ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

絶望…

2023-02-17 20:38:33 | 時事(海外)
ブルース・ウィリス認知症…。

67歳で…、昨年失語症で引退したしたが、失語症って良くわからず、なんとなく言葉が出ないとか覚えられないとか、まぁ、そういうことだろうと思っていた。ここであらためて認知症を公表したということは、症状的にかなり進んでしまっているのかなと。

自分がいかに大スターだったとかこれまでの功績など、そういうもの全てを認識できなくなることが本当に気の毒だと思う反面、何もわからなくなることで、それに対する苦悩やプライドも無くなるのなら、他の病気で寝たきりになるよりは、まだ幸せなのかもと想像したりもする。わからないけれど…。

子供の頃、通っていた小学校の近くに皆が「バカばぁさん」と呼んでいたお年寄りがひとりで暮らしていた家があった。当時はまだ認知症という言葉もなく、それがまた病気だという概念すらなかった頃で、単純にボケたお年寄りのひとり暮らしの家があるという認識だった。時々、道で出くわすと「あっ、バカばあさんだ!」とか「アホがうつる!」などとからかって遊んでいた。おばあさんはバカにされていることを理解していて、いつも怒ると家からほうきや長い棒を持ち出して振り回してきた。

今にして思えば、なんて酷いことをしたんだと振り返ることができるが、当時はそれが面白おかしく、単純に遊びの延長だった。認知機能に支障をきたした本人からすれば、わけのわからないガキどもにからかわれることが恐怖でしかなく、身を守るために必死で抵抗していたのかもしれない。そう思うと大変申し訳なかったなと思う。


10年位前、機内で認知症を題材にした映画を観た。今でこそこの手のテーマを扱う映画も増えたが、当時はまだ珍しかったと思う。主演は渡辺謙で50代のサラリーマンが突然認知症になり、徐々に記憶を失っていく過程が描かれていた。とてもリアルで当時40代の私ですら、ちょっと恐怖感を覚えた記憶がある。

これまでの自分であることがわからなくなることを、今はどんなに想像力を働かせても、それがどういうことなのかぼんやりとしかわからない。症状の初期の段階で、その時、どんな不安や絶望感を覚えるのか、それがどれほど大きいものなのか想像しても今ひとつわからない。

わからないからより恐怖に感じるのかもしれないけれど…。
もしかしたら、余命宣告より辛いのかと思ったり。

どんな告知でも開き直って受け入れられるような年の取り方ができれば良いなと思う…。

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