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山田線 快速〔リアス〕 3625D列車 キハ52-110 (盛岡)
盛岡駅では何度も新幹線と在来線の乗り換えをしており、東北では比較的馴染みのある駅だ。東北新幹線の八戸延伸で利用機会は激減するだろう。新幹線〔はやて〕で八戸-上野間に乗車したのは、まだ一度だけだが。さて、今夜の宿は決めていないけれど、これから陸中海岸方面に行ってみることにする。プラットフォームには、すでに山田線の宮古行快速〔リアス〕は入線していた。いくらか席は埋まっていたが、良い具合にボックス席が空いているので腰掛ける。
山田線は盛岡-宮古-陸中山田-釜石と結ぶ路線であるが、盛岡-釜石間では東北本線・釜石線経由の方が営業キロも短く、山田線で盛岡-釜石間を直通する定期列車は走っていない。盛岡-宮古間については路線バス(岩手県北自動車〔106急行〕)の方が圧倒的に運転本数が多く、鉄道の利用者は少ないそうである。盛岡-宮古間の定期列車は1日4往復。宮古行の盛岡発車は快速列車が10時48分と13時46分。普通列車が16時30分と19時13分で、それで終わりである。区間列車も僅かにあるのみ。一方のバスは24往復の運転である。普通運賃は鉄道が1,890円、バスは1,920円(一部の特急便は料金200円が必要)となっている。
快速〔リアス〕は満席にならないまま、盛岡を13時46分発車。次の停車駅、上盛岡から男性が乗ってきて私の座っているボックス席の向かいに座った。やってきた車掌から切符を買っている。山田線の車両も古く、冷房は無い。涼しすぎるくらいなので冷房は要らない。かるく暖房が入っていたような気がする。窓は閉めた。盛岡近郊の駅で生徒さんが降りてゆく。向かいの席の男性は他のボックス席に移動した。再び一桝(?)独占である。近くの席のオバハンは靴を脱いで、脚を向うの席に伸ばしている。これが列車での正しい寛ぎ方である。バスではこれは出来まい。
上米内14時01分発。次の陸中川井は15時12分着である。営業キロにして63.6。特急や急行でもなく、ましてや昼間の列車で、1時間以上も停車しないとは。人口の少ないところを走るのだろうが、驚きである。さすが北海道に次いで2番目に広大な面積を有する岩手県である。風景も北海道の山間部を走っているように見える(気がする)。携帯電話を使う男性が、時折圏外になるのか使いづらそうである。区界を過ぎる。その名の通り、北上川水系と閉伊川水系とを分けている。山田線は閉伊川の流れに沿って宮古まで下って行く。久しぶりの停車駅陸中川井での乗降客は少ない。次の停車駅、茂市に15時29分着。快速の終点宮古まで行かず、ここで降りる。茂市からは岩泉線が出ている。
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岩泉線 普通 685D列車 キハ52-148 (茂市)
誇線橋を渡る。岩泉行は宮古からの直通列車で、すでに入線している。1両編成である。岩泉線は日本でも一、二を争うローカル線と聞いていたが、意外にも沢山客が乗っている。年配者が多い。賑やかでローカル線らしくないが、乗客が多いことは喜ばしい。山田線のついで位に岩泉線を思っていたが、営業キロ38.4もある。茂市15時35分発。長閑な山間を各駅に停車しながら列車は走る。少しずつ乗客が降りて行く。谷が狭まり隧道を抜ける。閉伊川水系から小本川水系に変わる。岩手大川で年配者の一団が降りていった。バスが停まっているのが見える。すっかり車内は寂しくなった。終点岩泉に16時28分到着した。 (つづく)
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駅名標 (岩泉)
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線路はここまで (岩泉)