島尻安伊子前沖縄担当相
島尻氏は7月の参院選沖縄選挙区で落選。今月3日の内閣改造で沖縄担当相を退任した。
島尻氏は第5次の沖縄振興特別措置法(沖振法)の成立や西普天間住宅地区跡地での国際医療拠点構想に深くかかわり、沖縄担当相時代には沖縄の子どもの貧困対策事業の予算確保と同施策展開に尽力するなど、沖縄振興に精通している。5年目の折り返しを迎えた沖振法の後期に向けた取り組みなどについて助言するとみられる。
大臣補佐官は2014年4月に成立した公務員制度改革関連法で新設された特別職。政策の立案などに関し大臣を補佐し、助言する役割を担う。
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>沖縄担当相時代には沖縄の子どもの貧困対策事業の予算確保と同施策展開に尽力するなど、沖縄振興に精通している。
沖縄2紙は島尻氏を目の敵のように批判することはあっても、島尻氏の功績について報じることはなかった。
さて本日の沖縄タイムスの」見出し紹介。
■一面中段(トップはオリンピック関連)
沖縄相「額ありきでない」
初来県 粗餐減額の可能性示唆
■二面トップ
沖縄相に不信と期待
予算源の示唆に県
知事会談時には触れず
振興策・圧力読めぬ真意
知事、きょう国庫要請
沖縄相、振興策に意欲
経済団体・市町村会と懇談
港湾部合意後に軍港議論
那覇港管理組合議会
キンザー開発で方針
■三面中段
島尻氏の補佐官検討
政府 大臣に沖縄振興助言
■30面下段
砂利搬入の抗議 拡大
高江 市民50人が車徐行
鶴保沖縄相、振興に前向き姿勢 翁長知事と会談
2016年8月9日 10:23
翁長雄志知事は9日、就任後初めて沖縄を訪れた鶴保庸介沖縄担当相と沖縄県庁で会談した。知事は振興予算の満額確保と税制要望の実現、米軍基地の整理縮小に向けた取り組みを進めるよう要求。鶴保氏は知事との会談に関し、「しっかりと振興に取り組む決意を伝えにきた」と述べ、沖縄振興に取り組む考えを示した。
鶴保庸介沖縄担当相(左)に県の要望書を手渡す翁長雄志知事=9日午前、沖縄県庁
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知事は県政運営の基本構想「21世紀ビジョン」が折り返しを迎えていることや現在の沖縄の経済情勢などに触れ、「これからの施策の展開にご指導をお願いしたい」と協力を求めた。
鶴保氏は「本当の意味で沖縄に寄り添うとはどういうことか、知事と一緒に考えたい。信じて頂きたい」と語り、振興に前向きに取り組む姿勢を示した。
県は振興や鉄軌道の早期導入、名護市辺野古への新基地建設断念など17項目の要望書を提出。鶴保氏は「持ち帰って検討したい」と述べた。会談は30分間で、報道陣に公開された。午後には米軍普天間飛行場などを視察する。
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菅官房長官が基地負担と沖縄振興はリンクする、と公言したにもかかわらず、沖縄タイムスは鶴保沖縄相から「リンクしない」の言質を取ろうと必死のようだ。
だが、新沖縄相が沖縄問題の最高責任者である菅官房長官のリンク論を否定するはずがない。
沖縄タイムスが期待する鶴保氏も、菅幹部長官のリンク論に次のように発言している。
>鶴保氏は「基地がどこへ移動するかなど、いろいろな議論があるなかで振興策の中身が変わっていくのは十分当たり前のことだと思っている。そういう大きな意味では振興策と基地問題は確実にリンクしていると思う」と述べた。(【おまけ】参照】)
肝心の菅官房長官はリンク論について、「沖縄側が反対するから振興費を減らす」と露骨な発言をしているのではない。
現在の沖縄の状況を鑑みると、結果的に「リンクせざるを得ない」と、政府側の意図と関係なく必然的にリンクする、と言っているのだ。
つまり自業自得ということだ。
要約するとこうだ。
①県が普天間移設(辺野古移設)に反対⇒②辺野古移設の工事が遅れる。⇒③普天間基地を含む嘉手納以南の基地返還が遅れる。⇒④跡地利用の計画が立たない⇒⑤跡地利用の振興予算が減額⇒⑤リンクする
菅官房長官はリンク論を次のように説明している。
>菅氏は「工事が進まなければ予算が少なくなるのは当然でないか。米軍との間では嘉手納以南の土地の約7割が返還されることが決まっている。(普天間飛行場や嘉手納以南の)跡地利用が遅れると、予算が少なくなっていくのは現実問題としてそうでないか」と述べた。
>政府による沖縄振興の目的に関し「沖縄の発展のために基地負担軽減をはじめとする基地問題への対応と沖縄振興策の推進は総合的に取り組むべき重要な政策課題だと位置付けている。両方の課題を全体的に総合的に推進していく意味ではリンクしているのではないかと思う」と明言した。
「リンクするのは政府の意図する所ではない。 沖縄側の自業自得だ」、と菅氏は言いたいのだろう。
沖縄タイムスは鶴保沖縄相から「リンクしない」の言質をとるのに必死の様相だが、次に沖縄担当相との『一問一答を見れば、鶴保氏の考えは』一目瞭然だ。
【鶴保沖縄担当相の発言要旨】
●県議会での会談
赤嶺氏「いま県民が一番、気にしているのは(基地と振興の)リンク論。大臣の考えを聞かせてほしい。
鶴保氏 振興策と振興額は違う。 基地があるかないか、周辺や跡地をどうするかは振興策。 それを考える上で大いに影響があり、そういう意味でリンクする申し上げている。 必然的に基地問題が進まないと、振興額が減って来る場合も有る得る。仮に額が減っても、規制緩和や制度改革、特区など他にできることは他にいっぱいある。減額、増額など額ありきではない。
●記者団とのやり取り
記者 3千億円台の大前提は。
鶴保氏 全力で取り組みたいと思うが、本当にに3千億円必要かどうか。 3千億円以上なければ絶対になしえないものなのかも、振興策全体の中で考えていくべきものと考えている。
沖縄タイムスが鶴保新大臣に「リンクしない」と言わそうと必死の記事を書いているが、琉球新報は次のような鶴保新大臣の本音を報じていた。 島尻前沖縄相のような沖縄選出の大臣には決して口に出せない本音を鶴保沖縄相は発言している。 沖縄に無縁の人物を沖縄担当相に選任したことは成功のようだ。
「消化できないものお口に」 鶴保沖縄相、予算の減額示唆
琉球新報 2016年8月5日 05:01
鶴保庸介沖縄担当相は4日の就任記者会見で、米軍普天間飛行場移設の作業遅れに関連して「予算額を減らすのは当然。消化できないものを無理やりお口開けて食べてくださいよでは、全国民の血税で使われているお金を無駄遣いしているという批判に耐えられない」と述べた。
その上で「基地問題によって、振興策の中身を含め変わっていくのは十分当たり前のことだ。そういう意味では、振興策と基地問題は確実にリンクしている」と述べ、基地問題が沖縄振興策に影響するとの考えを強調した。
鶴保担当相は、政府が3千億円台の確保を約束している沖縄関係予算の規模について「振興額と振興策は違う次元の話だ」とも指摘。会見に先立つ4日午前に菅義偉官房長官が「リンク論」を認める考えを示したことを引き合いに「私も全く同感だ」と同調した。