國立嘉義高級商業職業學校 (臺灣省嘉義市東區中山路)
嘉義市内を歩いていると、ある学校の前に映画『KANO』のこんな看板が掲げられている。
台湾野球榮光の源 嘉義農林學校の昔の場所
木に隠れて見えないところは推測だが、通りを渡って確認してくる程でもあるまい。映画の舞台の街なんだなと思う。今は別の学校が建っている。嘉義農林は今どうなっているのかと思えば、何と國立嘉義大學に昇格していた。現在の所在地は確認していない。
嘉義舊監獄(獄政博物館) (臺灣省嘉義市東區維新路)
昔の監獄が博物館となっている。
脱獄囚が壁に!
大正12年に建てられた監獄は、國定古蹟に指定されている。すでに監獄としては移転して閉鎖されている。脱獄囚がまた一人。
踏切があった!
踏切は台湾では平交道という。阿里山森林鐵路の線路で、旅客列車が平日一往復、土曜休日に二往復だけのようだが、踏切はちゃんとしている。
北門、嘉義方を望む!
奮起湖、阿里山、沼平方を望む!
災害のため列車は奮起湖止まりで、阿里山まで行かれない。バス等で行く事は出来る。阿里山駅付近の御来光を見るための列車などは運転されているようだ。
阿里山森林鐵路の軌間は762mm!
枕木は狭軌(1,067mm)用なのか、長さを持て余しているように見える。さて、踏切は渡らずに、近くにある北門駅を目指す。線路沿いに道がない。線路を歩いてゆくのはもちろん御法度である。付近の道へ迂回する。
北門駅が見えてきた!
阿里山森林鐵路 阿里山線 北門車站 (臺灣省嘉義市東區共和路)
明治43年開業の北門驛。嘉義市定古蹟となっている。
列車には乗らないけど駅舎の中へ!
出札口
改札口
民國87年(1998)に火災にあい、40%が焼失したそう。修復したせいか、あまり古い建物といった感じはしない。
民國102年(2013)に黒部峡谷鉄道(富山県)と姉妹鉄道に!
黒部峡谷鉄道の軌間も762mmの軽便鉄道である。なお、以前より大井川鐵道(静岡県)とも姉妹鉄道になっている。そちらの軌間は1,067mmの狭軌。
線路側より駅舎を見てみる!
構内の様子!
展示されている客車!
海抜31公尺(メートル)
世界に誇る登山鉄道。阿里山まで復旧して列車が走るようになったら乗りに来たい。
駅頭の様子!
駅前の通りには観光地らしい土産物・飲食店が軒を連ねる!
檜意森活村 Hinoki Village (臺灣省嘉義市林森東路)
北門駅のすぐ近くには、かつての官舎などの日本建築群を修復したエリア、檜意森活村がある。この内の一棟は映画『KANO』で近藤監督の家としてロケが行われ、「KANO故事館 近藤教練宿舎」として公開されている。映画について詳しくは公式サイトをご覧下さい。
映画『KANO 1931海の向こうの甲子園』公式サイト
映画で登場する選手の名前の貼られた下駄箱!
靴を脱いでお宅に上がりましょう。
玄関のたたきにはホームプレートが!
室内の様子!
映画で見たよりも狭い印象。実際に狭い官舎に所狭しと展示物が置かれ、多くの人が訪れているので仕方がない。映画で永瀬正敏さん演じる近藤監督と、坂井真紀さん演じる奥様が、ここで将棋を指している場面があった。監督は隣室で書き物をしており、盤面は見ておらず、幼い娘さんがそれぞれの部屋を行き来して差し手を伝えているのだが、台湾の子役さんが演じているらしく、少し日本語がたどたどしいのがかえってよかった。台湾の映画なのに台詞のほとんどが日本語で、日本人以外の役者さんも日本語の台詞。自分は映画館で見ていて楽だったが、台湾人の皆さんは字幕を追いながらご覧になっていたのかと思う。おかげで昭和初期の台湾の様子を映像で垣間見られたような気がする。将棋に負けた奥様が縁側に腰掛けてお茶を飲んでいる場面が印象に残っている。
縁側に腰掛け、外を見る!(硝子戸越しですが…)
冷房が効いていて戸はぴしゃりと閉められており、建物内飲食禁止でお茶も飲めないけど、座った高さからのお庭の眺めでも。
数々の展示物!
入場料は30元
他の建物も見てみる!
北門驛もそうだったが、檜を使った木造建築。嘉義は阿里山の檜の集積地だったそう。KANO故事館や博物館を除き無料で中に入れるそうである。今日は外観を見るに留める。
日本時代のものを大切にされている台湾の方々に本当に頭が下がる。
檜意森活村をあとにする!
喫茶店になっている建物もあって、コーヒーの一杯でも飲んでいけばいいのだが、このあと嘉義で是非とも食べたかった料理で昼食を。
嘉義中央噴水圓環 (臺灣省嘉義市西區中山路)
中山路にあるロータリーにやってきた。中央は噴水になっている。
嘉農で活躍した呉明捷投手の像が!
噴水雞肉飯 (臺灣省嘉義市西區中山路)
その噴水のあるロータリーの近くにあるのがこのお店。嘉義に来たらここの雞肉飯(鶏肉飯)が食べたかったのだ。ちなみに雞肉(鶏肉)とあるが、七面鳥(ターキー)なんだそう。
雞肉飯(45元)
裂いたターキーがご飯に載っている。あっさりした肉にタレがいい感じで美味しい。沢庵が一切れ添えられているのがよい。
燙青菜(30元)
ニンニクたっぷりの青菜。味は薄味である。
台湾啤酒 金牌(35元) ※7-ELEVENで購入
いずれも中華民國104年7月25日撮影
ビールは持ち込みです。暑い中、歩き回ったので余計にビールが旨い。台湾の気候の中で飲んだ方が、台湾啤酒も旨い気がする。ここは人気店とあって混み合っていたので、サッと食べて出てきたけど、つまみによさそうなメニューも多数あった。
臺灣鐵路管理局 縱貫線 嘉義車站 (臺灣省嘉義市西區中山路)
嘉義駅に帰ってきた。駅前の地下道で通りを渡る。
嘉義舊監獄
地下道の通路には嘉義の名所のパネルが。監獄は大正8年に建設が始まったそう。完成が同12年。見学も出来る。
阿里山鐵路北門驛
「全部使用阿里山檜木爲建材興建…」
臺灣鐵路管理局 縱貫線 嘉義後站 (臺灣省嘉義市西區中興路)
跨線橋を渡って表口と反対側にある後站へ。
嘉義後站の駅頭の様子!
嘉義轉運站
バスターミナルとなっている。鉄道駅とバスターミナルの待合室は兼用となっており、売店なども充実していてよい。鉄道駅らしく便當(弁当)売場もあって、鉄道やバス車内ではなく、待合室で食べている人も見られる。後日見た某バス旅の映画でも、ここを利用していたな。
電腦自動存物箱
コインロッカーです。使い方は漢字を見て何となくわかるが…
操作に問題はなかったと思うが、扉が開かない。追加料金が必要なのかと思って20元入れてみるが、新たに荷物を預けた事になっている。再び取り出す操作をするが、扉が開かない。管轄外かも知れないが、駅の案内所にいたお姉さんに助けを求めると、扉は開いた。開け方が悪かったのだろうか。
6月末より利用エリアの拡大した電子票證(IC乗車券)の案内が!
電子票證乘車業務を参照。ただし中文(中国語)のみ。
だから、このイラストは…
臺灣鐵路管理局 縱貫線 區間車 3173次 [EMU500型車両] (嘉義)
後站より悠遊卡で入場して月台(プラットフォーム)へ。
嘉義鐵道藝術村?
鉄道芸術の文字に目を惹かれるが、鉄道の倉庫を利用した芸術作品の展示施設で、鉄道趣味とは関係ないようである。嘉義始発屏東行の區間車で出発。乗った1両には他にだれもおらず、貸切で寛ぐ。知らぬ間に北回帰線を越えてしまう。線路沿いにはその公園もあるそうだが、見逃してた。暫し列車に揺られ、隆田という駅で下車する。
臺灣鐵路管理局 縱貫線 區間車 3173次 [EMU500型車両] (隆田)
區間車で隆田站到了
縱貫線 區間車 3173次 嘉義(13:45)→隆田(14:19) 45EM552
◆票價52元(電子票證票價47元?)
售票口(出札口)に剪票口(改札口)
候車室(待合室)
臺灣鐵路管理局 縱貫線 隆田車站 (台南市官田區隆田里中山路)
駅頭の様子!
隆田からは烏山頭水庫(ダム)に行くのかといえばさにあらず。烏山頭水庫は昭和5年竣工の灌漑用水、嘉南大圳の水源であり、当時は東南アジア最大のダムだったという。設計した石川県出身の技師、八田與一氏の像や、記念公園があるそうで、是非とも行って見たいところであるが、今日は行かない。ちなみに映画『KANO』にも嘉南大圳の話は出てくる。
バス停を見つける
ここから出るバスで烏山頭水庫に行けるようだが、今日は反対方向に向かう。
次の発車は14時55分!
隆田は以前は蕃仔田といい、社線の軽便鉄道が走っていた。今はもうないが、昭和14年11月に台湾を訪れた内田百先生は、蕃仔田で社線に乗り換えて蔴荳にある明治製糖(平成8年に大日本精糖と合併、現在は大日本明治製糖)の本社へ向かっている。砂糖を運んだ軽便はなくなったが、バスに乗って麻豆に向かおうと思う。バスを待つ間、暑いので何か冷たいものをとコンビニエンスストアに入る。
Fami霜淇淋 北海道哈密瓜(35元)
店内に入るとソフトクリームを買っている客を見掛ける。見回せば飲食する席も設けられている。これはいいとソフトクリームを注文。北海道ハミウリとは何ぞや。見本の写真からして夕張メロンと思われる。
Let's café 美式咖啡 冷飲 中杯(35元)
アイスコーヒーも注文。冷房のよく効いた室内で夕張メロンソフトにアイスコーヒー。実に旨い。極楽である。店員の若いお姉ちゃんは日本語しか話せない客に戸惑っていたが、もう一人いた兄ちゃんがソフトクリームをこしらえ、アイスコーヒーを淹れてくれた。満足して店を出る。
全家 官田隆田店 (台南市官田區隆田里中山路)
いずれも中華民國104年7月25日撮影
駅前には西瓜汁など売るジュースのお店もあり、そちらの方が台湾らしい気もするが、涼しいコンビニエンスストアの魅力には勝てなかった。 (つづく)