旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

台湾のりもの紀行 台中

2008-02-24 01:00:12 | 台湾日記

臺鐵 台中線(山線) 台中車站 (台灣省台中市中區)
※クリックすると大きなサイズで表示します。

潭子15時40分発の區間車5922B次に乗る。これに乗れないと次の発車は16時43分だった。車内は空いていた。5分で次の太原という駅に停まり、また5分して15時50分に台中に到着した。改札から出て、駅舎を見てみる。そこには何とも立派な駅舎が建っていた。赤レンガの駅舎が実にいい。大正6年(1917)の落成という。

さて、歩いて小腹が空いてきた。日本ならば駅うどん・そばの類を食べるのだが、ここ台中駅にはない。駅弁やお土産物などは売っているが、うどん・そばはない。別にうどんでなくてもいい。台湾らしい麵や飯を立ち食い出来ればいいのに。構内にはモスバーガーが営業しているが、ハンバーガーを食べる気分ではない。駅の周りを歩いてみる。タクシー運転手が客引きに寄ってくるが、今は要らない。球場にいれば乗っただろうに。店の前に魯肉飯と書いてある食堂があったので入ってみる。日本語は通じないが、「ルーローハンのダイ(魯肉飯の大)」と言って注文した。注文は通ったが、持ち帰りの容器に入れられていた。その辺は通じなかったが、店内で食べる。


魯肉飯(大) (50元)
※クリックすると大きなサイズで表示します。

御飯に煮込んだ肉そぼろがかかった料理である。黄色い沢庵がいい。しつこくなく、美味しく食べられる。駅に立ち食いがないのは、駅周辺にいくらでも飲食店があるからか。店内のテレビは、何年か前の大河ドラマをやっている。字幕だから日本語が聞こえてくる。お店の人には日本語が通じない。不思議なところである。お腹も膨れて店を出る。



これから台北に戻るが、切符は買っていない。再び臺鐵に乗ってもいいが、せっかくなので高鐵に乗ろうと思う。高鐵の台中駅は臺鐵と接続していて、高雄方に3駅目の新烏日で乗り換えとなる。券売機で切符(15元)を買う。売店で缶コーヒー(25元)も買って飲む。入場して月台へ。台中始発なので、ここで折り返しかなと思っていると果たしてそうだった。駅員か車掌が「新烏日云々」と乗客に言っている。新烏日へはこの列車に乗るよう言っているのだろう。さっそく自分も乗り込む。夕方で多少混雑してきたが、席には座れた。區間車5911次は16時34分発車。大慶、烏日と停まり、高鐵連絡の新駅、新烏日に16時43分到着した。


臺鐵 台中線(山線) 新烏日車站(台灣省台中縣烏日鄉)

月台から階段を上がり、改札口へ。駅舎は仮設で、まだ出来上がっていなかった。臺鐵としては客を奪われ、新駅も開業せねばならず、大変である。連絡通路を歩き、高鐵の台中車站へ。こちらは仮設ではない。


高鐵 台中車站 (台灣省台中縣烏日鄉)

高鐵の左營も立派だったが、台中も立派である。空港の建物を思わせる。構内には日本でも御馴染みの飲食店が営業している。某パン屋の喫茶店には客はいなかったけど。


Royal Host も出店 (台中)


17時の列車に乗る! (台中)

切符売場には列が出来ていたが、すぐに番となった。台北のひとつ手前の板橋までの切符を買う。「いたばし」と言いたいところだが、「バンチャオまで自由席」と言ってみる。結局は日本語。しかし自由席が通じない。筆談するのも、紙とペンを取り出すのが面倒くさい。「Non-reserved Seat」と言うと通じた。台中-板橋間、530元。現金で購入。自由座(自由席)は11月に登場したばかりで、特別価格となっている。入場して月台に上がると、ちょうど列車が入線して来た。


高鐵 422車次 (台中)

停車時間は新幹線よりは長いので焦る事はない。〔のぞみ〕の自由席は1~3号車だが、高鐵の自由座は10~12節の3両である。高鐵は12両編成なので、1/4が自由座である。10節から車内に入る。混んでいる。空席はない。11節、空席はない。對號座(指定席)は空いていたのに。わかりやすいな。空席を求めて客室、デッキ、客席と移動する感じが、新幹線そのままである。先頭の12節も混んでいたが、三人掛けのB席に空席があった。C席にはガタイのいいニイチャンが座っているから空いていたのだろう。寝ているニイチャンに「すいません」「EXECUSE ME」「對不起」と言って起こし、B席に腰掛ける。夕方なので混んでいるのだろうか。ピンポン、ピンポン♪といって扉が閉まる。700系だなあ。定刻の17時に発車。加速する音もおんなじだ。自由座には博愛座(優先席)が設けられていた。


自由座(自由席)の表示

422車次は各駅に停車する。窓側には座れなかったが、車窓は昨日見ている。臺鐵で車窓を楽しみ、便當を楽しむのが列車の旅の醍醐味だろうが、速い高鐵もいいね。板橋17時51分到着。「對不起」と言って、ガタイのいいニイチャンの前をすり抜けて列車降りた。


到着しました!(板橋)

台北でなく板橋で降りたのは、乗り降りした駅の数を増やしたいのと、高鐵の運賃を節約しようと思ったから。板橋から捷運の板南線で台北車站まで5駅。そこで淡水線に乗り換えるが、捷運は運賃は通しで設定されているので、台北で高鐵から乗り換えるより安いはずである。板橋から民權西路までは30元だった。台北車站から民權西路まででも20元だから割安である。

台北捷運 板南線 板橋(18:06)→台北車站(18:18)
同 淡水線 台北車站(18:25)→民權西路(18:29)
※正式ダイヤ不明のため、実際の時刻を記す。



ホテルに戻る。午後7時前だが、ニュース7は終わっている。今日はずっと食べていたので、夕食は軽く済ます。ホテルの隣の食堂へ行く。麵線を食べようと思っていたが、担仔麵の文字を見て、それを注文する。ここのはあっさりとして旨い。勘定を済ませ、店のおばさんに「好吃」と言うと、発音を直される。「ハオチー」じゃなくて「ハオツー」なのか。


担仔麵 (45元)
※クリックすると大きなサイズで表示します。
いずれも民國96年11月27日撮影


7-ELEVENで缶コーヒー(20元)、アーモンド(65元)、そして台湾の袋麺(15元)を3種類買ってホテルに戻る。袋は有料(1元)なので、手に持ったまま。それを見たフロントの女性に笑われた気がする。部屋でビールを飲みながら、アーモンドをつまむが、味付けが口に合わない。サワー・クリーム・アンド・オニオンのような味がする。アーモンドはシンプルに塩味でいいのに。高かったので全部食べた。昨夜も観たバラエティー番組を観てからもう寝た。 (つづく)

【動画】 台灣高鐵 422車次 (板橋)
[[youtube:hSAGS2Fn1X0&hl=ja&rel=0]]

台湾のりもの紀行 棒球場

2008-02-12 13:30:35 | 台湾日記

台中線(山線) 潭子車站 (台灣省台中縣潭子鄉)
※クリックすると大きなサイズで表示します。

今月になるまで、その名前すら知らなかった駅、潭子で降りたのは訳がある。第二十四屆亞洲棒球錦標賽 Asian Championship 2007 が台灣省台中市で開催されるのだが、優勝した1チームは北京奥運(五輪)の出場権を手に入れられるのである。棒球というのは野球である。野球日本代表は24日に台湾入りしている。台湾のテレビで練習の模様が連日紹介されているのは前出の通りである。せっかく台湾にいるのだから、球場くらい見てやろうという訳である。新球場らしく、どこにあるのか分からなかったが、いろいろ検索していたら地図が出てきた。そして最寄駅は潭子だった訳である。西口にあたる側の方が球場には近そうだが、表口と思われる東側に出る。列車からは僅かな乗客が降りただけで、今は駅には高校生が一人残るのみである。客待ちするタクシーもいない。もとよりタクシーに乗るつもりはなく、歩いて球場へと向かう。

潭子の駅前は、日本でもよくある地方の町の駅前の風情である。小さな商店が軒を連ねている。少々寂れているのもよく似ている。しかし食堂は店頭にテーブルを置いた台湾のそれである。こういう店で食べてみたいと思うが、先ほど列車で便當を食べたばかりである。さて駅の西側にある省道3号に出なければならない。歩いていると野良犬なのか、放し飼いなのか黒い犬がいる。のらくろならかわいいが、異国の犬は狂犬病の心配がある。後で調べたところ、島である台湾は日本と同様に狂犬病は発生していない、数少ない国・地域だった。注意して犬の側を通り過ぎるが、犬は何ら関心も示さない。

臺鐵のガードをくぐり、西側へ出る。往復4車線の省道3号に出た。東側の商店の並ぶ落ち着いた街と違い、幹線道路沿いのよくある風景である。中古自動車販売店も見られる。役場というべき潭子鄉公所も道路沿いにある。自動車で来る客を相手にした飲食店もあり、麵線の店があった。不味かったらお代は要らない(筆者、適当に訳す)、とある。味に自信があるのだろう。一度、麵線を食べてみたいが、まだその機会がない。帰りしに食べてみようかと思ったが、別の道を帰ったので、再びこの店の前は通らなかった。


田圃① (台灣省台中縣潭子鄉)

省道3号から右に折れ、環中路に入る。道幅の広い新道で、中央部には高架道路の用地が確保されている。沿道には田圃も見られるが、他は殺風景である。また野良犬(放し飼い?)が現れた。しかし犬はこちらを構わない。台中縣潭子鄉から台中市北屯區に入るが、殺風景なままである。広い敷地を確保できるからか、資源ごみを扱う業者があったり、家具店があったりする。雨は降らないが、台風の影響で風が強い中、40分余り歩いて球場に到着した。


台中洲際棒球場 (台灣省台中市北屯區)


掲げられる参加国・地域の旗 (台中洲際棒球場)


グランドをのぞいて見る (台中洲際棒球場)

この時間に試合はないのだが、球場を眺めたり写真を撮っている人が幾人もみられた。みんな車やバイクで来ているようだ。歩いてくる物好きはいないのか。


ゲート前 (台中洲際棒球場)


1階にはドナルドがいた! (台中洲際棒球場)


全景 (台中洲際棒球場)
※クリックすると大きなサイズで表示します。


選手・関係者入口かな (台中洲際棒球場)


JR東日本E217系とJR西日本300系 (台中洲際棒球場)

工事中の箇所を囲う壁があり、台中市のPRの印刷された横断幕が張られているが、中には新幹線と在来線の写真が使われている。隣に「台中都會區鐵路高架化」とあるから高架の例としてなのだろうか。それとも台中にも新幹線(台灣高鐵)があるって言いたいのか。


100系も (台中洲際棒球場)


田圃② (台灣省台中縣潭子鄉)

球場には何の店も開いておらず、一回りして帰る事にする。帰国後、この球場の風景を思い浮かべながら、テレビ観戦しよう。さて、ここにもタクシーはいないので、また40分歩いて駅へ戻る。この辺りの様子が分かったので、最短コースを歩く。今度は殺風景ではない。道は細くて歩道もないけど。こちらの田圃は稲穂が頭を垂れている。何期作出来るのだろうか。田圃の中に木が茂り、小さな祠がある。日本だったらお社なのだが、実によく似た風景である。駅が近づくとマンションが林立するのも似ている。今度は繋がれている犬がいる。家の敷地から盛んに吠えてくる。人に対して吠える犬だから繋がれているような気がしてきた。


潭水亭 (台灣省台中縣潭子鄉)
※クリックすると大きなサイズで表示します。
いずれも民國96年11月27日撮影


今度は踏切で線路の東側に渡る。東が旧市街、西が田圃を潰して新市街という印象を受けた。駅が近づくと大変立派な廟が現れた。潭水亭という。後日調べたところ、清嘉慶6年(1801)創建というから古刹である。再び犬に警戒しながら駅にたどり着いた。時刻表を見ると列車がすぐに来る。慌てて券売機で台中までの切符(15元)を買い、月台へと急いだ。 (つづく)