旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

乗りつぶし台湾 潮州へ

2014-01-26 06:00:00 | 台湾日記

南迴線 3671次普快車 [ディーゼル機関車R100型R114號] (枋寮)

屏東線の區間車で枋寮に到着すると、隣のプラットフォームには南迴線台東行の普快車が出発を待っている。南迴線の各駅停車の列車は區間車と普快車がそれぞれ一往復ずつ。うち普快車という車種は、ここ南迴線の一往復だけのような事である。


青い客車の3両編成!

客車は台東方より、40TPK32206T35SPK32734T35SPK32717と表示がある。


数少ない、窓の開く車両!

南国の台湾でクーラーのない車両である。扇風機だけ。先程乗ってきた區間車には空調があり、窓は開かない。扉は走行中でも開くけどね。


乗りたいけど、今日は見送るのみ…

普快車には3年前に乗った事があるけど、今日は屏東線、縱貫線を乗り継いで台北へ向かう予定。また窓の開く南迴線に乗りたい。帰国後にBSを見ていたら、大和田獏さんが台湾旅行の中でこの列車に乗られていた。


昔の絵図が掛けられている!

さて、枋寮までの切符しか持たぬ客が何時までもラッチ内にいては改札氏も迷惑だろう。そろそろ出場する。地下通路の奥には枋寮付近の昔の絵図があった。片仮名も見られるので戦前の物の複製だろう。カランビの文字も見られる。鵝鑾鼻(ガランピ)は7年前に訪れた。しかし、最南點(最南端)には達していない。


台東へ向けて普快車は出発していった…

切符は記念に持ち帰るべく、「枋寮站證明章」のハンコ(無効印に相当)を押して出場する。そして、改札の外から普快車を見送った。


臺鐵 屏東線 枋寮車站 (臺灣省屏東縣枋寮鄉枋寮村儲運路)


駅頭の様子!

ガランビへはここ枋寮からバスに乗って行った。楽しかった。今日も更に南へと足を延ばしたいけど、駅前の風景だけ見て駅舎に戻る。


自強號 枋寮→潮州(57元)

売店で日本に出す絵葉書用に切手を購入する。そして窓口で切符を購入する。次の列車は特急列車に相当する自強號。次の停車駅で降りるので、自由席でいいところだが、對號列車(全車指定席)なので、きっちり発券してもらう。立席券に相当する無座票もあるが同額。


改札口

改札が始まるのを待って入場する。


構内の建物の壁には、こんなイラストが!


『環島之星』觀光列車[第1車次 西部幹線列車(逆行)]が入線!

高雄方より觀光列車が入ってきた。台北行なので枋寮で折り返すのかと思ったら、『環島之星』が示すように、台湾を反時計回りにぐるり一周する。時計回りに一周する列車[第2車次 東部幹線列車(順行)]も運転されている。旅行会社のツアーで利用されるそう。ちなみに臺鐵では時計回りの列車を順行、反時計回りの列車を逆行と表す。西部幹線(縱貫線・山線・海線)で台北から高雄へ南下する列車は逆行という事になる。


南迴線 51次莒光號 [ディーゼル機関車R100型R102號] (枋寮)

觀光列車は定期列車の花蓮行莒光號に組み込まれている。台北(6:15)→高雄(11:23)→枋寮(12:23)→台東(13:57)→花蓮(16:45)と、51次莒光號に併結。花蓮の先はどうするのか知らないが、台北には19:46に到着する。


南迴線 136次自強號 [DR2800型気動車] (枋寮)

これから乗る自強號がやってきた。


觀光列車+莒光號と交換する!

自強號に乗車。指定された席に行くと女性が座っていたが、隣の席に移り空けてくれる。次で降りるから通路側でも構わないが、窓側の席に座る。枋寮を出発。養殖池を見て、からすみを干しているのを見て、南州を通過する。自強號は午前中に乗った各駅停車の道のりを早回しで戻ってゆく。時間の流れ方が違う。同じ路線でも受ける印象が違う。お急ぎの時には自強號はいいだろうが、汽車旅を楽しむには區間車の方がいい。通路側に移動した女性は眠ってしまった。降りる駅が近づいてきた。大きく跨いで通路に出て、出口に向かう。


屏東線 136次自強號 [DR2800型気動車] (潮州)

屏東線 自強號 136次 枋寮(12:25)→潮州(12:45) 40DR2830 57元


metro 自強號で潮州站到了symbol6

潮州で下車する。初めて降りる駅である。さて、次の列車の切符を買っておこうと窓口へ行き、「高雄」と言うと、窓口は無座でいいかと言う(言っていると思う)。出された切符を見ると、今し方降りてきたばかり自強號の無座票である。まだ自強號は停車中かも知れぬが、乗りたいのは次の區間車である。「區間車」をどう発音するか知らないので、時刻表の區間車の頁を示して、區間車の切符に変えてもらう。


臺灣鐵路管理局 屏東線 潮州車站 (臺灣省屏東縣潮州鎮信義路)

潮州駅は高架になっているけど、まだまだ工事中である。柵で囲われた工事現場を仮通路で通り抜けて表に出る。地図を頼りに知らない街を歩く。


駅頭の様子!


上好佳客式炒粄條 (臺灣省屏東縣潮州鎮建基路)

潮州に来た目的はこちらのお店。昼食にいい頃合に着いた。日本語は通じず、勝手が分らないが、メニューの文字を見ながら、いい加減な発音で注文する。席に腰掛けて待っている、すぐに魚丸湯(20元)が出てきた。魚の団子(練り物?)の入った薄味のスープである。写真も撮らずに食べ始める。少しして潮州まで来て食べたかった料理が運ばれてきた。お店の兄ちゃんが値段を言うので、前金とわかる。日本語が通じなくても何とかなる。


炒粄條(小)(60元)

これは辛そう、というのは嘘で辛くはない。何が赤いのか判らないが、ここの炒粄條を食べた台湾の人のブログを見ると、トマトではないかと思われるが、当方の語学力の無さもあり、断言は出来ない。断言できるのは、エビやイカが入っていて、実に美味という事。注文時に大きさを言わなかったら小が出てきたが、こんなに旨いのなら大(70元)にすればよかった。


粄條はこんな感じ♪

米粉(ビーフン)がお米のソーメンなら、粄條はお米のうどんかきしめんというところ。麵じゃなくて、粄條に味が馴染んで実に旨い。きれいに平らげると、調理場の方の女性に「ハオツー(好吃)」と伝えて店を後にした。


いずれも中華民國102年11月25日撮影

台北や高雄にあれば、気軽にまた訪れたいお店であるが、潮州は高雄から1時間くらい掛かる。潮州まで複線電化が完成したらまた来ようか。駅への帰り道、炒粄條以外にも旨そうなものを売る店をいくつか見掛ける。炒粄條を知ったのは、偶然見た屏東線の動画に一寸だけ映っていたのである。なかなかいい台湾の小さな街での昼食だった。 (つづく)



[[youtube:znwP-OAxYCU]]

乗りつぶし台湾 屏東線

2014-01-20 06:00:00 | 台湾日記

客室からの眺め!

中華民國102年11月25日星期一(月曜日)、高雄のホテルで目覚める。今朝は目覚まし時計が標準電波を受信して、日本時間に戻るという事はなかった。


tv NHKワールド プレミアム(国際放送)

しかし日本のニュースを見ていると、日本時間に感覚が戻ってしまう。ちなみにここのホテルではBS1、BSPが映らない。衛星放送は日本国内向けなので当然といえば当然。


tv MOMO親子台「忍者哈特利」(忍者ハットリくん)

では台湾のチャンネルにしてみる。おっ、ハットリくんやってる。


tv GTV八大綜合台「哆啦A夢」(ドラえもん)

チャンネルを変えると、こちらではドラえもん。同じ時間に藤子不二雄作品をもってくるとは。安孫子先生と藤本先生の作品を一本ずつやってんだな。どちらも吹き替えで、字幕あり。


tv TVBS新聞台「早安台灣」

アニメからニュースチャンネルに変えてみる。なんか寒いそうだが、北回帰線より南の高雄にいるので実感なし。今日は更に南へ行く。



降って湧いたようなニュースで、面白くもない。



開通したばかりの台北捷運信義線に30万もの人が。運賃無料とはいえ、初物好きの人が多いのか、鉄道好きの人が多いのか。テレビでは連日この話題だが。


早餐(朝食)

一階のレストランで朝ごはん。朝食も宿泊料金に含まれる。そして自助式(バイキング・ビュッフェ)である。白いご飯に味噌汁ではなく、骨付き肉の入ったスープ。昨日のホテルにもあったが、鯖を取る。


coffee 食後のコーヒー

ここもミルクはスジャータだった。食事を済ませて部屋に戻り、ゆっくりする。


京城大飯店 (高雄市三民區九如二路)

そろそろチェックアウト。料金が上がってしまったのは残念だが、この立地を考えればまた利用する事もあるでしょう。横断歩道を渡り、向かいの駅へ。


臺灣鐵路管理局 縱貫線 高雄車站《後站》 (高雄市三民區)

駅は目の前でアクセス抜群。これから悠遊卡の区間外まで行くので切符を買う。自動售票機(券売機)で買おうと財布を見るが、必要な額の硬貨がない。券売機は紙幣が使えない。付近に両替機もない。仕方なく一つしか開いてない窓口に並ぶ。前から三番目で楽勝かと思いきや、先頭の女性が切符をたくさん出して何かしている。グループ旅行の切符でも変更しているのか。駅前のホテルで余裕の筈だったが、列はいっこも進まず、時間だけが過ぎてゆく。後にも列が延びてゆく。二番目のおっさんもイライラしている。もう売店で何か買って、小銭を作って券売機で切符を買うしかないかと思っていたら、窓口氏は先頭の女性の対応を中断して、二番目のおっさんを先に切符を売っている。臺鐵も融通は利くようだ。番が回ってきた。百元札をくずしてもらえば事足りるのだが、説明できないので普通に枋寮までの切符を買う。


區間車 高雄→枋寮(89元)


電気機関車と客車の連結作業中!

何とか時間までに入場。急いで月台(プラットフォーム)へ。向かいでは客車に機関車をつないでる。今や日本では旅客列車に機関車をつなぐところなど、限られた列車でしか見る事が出来ない。日本だと近づいてくると手前で停止して、やわやわやっているところだが…


一旦停止せず、そのまま連結!

係員も旗も持たないし、線路にも降りない。ジャンパとかつなぐ時には降りるのか。あっさりと連結してしまった。


たぶん莒光號? [電気機関車E200型E208號] (高雄)

確認していないが、時刻表からすると高雄発七堵行海線経由514次莒光號ではないかと思われる。だとすれば、高雄から台北まで6時間42分も掛かる列車である。


屏東線 3513次區間車 [ディーゼル機関車R100型R133號] (高雄)

そうこうしているうちに、これから乗る列車が入ってきた。昨夕、新左營から乗ったのと同じ、ディーゼル機関車の牽引する枋寮行の客車列車。編成は意外と長い。数えてないけど、7両くらいあったような。後に電源車なんかも連結している。


牽引される客車はSPK20000型!


區間車 往枋寮


唐榮製造 中華民國六十九年

民國69年は西暦1980年。製造から33年を経ている。


線路を切り替えるのか工事中! (高雄-鳳山)

高雄をゆるゆると出発。客車列車のこの感じがたまらない。左手に年季の入った車両基地が見える。高雄付近の地下化で、新左營-左營間で地下トンネルの入口を見たが、地上に出てくるのは高雄-鳳山間のよう。地上部分も新しい路盤の工事が行われている。以前は、屏東線の枋寮行の區間車は高雄始発だったが、新左營始発になっているのは、台灣高鐵(新幹線)連絡もあるのだろうが、高雄駅の工事で構内の番線数が減らされ、機回し線の余裕がないのだろう。鳳山は以前は臺灣省高雄縣鳳山市だったが、高雄縣ごと直轄市の高雄市に合併し、鳳山區となっている。鳳山を過ぎて、車窓も郊外の風景となっていた。この辺りの屏東線は複線電化で、電車も走っている。


高屏舊鐵橋[旧称:下淡水溪鐵橋] (九曲堂-六塊厝)

高雄市と臺灣省屏東縣の境、高屏溪を渡る。下流側には古い鉄橋が架かる。日本人の飯田豐二技師の設計した下淡水溪鐵橋で大正2年完成、翌3年に開通している。飯田技師は完成を見る事なく、大正2年に台南の病院で病で亡くなれらた。下淡水溪は高屏溪の旧称。この区間を複線電化するため、中華民國76年(1987)に新橋が架けられ、旧橋は撤去される予定だったが、歴史及び文化価値から保存、民國86年(1997)に國家二級古蹟に指定された。


台風等の水害により、橋梁は途切れている!

現在使われていない橋梁をわざわざ維持・管理するのは大変だろう。


屏東駅は高架工事中!

昔、一泊した事のある屏東に到着。基隆から続く西部幹線(縱貫線・屏東線)の複線電化区間も屏東まで。この先の屏東線は単線非電化のローカル線だが、途中の潮州までは高架で複線電化するという。今のうちに車窓の椰子の木を見ながら、のんびりした屏東線の旅を楽しむべく、今回の台湾の旅の日程を考えていた。


しかし、すでに高架になっている! (歸來)

高架の複線のうち、先行して完成させた片側の新線に、地上の旧線から切り替えられている。非電化で単線運転だが、様相はすっかり変わっている。高架線の開通は今年だったそう。


でも高架線からの眺めも悪くない! (歸來-麟洛)


上から椰子の木を見る事も出来るし…


引き続き工事が続けられている! (麟洛)

以前の駅舎や線路は姿を消している。


台湾でも安全第一


椰子の木の中に近代的な駅が出現! (西勢)

以前、西勢駅だったと思うが、月台にもの凄い数の蝶が乱舞するのを見た。屏東線の印象として強く残っているが、この高架の月台では蝶の姿は見掛けない。西勢を出発した列車は、一旦地上に降り、高速道路の高架下をくぐり、再び高架へと坂を登ってゆく。


次の駅でも工事が進む! (竹田)

こちらの駅には古い駅舎が残っている。


昭和14年竣工の竹田驛(開業は大正8年)
ここまで中華民國102年11月25日撮影(切符の画像を除く)

列車の窓は開かないが、扉は開く。月台(プラットフォーム)とは反対側の扉を手で開けて写真を撮ってみる。昨日は日南車站を見てきたが、こちらの駅舎も木造駅舎で大切に保存されている。高架駅となる前からすでに地上に簡素な駅舎があって、すでに保存駅舎だったが。


竹田驛園 竹田舊站 (台灣省屏東縣竹田鄉) 中華民國96年11月25日撮影

6年前に訪れた時の写真。旧駅舎とその周りは竹田驛園という公園になっている。


現在の竹田車站の月台! ここから中華民國102年11月25日撮影


座席に戻り、窓越しに旧駅舎を見る!

竹田からは旧駅舎目的だったと思われる観光客も乗ってきた。ちなみに播但線竹田駅(兵庫県)、京都市交通局烏丸線・近畿日本鉄道京都線竹田駅(京都府)と同名の駅。次の潮州まで高架が続く。ここまで複線電化工事中。潮州を出発すると列車は地上に降りる。車両基地が建設されているのが見える。


手動の扉

「下車前請先確認月台位置」とあるけど、「下車する前にプラットフォームの位置を先に確認して下さい」くらいの意味だと思う。駅に着いて降りようと思ったら、月台は反対側だったとか、短くて一部の車両が月台に掛からないという事もあるかも知れない。


走行中に開ける事も可能!

旧客車の岩徳線を思い出す。ちと危ないが、駅に到着する時、完全に停車する前に降りる事も出来るし、出発して動き出しても乗る事が出来る。国鉄の頃は旧客車だけでなく、電車も便所から下の枕木が見え(垂れ流し)、山陽本線では高架線となっている福山付近は使用禁止だった。さすがに現在の臺鐵の車両のトイレはタンク式となっている。


地上区間を行く! (崁頂-南州)




南州に停車!

昭和15年に南に延伸するまでは最南端だった駅。旧駅名は溪州。昭和14年11月、内田百ケン先生は神戸より郵船大和丸に乗船し基隆に到着。列車で台北へ行き、数日後に夜行列車で高雄へ行き、市中を一回りして更に乗りついで南端の溪州まで行かれたそうである。中華民國102年11月に話を戻すと、車掌による車内放送が入った。意味は判らないが、おそらく通過待ちで何分か停まるというのだろう。74年前、百ケン先生の訪れた駅のプラットフォームに一寸降りてみよう。むろん当時のプラットフォームではないが。

【おことわり】 内田百ケン先生のケンの字は、「間」の「日」の部分が「月」(門構えに月)という字ですが、文字化けしてしまうので、仕方なく片仮名で表記しています。ご了承下さい。


屏東線 3513次區間車 [SPK20000型] (南州)


プラットフォーム延伸するのか…


車内の様子!

隣の月台には北上する區間車が停まっている。この辺りの屏東線は単線。對號列車の通過待ちと北上・南下列車の交換を一度にやってしまうのだろう。南下する自強號が通過してゆき、北上する區間車が出発し、最後に南下する區間車が出発した。


蝶の姿が見られる! (鎮安)

乱舞する程はいないが。


この駅も高架になっていた! (林邊)

潮州以南でも高架にしている区間があった。臺鐵のやる気が凄い。おかげで高架の車窓に烏魚子(からすみ)を干しているところが見えた。


無人駅に停車! (東海)

常磐線東海駅(茨城県)と同名の駅。JR東海ではなく、JR東日本の駅である。


養殖池が見られる! (東海-枋寮)

高雄から2時間弱。各駅停車の區間車は終点の枋寮に到着する。台湾南部を行く、ゆっくりした時間の流れる客車列車の旅。これで89元(約312円39銭)なんて安すぎる。潮州までの複線電化が完成した時、屏東線の客車列車はどうなってしまうのか心配である。 (つづく)


metro 區間車で枋寮站到了symbol6

屏東線 區間車 3513次 高雄(10:03)→枋寮(11:57) 40SP20047T 89元