花輪線 快速〔八幡平〕 3930D列車 キハ58-739 (大館)
改札が始まったので入場する。幾人か改札口を通ったが、そのほとんどが特急利用者である。花輪線のりばへ向かう人は殆どいない。始発駅大館で出発を待つ快速〔八幡平〕に乗りこむ。おおっ!今どき冷房がない。天井には扇風機があるのみである。直ちに着ている服を生地が薄い物に着替える。人目も憚らずではなく、人目につかないのである。乗っている車両には誰もいないし、プラットフォームにも誰もいない。しかしこうゆう汽車はいいね。気動車だけど。ハコ(客車)みたいだ。
冷房なし!扇風機のみ! (キハ58-739)
青森発秋田行の特急〔かもしか2号〕が発車していった。どれだけ乗り換えがあるのか知らないが、接続はしている。快速〔八幡平〕は若干の乗客を乗せて、大館を11時06分発車した。奥羽本線を跨いでゆく。車窓には田んぼ。窓から入る風。これは気持ちいい。
窓は全開! (大館-東大館)
最初の停車駅の東大館は街の中心に近い。しかし乗ってくる客は少ない。放送で車掌が窓から顔を出すなと注意するのではなく、窓から木の枝が入ってくるから注意するよう促している。なるほど、線路脇の木の枝が車体を叩いている。保線区は何をしているのかと思うが、ローカル線では仕方がないのかも知れない。少し涼しすぎるようでもあるので、窓全開はやめ、下の方を少しだけ空けておく。停車駅では僅かな客を乗せて行く。
十和田南11時38分着。背広の一団、といっても4,5人が乗ってきた。この位の人数でも空いているから、随分増えたような気がする。聞こえてくる話では、普段は車なのだが、今日はたまたま鉄道のようだ。単線非電化の花輪線には、平行するように東北自動車道が走っているのだから、勝負にはならない。自分も青森-盛岡間で高速バスを利用したことがあるが、安くて早くて良かった。列車は進行方向を変え、11時42分に十和田南発。
鹿角花輪で下り列車と交換。比較的大きな駅である。正午近くになったので、大館で購入した
花善さんの鶏めしに箸をつける。旨そうな弁当なのだが、昨夜から奥歯の感覚がおかしいのと、朝飯をしっかり食べていて空腹ではない事もあって、心底味わえてない気がする。美味しく食べるには健康状態は大事である。列車は長閑な山間を走り、秋田県から岩手県に入った。線路は高原から下り、平地を走っている。乗ってくる客も増えてきた。やがて複線電化の
IGRいわて銀河鉄道線が見えてきて、好摩に到着。花輪線の旅が終わった。
列車は
IGRいわて銀河鉄道線(長い!以下IGRと略す)に乗り入れ、盛岡まで行く。東北新幹線盛岡-八戸間開業以前の
東日本旅客鉄道東北本線である。すっかり盛岡近郊列車となり、乗客は更に増えてきた。大館から1人で占有していたボックスにも1人、若い女の子が座ってきた。途中駅の駅名標がJRからIGRの物に変わっている。第3セクターになってからは、寝台特急〔北斗星〕で夜間に通過しただけなので、昼間の列車でここを通るのは初めてである。線路も立派で長大な貨物列車も走り、あまり変わってないようにも見える。特急〔はつかり〕がいないのは大きいが。
盛岡13時29分着。端っこのプラットフォームに入る。改札はIGR専用である。直接、JR線に乗り換えられない。青春18きっぷではIGR線は乗れないから、精算という事になるが、
北海道&東日本パス(普通列車限定)はIGR線でも利用出来るのである。乗り換えがよく判らないので、一旦駅舎から出る。盛岡冷麺のお店はすぐそこである。今は満腹で何も食べられない。盛岡で一泊すれば、夕食に冷麺でもよいが、まだ日は高い。再び駅舎に入ると、JRの自動改札機に
北海道&東日本パス(普通列車限定)を投入した。 (つづく)