ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

名作と駄作

2017-08-21 20:31:02 | 
今日は、朝から大阪へ。

車中で、「東南アジア全鉄道制覇の旅 タイ・ミャンマー迷走編」下川裕治著を
読んだ。この方、もうかれこれ30年近く、この貧乏旅行スタイルで旅をして、そ
れを本に綴っている人である。

別に何をするでもない。一応、テーマのようなものはあるが、汽車やバスに乗って
移動し、安宿に泊まり屋台で食事をする。ただそれだけ。それで一冊の本が出来上
がる。今回はタイとミャンマーのすべての鉄道路線を制覇する、という目的がテーマ
になっている。

けれど、内容は時刻表にも載ってない謎の路線を求める苦悩と、乗り続ける苦痛が
書かれているのが主で、期待したミャンマーの辺境の街や村の様子は皆無でちょっと
がっかり。

いつもの下川ワールドではなく、まるで、「宮脇俊三の世界」だ。
一部の乗り鉄でもない限り、楽しめないだろう。

今後は、東南アジア全路線制覇を目指すという。ただ、乗るのが目的になってしまうと、
それはもう苦行でしかなく、単に自己満足の世界であり、乗り終えた達成感を読者と共
有するのは難しいのではないかと思う。

宮脇俊三の国鉄全線完乗を記した「時刻表2万キロ」とは、比べるまでもないが、名作に
対し駄作と言っていいほど、読んでまったく何も残らない一冊だった。

次回に期待したい。



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