旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

最後の九州ブルトレ紀行 本州へ

2010-02-11 22:37:00 | 列車の旅

客車二段式B寝台に乗車☆☆☆

寝台特急〔はやぶさ〕は博多を17時33分出発。乗車した車両は空いている。向かいにも、上の寝台にも先客はいない。しかし今日の寝台券は売り切れている。途中駅から乗車してくるものと思われる。ちなみにこの車両、始発の熊本から博多までの区間は普通車指定席として、寝台券なしで乗車できる。九州のお客さんに消え行くブルートレインを少しの区間でも楽しんでもらおうという期間限定のサービスである。寝台券は博多以降の発売らしく、先客がいないのもその為だろう。しばらくは閑散とした寝台の旅を楽しむ。福間で運転停車し、後続の特急〔有明24号〕に追い抜かれる。昨年9月、熊本からの帰りに乗った列車である。


車内の様子


今夜の寝台


機関車を見る!

下の方から何やらエンジン音が伝わってくる。これで力強い走りをしている訳ではなく、電源用の発電機が唸っているのである。出来れば、キハネフ スハネフというこの車両を避けたかったが、切符が発売開始からすぐに満席という状況では、進行方向で下段が確保できただけでもよしとせねばなるまい。しかしこの音で寝られるだろうか。力強い走りの本当の動力源は、この車両の前の電気機関車である。ヘッドマークが目の前に見られて、喜んでいるお客さんもいる。日も暮れてきて小倉に到着。向かいの席にお客が乗ってきた。そして続いて九州最後の停車駅、門司に18時46分到着した。


寝台特急〔はやぶさ〕が先に到着! (門司)

門司では大分始発の寝台特急〔富士〕と連結する。〔はやぶさ〕は熊本-門司間は42列車だったが、連結後は〔富士〕と同じ2列車となる。後から来る〔富士〕を待って連結をするため、出発まで29分間もある。一旦、列車から降りて冷えたビールでも買ってくる。改札外に売店があるが、便宜的に改札から出してもらえる。


列車がプラットフォームにいない Σ(゚Д゚)ガーン

売店からプラットフォームに戻ってみれば、〔はやぶさ〕は元の位置にいない。もう出発してしまったのか。門司港方(下関方?)の少し離れた位置に〔はやぶさ〕が止まっているのが見える。つまりこうゆうこと。6番線に〔はやぶさ〕、隣の5番線に〔富士〕が入線する。〔はやぶさ〕は5番線の〔富士〕の前方に連結する。5番線に入るため、6番線を離れて前の方で待っているのだ。買い物等でプラットフォームに降りなかった〔はやぶさ〕の乗客はヘンテコな位置で車外に出ることも出来ずに待っているのだろう。


つづいて寝台特急〔富士〕も到着!

18時58分、〔富士〕が到着する。このまま〔はやぶさ〕を連結するにも、〔富士〕の先頭には大分から牽引してきた機関車がいる。まずは御役御免となった機関車が離れてゆく。そして〔はやぶさ〕が静々とバックしてきて〔富士〕に連結。こうして東京までを共にする12両編成が出来上がる。


〔はやぶさ〕を〔富士〕に連結中!

両雄揃ったところで今日の編成を見てみよう。熊本から〔はやぶさ〕牽引してきた電気機関車 ED76 90号機も御役御免で、電気機関車 EF81 411号機に付け替えられている。上り列車は先頭から12号車、11号車の順で、一番後ろが1号車である。

【門司-下関間を牽引】
電気機関車 EF81 411号機
【12~7号車は〔はやぶさ〕熊本発】
12号車 B寝台(客車二段式) スハネフ14-3
11号車 B寝台(客車二段式) オハネ15-1
10号車 B寝台(客車二段式) オハネ15-3
9号車 B寝台一人用個室(ソロ) オハネ15-2002
8号車 A寝台一人用個室(シングルデラックス) オロネ15-3005
7号車 B寝台(客車二段式) スハネフ15-21
【6~1号車は〔富士〕大分発】
6号車 B寝台(客車二段式) スハネフ14-11
5号車 B寝台(客車二段式) オハネ15-2
4号車 B寝台(客車二段式) オハネ15-1201
3号車 B寝台一人用個室(ソロ) オハネ15-2003
2号車 A寝台一人用個室(シングルデラックス) オロネ15-3006
1号車 B寝台(客車二段式) スハネフ15-20



門司19時15分発。すぐに関門隧道に入る。海底トンネルを抜け、九州・福岡県から本州・山口県に入り、下関に到着する。再び機関車の付け替えで、プラットフォームは賑っている。下関より終点東京まで牽引するのはEF66 47号機。下関よりJR九州管内からJR西日本管内となる。交代した車掌さんもEF66と同じく終点の東京まで行く。


博多鉄道構内営業(寿軒) 三色弁当(1,050円) 博多駅
※画像をクリックすると大きなサイズで表示します。

さて、門司で買ったビールを開け、博多で買った駅弁を開く。三段重ねになっているのだが、なんと飯ばかりである。箸が二膳入っており、一人で食べる弁当ではないようだ。博多駅の弁当売り場のおばちゃんの勧められるままに買ったのだが、なぜ一人でいた自分にこの弁当を勧めてきたのか。ビールのあてなるような弁当がよかったのに。一段を後に残そうかと思ったが、暖房の効いた車内で悪くなってもいけないので、結局全部食べた。味は良いのだが、いささか多すぎる。

列車は山口県内の山陽本線を東に走ってゆく。夜も更けてきて、本日最後のおやすみの放送が流れる。明日の放送は浜松到着の前という。車内は減灯されて、少し暗くなる。そろそろ寝ようかというところだが、これから走るところはまさにホームなので、まだ寝る訳にはいかない。柳井を出て、大島大橋の下をくぐり、岩国市内を走る。もうブルートレインに乗って市内を走ることは二度とあるまい。真っ暗な岩国に到着する。


岩国到着!

岩国を出て、小瀬川橋梁を渡り、山口県から広島県に入る。玖波を通過し、海沿いに出る。後方の車窓に岩国・和木・大竹の夜景が見える。広島方からの帰途でこの景色が見えたら、岩国に帰ってきたなと感じる。しかし今日は遠ざかっている。大野浦の手前で見えなくなった。太田川放水路などの川を渡って、広島に到着する。駅には列車を撮影しようとする人の姿も見える。九州以来となる、まとまった数のお客が乗ってきた。広島を出るとセノハチの登りにかかるが、そろそろ就寝しよう。 (つづく)


広島到着!
いずれも平成21年2月17日撮影