旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

台湾日記 自強號

2005-07-31 14:00:20 | 台湾日記

自強號車票

自強號は快調に走り、最初の停車駅の台南に停車。駅本屋と改札口に接した月台である。日本の命名法なら1番線である。乗降客も多い。西洋人も1人乗ってくる。台湾においては自分も外国人であるが、西洋人を見るとやはり外国人と思ってしまう。11時28分発。昨日は通路側の席から縦貫線の東側の車窓を苦労して眺めていたが、田畑があっても建物ばかりが多い印象だった。今日、縦貫線の西側の車窓を窓側の席から眺めれば、田畑ばかりの長閑な風景である。筑後平野でも走っている気がするが、椰子の木が台湾であることを主張する。高鐡の高架線が見える。そこには試運転をする700T系がいるではないか。E4系のように先頭車両同士が連結しているようにも見える。走っているのか止まっているのか、よく判らないが、初めて車両を目にすることが出来た。

女性の客室乗務員、服務小姐というべきだろうが、ワゴンに便當の入った段ボールを載せて販売している。昼飯を食い損ねても難儀である。直ちに購入と思うが、言葉が出てこない。とりあえず、Excuse me! と声を掛ける。隣の席の腕にTattoのにいちゃんが、ビクッとして驚く。隣の席に座って外の景色ばかり眺めているのが(私)、外国人だとは思っていなかっただろう。ただ、この外国人、英語が不得意である。80 dollars というのを聞き取るのがやっとである。やはりビールは売っていないようだ。ホテルでもらった水があるので、飲み物は買わなかった。

宮脇俊三先生の『台湾鉄路千公里』によると、服務小姐はオシボリを配ったり、薬缶を提げてきて、お茶のサービスをしていたとの記述があるが、25年後の今はそのサービスは無いらしい。お茶のガラスコップが備えてあった箇所には、私が高雄で買ってきた珈琲が納まっている。飲み物はそれで良いが、便當を置くべきテーブルがない。右手に箸、左手に便當箱。食べ始めたら食べ終えるまで手が離せない。水を飲むには箸をご飯の上に置いて、空いた右手だけでペットボトルを取り、蓋を開け、飲んだら閉めて元に戻し、箸を持って食べつづけなければならない。何故、席にテーブルが無いのだろう。便當は高雄で調整したもので、排骨が鶏で煮玉子がついている他は昨日の便當と同様だが、排骨は昨日の牛の方が旨かった。煮卵は良かったが、これ1個で20元も高いのだろうか。次の停車駅新營を11時52分に発車。食べ終わった頃に嘉義に到着した。先ほどの西洋人も後で服務小姐から何やらお求めのようだったが、便當を買ったのか、飲み物を買ったのか。車内で出た屑物を集めるもの服務小姐。弁当殻、珈琲の紙カップを「謝謝」と言って渡し、スッキリとした。腕にTattoのにいちゃんも車内では何も買っていないが、「謝謝」と言ってゴミを出す。日本でこういう時に「すみません」とか言ってゴミを渡しているが、「ありがとう(ございます)」と言うべきだろう。無言でゴミを渡すなぞ、もってのほかである。

阿里山線の発車時刻は13時30分。結局、阿里山線の車両は見られないまま嘉義を12時10分発。斗六12時30分発。集集線の二水は通過。員林12時53分発。そして彰化に到着する。この先、竹南までの区間は海線、山線の2つの経路に分かれる。昨日は海線の列車に乗ったが、今日の自強號は山線経由である。13時06分、彰化を発車。しばらく海線と平走し、大肚渓の橋梁を渡り、線路は左右に別れる。山線は右を行く。別れた左のほうから単線が近づいてきて山線に合流する。。海線の追分と山線の成功を結ぶ短絡線で、竹南から海線を走り、追分からこの短絡線を経由して台中へ行く電車など運転されている。

高鐡の高架線が見えてきて、その交差部分に高鐡(新幹線)、台鐡(在来線)ともに新駅が建設中である。工事の進捗具合は今年の秋に開業するようには見えない。新しい台中のターミナルをすぎ、台中へ到着した。台中は台北、高雄につぐ、台湾第3の都市で、台湾中部で最大の都市である。そう思って車窓を見ていたのだが、駅前の大きなビルが火事で焼けている。帰国後に調べてみると今年2月に「金沙大樓18層發生火災」との新聞記事がある。被害は甚大だったようだ。ご冥福をお祈りする。焼けたビルに驚かされたが、車窓から見る台中の街は大変活気があるように思える。他の台湾の都市もそうだが。台中13時23分発。次の豊原を13時35分に発車。豊原というと樺太を思い出す。こちらは Fongyuan だが。

車窓も山間部の雰囲気となってきた。しかし新線を建設したようで線形はよい。これまで記憶に無かったトンネルも走る。高原のようなところもあり、南国の台湾とは思えない。街が現れれば街並みはやはり台湾である。苗栗14時04分発。山間部より下ってきて、中港溪を渡ると海線と合流して竹南を通過し、新竹に到着。西洋人も降りる。新竹は台湾のシリコンバレーといわれるので、その関連の人かとも思うが、イメージだけで何ら根拠は無い。新竹14時30分発。

海線でなくても車窓に台湾海峡の青い海が見える。もちろん大陸までは見えない。強い日が射すようになり、寝ている腕にTattoのにいちゃんにはいい迷惑だろうが、こちらは車窓を見るためだけに自強號に乗っているのである。カーテンは全開で頑張る。平走する道路。あちらを車で走ってみたいが、台湾では国際運転免許証は使えない。台湾に住んで台湾の免許を取るしかないのか。ちなみに台湾の国道標識にもおむすびがみられた。中壢(中レキ、土編に歴)15時00分発。桃園で隣のにいちゃんは降りた。直ちに「自願無座」に客が座ってくる。台北近郊となり、混み合ってきた。 (つづく)

台湾日記 高雄車站

2005-07-30 10:00:32 | 台湾日記

高雄願景館[高雄舊站](高雄市)
民國94年7月16日撮影
Former Kaohsiung Train Station,Kaohsiung, Taiwan
Saturday, 16th July 2005


撮影だけした旧駅舎だが、今は高雄願景館という。昭和15年(1940)に建築されたこの駅舎、民國91年(2002)8月に、もとの位置から82.6m移動させられている。平成16年(2004)に行われた関西本線奈良駅の旧駅舎は18mの移動だったから、その移動距離は大きい。ちなみに奈良の旧駅舎は昭和9年(1934)建築。

10時55分の発車時刻まで30分を切っていた。新駅舎の2階へ上がる。そしてトイレに駆け込む。日本同様、紙の自動販売機があったが小銭が無い。手持ちのポケットティッシュを使う。参考までに和式で、タンクからは紐が下がっており、これを引くと水が流れる仕組み。すっきりしたところで何かのみたい。スターバックスがあるのでアイスコーヒーでも買って列車に乗ろうと思う。メニューが英文と中文なのでよく判らない。適当に注文する。90元(約325円)と、ちと高い。ミルクを入れようと蓋を取ると、中にミルクアイスのようなものが入っている。ミルクにミルクを足してしまった。ある意味牛乳大王である。もう発車まで10分もない。昨日買っておいた切符で同じく2階にある改札を通る。改札、誇線橋ともに混んでいて焦る。階段を月台(プラットフォーム)に降りる。自強號1016次高雄発花蓮行山線経由はすでに入線していた。昨日乗った莒光號(キョ光號、草冠に呂)は写真を撮りそこなったので、今日はしっかり撮って列車に乗りこんだ。


縦貫線 自強號 1016次 (高雄) 民國94年7月16日撮影
Kaohsiung, Taiwan, Saturday, 16th July 2005


自分の席に行くと、窗側の席だった。高雄駅の窓口氏に感謝する。隣の通路側の席には若いにいちゃんが座っている。腕にTatto(西洋人のする彫り物)をしている。貼っているのか、彫っているのか。どちらでもあまり愉快ではない。席は進行方向に左、北行なので窓からは日が射すであろう。まぶしい、カーテンを閉めろ、と言いそうである。しかも中国語で。しかし今は日が射さないので、カーテンは開けておく。

10時55分高雄発。自強號は電車ではなく、フランスのTGVと同じく電気機関車によるプッシュプル(先頭と最後尾に機関車が付き、間に客車を挟んだ編成)である。しかし電車のような乗り心地で、車体にモーターがないので、サハ(電車の編成でモーターのない普通車車両)のような感じだ。(電車=TRAINと誤認している人は、認識を改めないと意味不明であろう)

愛河を渡り、加速して行く。すぐに左營を通過すると、工事中の高鐡左營を通過する。莒光號と比べて随分早い。さすが台鐡の誇る自強號である。自強號が特急、莒光號が急行といった印象。スターバックスで購入した飲み物を車窓を見ながら飲む。冷たくて甘くて実に旨い。先程まで腹痛を堪えて高雄市内を歩いていたのを忘れてしまう。 (つづく)

台湾日記 高雄散策

2005-07-29 11:00:49 | 台湾日記

高雄市立歴史博物館(高雄市)
民國94年7月16日撮影
KAOHSIUNG MUSEUM OF HISTORY
Kaohsiung, Taiwan, Saturday, 16th July 2005


民國94年7月16日星期六(土曜日)。空調の効いた部屋で大きな寝台に寝ているからか、よく眠れた。宿泊料金は安い文句無い。朝食券を持って1階フロント横の喫茶室へ。「早」と挨拶される。日本語の話せるおばちゃんから「おはようございます」と挨拶され、朝食は西洋式か、中国式か聞かれる。西洋式を頼むと、トースト、ソーセージ、サラダ、フルーツ、ジュースが運ばれてきた。味は普通だが、コーヒーは無い。出張らしき宿泊客、家族連れなど、次々と喫茶室にやってくる。「シー」とか聞こえたので西洋式を頼んでいるのだろう。「謝謝」といって席を立つ。「ありがとうございました」と日本語が返ってきたので、「ごちそうさまでした」と答える。結局、日本語スタッフはこのおばちゃんしか見なかった。

ここのホテルの部屋にも無料のミネラルウォーターのペットボトル(600ml)があり、有り難く頂戴してチェックアウトする。到頭冷蔵庫は冷えなかったので常温のままである。ホテルを出ると今日も暑い。毎日暑い。朝食営業をする飲食店。ホテルの朝食付きもお値打ちでよいが、こういった店で地元の人に交じって朝飯を食べてみたかった。中山一路を南下、ロータリーとなった交差点で中正四路を西へしばらく歩く。愛河に架かる中正大橋。釧路の幣舞橋や、新潟の万代橋を思い出す。


中正大橋(高雄市) 民國94年7月16日撮影
Chung Cheng Bridge, Kaohsiung, Taiwan
Saturday, 16th July 2005


橋を渡った愛河の右岸はかつての高雄の中心部で、昭和13年(1938)に建築された旧高雄市役所がある。民國34年(1945)からは高雄市政府として使われていたが、市政府の移転後、民國87年(1998)に高雄市立歴史博物館として正式開館している。時間がないので写真だけ撮る。中正大橋を渡り、左岸を川下へ歩く。この付近での釣りは禁止との表示があるが、一人釣り人がいる。何が釣れるのだろうか。川岸はきれいに整備されている。途中、川岸が客席となったレストランがあり、愛河を見ながら食事か楽しめるようになっている。川岸から道路へ戻り、河東路を渡ったところに高雄國賓大飯店がある。この辺り洒落ていて別世界である。

民生西路を東へ歩く。高級ホテルの近くだからか、日本語の看板を掲げた飲食店も見られる。どうもお腹が痛くなってきた。何か悪いものを食べたろうか。暑さと痛みで苦しい。タクシーを捕まえて駅まで行こうかと思うが、近距離なので利用しづらい。道路を渡ろうと右を見て左を見た瞬間、目の前をスクーターが通りすぎる。危うく接触するところだった。右見て左見ては習慣だから、右側通行と頭で判っていても直らない。スクーターも歩行者を優先される気なぞ無い。ぼやぼやして道路の横断は出来ない。この後は「渡るよお、渡るよお」と言いながら、車両を威嚇しながら横断するようになった。気が休まらない。

高雄牛乳大王がある。最初、その店名の聞いた時のインパクトは大きかった。高雄に行く時には必ず行こうと思った店である。今、目の前にその店がある。しかし今のお腹の具合で牛乳製品は無理である。残念ながら高雄牛乳大王は次回の高雄訪問までお預けである。ちなみに高尾牛乳大王は木瓜牛乳(パパイヤミルク)が有名で、サンドイッチなどの軽食を供するファストフード店である。店内には新聞を読みながら朝食をする客の姿が見えた。

無念だが高雄車站へ急ぐ。列車の発車時刻も迫る。お腹の痛みも待った無しである。中山一路に戻り、北上する。まだ1km強の距離がある。ロータリーのところまで戻る。ぐるりと遠回りさせれらるのが辛い。中山一路を挟んで反対側に宿泊していた凱得來大飯店が見える。駅まであと5分くらいか。道の反対側でなければ駆け込んだであろう。運河に架かる橋を初めて日中に渡る。高瀬川を少し広くしたくらいだが、こちらは決してきれいではない。ようやく高雄車站が見えた。お腹は痛いが、新旧の高雄車站の駅舎を撮影して、新駅舎に急いだ。 (つづく)

台湾日記 高雄で一杯

2005-07-28 10:00:55 | 台湾日記

麒麟一番搾啤酒(台灣麒麟啤酒股份有限公司

7-ELEVENは駅の中だけでなく、市中には勿論一般の店舗もある。ホテルへ戻る前に立ち寄り、麒麟一番搾(58元)と北海鱈魚香絲(20元)を買う。一番搾りは日本で醸造したもので、台湾向けの表示がある。鱈のおつまみは台湾製であった。ちなみに台湾では一番搾りの宣伝を一青窈さんがしている。

ホテルのフロントで鍵を貰おうとするが、部屋番号を覚えていない。飲み物のサービス券に部屋番号があったはずなので、それをフロントの女性に見せて鍵を貰おうとするが、今からサービス券を使うのだと思って喫茶室に招じ入れようとする。先に部屋に戻って冷蔵庫にビールを入れたいのだと言いたいのだが、英語でも中国語でも説明できない。意思が伝わらないまま失礼して、部屋にビールをしまって喫茶室に戻る。今度はおばちゃんが応対し、ジュースを出してくれた。この人は日本語が話せる。早くシャワーを浴びてビールがのみたいが、折角なのでここでくつろぐ。飲み終えるとおばちゃんはいなかったので、フロントの女性に「謝謝」と声を掛ける。「没関係」と返ってきた。ようやく会話らしくなった。

部屋に戻りシャワーで汗を流す。ビールを取り出すと、冷蔵庫が冷えていない事に気付く。電源は入れたつもりだが。壊れているのだろうか。しかしまだビールは冷えている。急いで飲み始める。日本のビールだから日本の味だが、鱈のおつまみも日本の味がする。このホテルのテレビはNHKが映らない。台湾の放送を見てみる。棒球(野球)をやっている。そして日本のアニメもやっている。新500元、新1000元札が発行のCMをやっている。私にとっては新台幣を手にして2日目だから、全てが新札である。100元札と1000元札しか目にしてないけど。さて、もう寝る事にする。夜も更けて交通量も減ったのか、心配していた往来の騒音も気にせずに眠る事ができた。 (つづく)

台湾日記 高雄で一泊

2005-07-27 10:00:23 | 台湾日記

凱得來大飯店(高雄市) 民國94年7月15日撮影
Kind Business Hotel, Kaohsiung, Taiwan
Friday, 15th July 2005


今夜の宿は予約していない。ガイドブックに載っているホテルのひとつへ電話してみる。公共電話は初めてである。小銭を適当に入れる。電話はつながったが、日本語はできないという。ガイドブックには日本語スタッフがいると書いてあるのに。それなら英語で話そうかと思ったが、私の英語力が相当退化しており、要領を得ないまま通話時間が無くなり、電話は切れてしまった。もう面倒くさい。直接ホテルへ行くまでである。地図に場所も載っている。

高雄の駅舎を出ると蒸し暑さが襲ってくる。駅前には美味しそうな洋菓子をショーケースに入れた洒落たカフェもある。若者向けの洋品店も何軒かある。運河に架かる橋の上に乞食が倒れている。正確には倒れた姿勢で物乞いをしている。ところ変われば物乞いのやり方も違う。前を行く人が皿に小銭を入れて行く。ここの乞食は寒さに凍えることは無かろうが、暑さにやられてしまいそうだ。

先程、電話で予約できなかった(日本語でね)ホテルはすぐに見つかった。ロビーに入るとフロントの女性が先客に応対している。電話に出たのはこの人だろうか。私の番になったので、一応英語で今夜部屋はあるか聞いてみる。こちらの英語が怪しいので筆談を交えてもらって、一部屋確保する事が出来た。料金は980元(約3,538円)である。随分安いのでシャワーはあるのかと聞いてしまったが、むろんバス・トイレ付きである。おまけに夜は飲み物が一杯、朝食もサービスだという。部屋の鍵とテレビのリモコンをもらい、エレベーターで部屋へ。エレベーター内には高雄の六合夜市の案内がある。部屋は広く清潔だった。寝台はダブルである。バス・トイレ広く清潔である。この部屋が980元とは。日本のホテルが料金に対して狭いのだろうか。これなら高雄にもう1泊して鵝鑾鼻まで足を延ばしてもよかった。如何せん格安航空券なので変更は出来ないのだが。値段の割にいいホテルだが、窓から往来を行く車の騒音が聞こえる。窓の無いホテルは静けさを提供する為のものだったのか。テレビをつけると今日も「ドラえもん」「忍者ハットリくん」をやっている。

さて、今日の莒光號(キョ光號、草冠に呂)の混み具合からして、明日の切符は今のうちに買っておいた方がよさそうだ。台北へ戻るまでに途中の街に立ち寄ろうかと考えていたが、席が確保できなかったら大変である。まっすぐ台北に戻る事にする。ホテルを出て、駅へ向かう。先ほどの乞食は橋の欄干を背もたれにして普通に座っている。駅の切符売り場は当日、前売と別れていて、どちらも混んでいる。前売の窓口は銀行のように整理券を引いて、順番になると呼び出される仕組み。待ち時間に紙に希望する列車、区間などを書いておく。今度は忘れないように窗側と書いておく。

切符売り場の向かいに7-ELEVENがある。駅の中の売店から小さなコンビニまで、まるでキヨスクのようだ。店頭には関東煮(かんとだき)がある。台湾に残った日本料理として関東煮(関東でいう「おでん」)がある、と聞いていたが、いくら7-ELEVENだからって、この暑い高雄で食べる人がいるのかと思っていたら、関東煮を食べている男女がいた。寒い時期に酒でも飲みながらというものではなく、おやつのような感じだ。台湾ならではの種もある。駅構内には回転寿司もあって、日本料理は愛されているようだ。切符購入の番になり、事細かに紙に書いておいたおかげで、すぐに切符は買えた。券面を見る限りでは判らないが、窗側の席にしてくれたのだろう。自強號車票(高雄→臺北)は845元(約3,050円)。

切符も買えたので、晩飯にしようと思う。夜市に行ってもよいが、ガイドブックには「しっかり加熱したものを」とあり、身構えてしまう。屋台はやめてホテルの近くの軽食堂に入った。食券を買うようだが、若い女性店員には日本語は通じない。メニューはレジの後に掲げられており、指差す事が出来ない。店員が恐る恐る私を見ている。メニューの漢字を読むしかない。牛肉麵(麺)でも食べようと思ったが、早く注文してあげなきゃと思うから見つからない。無い訳は無いのに。牛肉の文字があったので、意を決して棒読みで読み上げる。「ニューローチャージャンメン」。注文は通った。レシートを見ると、牛肉炸醤麵 $65 とある。席についたが水は出ない。コーラなどあるが、また食券を買うのも一苦労なのでやめる。運ばれてきた牛肉炸醤麵。麺は細いうどんのよう。日本でいう中華麺ではない。炸醤はそんなに好きな味ではない。だから牛肉麵を頼めばよかったのだ。まあこれも台湾の味だろうと平らげる。「謝謝」といって店を出たが、件の女性店員はまだ恐れているのか返事は返ってこなかった。 (つづく)