町は平成17年に東広島市に合併したから東広島でいいのだ。




〔ニューかめりあ〕の乗船も終了していて通路は消灯されている



船首が陸を向いており、暫く船尾の方へ後退する

カメリアライン〔ニューかめりあ〕(19,961t) (釜山港)
JR九州高速船が撤退しても博多・釜山航路があるなら乗ってみたい。

釜山港大橋(1,114m)

次々と色が変わる

〔星希〕が180度向きを変える

船尾が陸の方を向いた

釜山港大橋の下を潜る





これまで西紀2025年2月21日撮影
徐々に港を離れてゆく。長い間訪れていない地であったが、映画のゴロウさんのおかげで27年振りの再訪となった。ありがとう。ハングル表記ばかりで大変だったが、下調べしていたので何とか旅する事が出来た。梵魚寺から帰りのバスでは何とかなってないな。
港を出るとすぐに対馬海峡である。船室に戻り揺れが激しくなる前に寝てしまおうと思う。他の客のいびきで寝られるかなと思ったが、自分もいびきをかいているようだ。心配していた船酔いだが全くない。むしろ揺れが心地よい。揺れが少ないのかと思ったが、お手洗いに立った時に通路を歩くと結構な揺れを感じる。往路と復路の違いは何か。船の違いか。船室の位置の違いか。結局その時の体調なのかなと思う。船上にて西紀2025年2月22日土曜日を迎える。途中で何度も目が覚めるが、他人のいびきは関係なくよく寝られたと思う。船で酔わないと快適である。


これより西紀2025年2月22日撮影
午前6時を過ぎて船室の照明が点けられる。部屋に個別のスイッチがあったのだ。スイッチを点けて「6時ですから」と声を掛けていた人が言葉の感じから日本人ではない事が判る。一人客ばかりが物静かにしている(いびきを除く)部屋だったから何人とか判らなかった。この船に乗っている間はこちらが外国人である。

鷄卵サンドイッチ(₩2,600) Maxim T.O.P 275ml(₩2,600)
船酔いもなく、体調はいいのでレストランを利用したかった。韓定食 8,000ウォンが気になる。しかし昨夜、船内の売店コンビニエンスストアGS25でPEPSI 600ml(₩2,300)を買った際、手持ちが 8,000ウォンを切ってしまった。船内でICカードTmoneyが使えない事で算段が狂う。日本円の使える自動販売機で飲み物は買えばよかった。財布の中にウォンを残しておいても仕方がないのでGS25で朝食を買ってくる。800ウォンがお釣りで戻る。レジで会計の際に900ウォンの釣銭が出るので、(別の商品に変えるつもりで)小銭は困る旨を話していたら、店員さんが100ウォン負けてくれた事もあったのに、結局五百ウォン硬貨1枚、百ウォン硬貨3枚が財布に残った。Tmoney残額3,400ウォンと合わせて4,200ウォンを使い残した。自分の交換したレートだと471円91銭2厘。500円以下だがもやもやする。船室に戻り日本のコンビニエンスストアと同じ味のする玉子サンドを食べ、甘い缶コーヒーを飲んだ。そしてパスケースのTmoneyをSuicaに入れ替える。

彦島 (山口県下関市)
〔星希〕は関門海峡に入っていた。

対岸の小倉付近を望む (福岡県北九州市小倉北区)

釜關フェリー〔星希〕・부관훼리〔성희〕(16,875t) 22MAY2002
歴代の釜關フェリー・関釜フェリーの写真が展示されている。上の写真は乗船中の〔星希〕。

左上:関釜フェリー〔はまゆう〕・관부훼리〔하마유호〕(16,187t) 28AUG1998
右上:釜關フェリー〔フェリー釜關〕・부관훼리〔훼리 부관〕(5,632t) 27APR1983
左下:関釜フェリー〔フェリー関釜〕・관부훼리〔훼리 관부〕(5,200t) 10JUL1976
右下:関釜フェリー〔フェリー関釜〕・관부훼리〔훼리 관부〕(3,800t) 19JUN1970
左上の関釜フェリー〔はまゆう〕には往路で乗船。昔の船は今より小さい。

大里付近を望む (福岡県北九州市門司区)
門司駅があるのが大里である。昭和17年、関門隧道開通を前に大里駅から改称された。


関門橋が架かり本州と九州との間が最も狭くなる早鞆瀬戸を望む
左が本州・山口県、右が九州・福岡県。本船は早鞆瀬戸は通過しない。

春風海運〔春幸〕(851t)
タグボートが近づいてきた。

門司港レトロハイマート(127m)
門司港付近を望む。高い建物は高層マンションで、最上階31階は門司港レトロ展望室となっている。

下関市立しものせき水族館「海響館」付近 (山口県下関市)

海峡ゆめタワー(153m)

関門自動車道 関門橋(1,068m)
昭和48年開通。関門大橋ではない。渡る前には壇之浦PA(下り線)(山口県下関市)、めかりPA(上り線)(福岡県北九州市門司区)がある。路線名は下関IC-門司IC間で関門自動車道となるが、キロポストやIC番号は中国自動車道の起点吹田JCT(大阪府吹田市)からの通算。門司ICは九州自動車道の起点でキロポストもIC番号もリセットされる。

タグボートが〔星希〕を押している

船首を早鞆瀬戸・瀬戸内海側に向けたまま、後退で入港する。


SEONG HEE JE JU
星 希 濟 州








これまで西紀2025年2月22日撮影
支度をして下船を待つ。急いでも仕方がないので船室へ。先程、電気を点けた人だけ部屋に残っていた。背広に着替えている。仕事で関釜間を往復されているされているのかな。頃合いを見てロビーへ。ほぼ満員だったと思われ大勢が下船を待っている。降りるのは最後でいいやと席に腰掛けていたが、日本人は先に誘導される。どうも入管の日本人ゲートの日本人を早く済ませて、全ゲートを外国人用にしたいのかなと思う。〔星希〕より下船して日本国山口県・長門国に上陸。令和7年2月22日土曜日。時差はない。入管で旅券を出して「帰国 KANMON」のハンコを貰う。あと船内で記入しておいた携行品が何とかという申請書を提出する。これで無事に帰国した。
釜關フェリー 〔星希〕 釜山(21:00)→下関(翌日7:45)
◆2等運賃6,300円(インターネット割引)
◆ターミナル利用料7,000ウォン 燃油サーチャージ12,000ウォン

三日振りの下関 これより令和7年2月22日撮影
昭和63年3月完成のターミナル。

青島(山東省青島市)、太倉(江蘇省太倉市)と中国の地名も見られるが現在は太倉への貨物のみ。下関から旅客が利用出来るのは釜山の航路に限られる。

観光バスが待っている
どうぞ楽しい日本の旅を。

下関港国際ターミナル (山口県下関市東大和町)
それでは港より駅へと向かう。 (つづく)