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デンマークの実話から過酷なひとりの生き様。原題は”The basterd“(私生児)。英語では“The promised land”。私生児として生まれた庭師が30年近くかけて大尉に。そしてデンマークの1/3の不毛の地”ヒース“の開拓に。
どんなに過酷な境遇でも彼と関わった人達が幸せになる、新しい人生を。とても重い重厚な映画。
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1985年の爆風スランプの“大きな玉ねぎの下で“にインスパイアされた映画。爆風スランプは年齢は自分と同じ年ごろ。スマホで思いを簡単に伝えられる時代。なのに思いが伝わらない、そのもどかしさを平成と現代をラップさせながら。スマホの無かった時代に相手を思う気持ちの伝えることの難しさ、でもそれ故にその気持ちが強くなる、当時の若者の気持ちをうまく。会ったこともない相手と“文字”だけで思いを伝える、そんな懐かしい思い。
半世紀近く前の学生時代、東北新幹線のできる前に、仙台へ戻る最終の特急で泣きながら別れていたカップル、そんな事を思い出しました。
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北海道余市を舞台にした親子、孫との家族の関係を“内なる思い”。聴覚過敏性の娘を持つ亡くなった息子の嫁。その“音“を、そしてその音をもとにした内なる思いを互いに向け合い、前へ進む姿。
とても素晴らしい映画。なんと言っても升毅さんの存在から出てくる静かな迫力、聴覚過敏性の娘を大切に思うが故の過度な娘への愛情を示す田中美里さんはもちろん、聴覚過敏性の娘の日高麻鈴さんの素晴らしさ。その姉を思う妹の宮本真凛さん。それぞれがそれぞれ独立して前を向かう、素敵な映画。大手の流通に乗っていないので名古屋でもたった2周間の興行。まだ、2月ですが今年見た20作品近くの中では最高の映画。もっと大々的に興行されればヒットする素晴らしい映画。
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韓国映画のリメイク。
阿部寛さんの迫力に圧倒。原作と同じく”平和ボケした現代社会“に対しての警鐘。韓国ならば北朝鮮なのでしょうが、これが日本になると何かと。答えは多分、現在の日本には合法・非合法を入れて300万人以上の外国人が。そして毎日のように外国人の犯罪が多く報道され“安全な日本”という神話は崩れています。この外国人300万人という数値。実は鳥取県と島根県の人口を合わせて100万人、香川県の人口が100万人という方からもいかに大きな数なのか。更に今の政府は移民を増やそうと。これからは今までのような安全安心な日本は過去のものと。スリリングなやりとり、阿部寛さんの演技で現代への警鐘している映画。
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タイムトラベルラブストーリー。なんと言っても松たか子さんの年齢を感じさせない素晴らしい演技。夫が不慮の事故、自らの命をかけて他人を救う、その結果命を落とす、それを何とか防ごうと。バック・トゥ・ザ・フューチャーのように、車の運転で過去へ。何度も戻っているうちに、同じ結果(夫がなくなる)でも、その間の夫婦の気持ちも持ち方が変わる、そんな素敵な映画。
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諏訪大社の四季の神事とそこに住む人達との関係を。600年ぶりに復活させた冬の神事“御室神事”。
”鹿なくてハ御神事ハすべからず候”
鹿と諏訪大社、諏訪の地域に住む人達の関係。鹿を敬い、食し、関係を作る。
そのために”鹿食免“(しかじきめん)という殺生を禁じた神仏の教えの中での狩猟を#許す免罪符を日本で唯一出している諏訪大社。
明治時代の神仏分離以降、ようやく神仏混合の、儀式を。
諏訪大社の協力のもと2年以上かけて作られたドキュメンタリー。
諏訪大社、会社に入社した時、1年間同じ部屋で過ごした同僚のおじさんが下諏訪大社の神官だったためよく諏訪大社の話を聞きました(覚えていませんが)。
そして以前、環境省のパークボランティアのフォッサマグナの研修で訪れた新潟県糸魚川。そこには“奴奈川姫”伝説のある根知の”白池“。
大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)と奴奈川姫 そして、大国主大神と奴奈川姫との間に生まれた子が建御名方神(たけみなかたのかみ)が諏訪大社の祭神になったと。確かに現地、白池へ行くと”諏訪大社“と書いた道標があります。それだけ諏訪大社の力は大きかったと。そんな事を思い出しながら見た厳かな映画
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岐阜県関市の全く肩に力を入れること無く観たご当地映画。よくあるご当地映画とは異なりかなりくだけた内容。でも関市の企業をさりげなく出演させたり、関市の見どころ、刀鍛冶、鵜飼なども。
それにしてもそうそうたる役者さんが出ていて、思わず微笑んでしまった映画。
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名バイプレーヤーともいえる金田明夫さん主演の21の1話4-5分のショートストーリー。監督は俳優でもある宅間孝行さん。昭和の時代ならばこうだろうなという話も。最近はトラブルがあっても無感心、それどころか救おうとはせずにスマホカメラを向ける無節操。そんな時代に”正しい事をする“という昭和の感覚を。ただ最後の21話で救われた、そんな映画。刑事ドラマではニガ虫を潰したような、金田明夫さんの別の面を。素敵な映画
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戦場にかける橋。泰緬鉄道のクワイ河にかかる橋。現実には木造ではなくてコンクリート、しかも爆破はされず現在も残っています。また、蒸気機関車は日本のC56。ただギリス軍捕虜の過酷な労働は事実。何年か前にようやく泰緬鉄道クワイ河鉄橋で旧イギリス軍と旧日本軍との和解の式典も(イギリス軍側では頑なに出席拒否した人も)。そんな事を思いながら。
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1972年に起きたミュンヘンオリンピック選手村テロ。よく覚えています。でも、テロが身近に感じたのはその1974年の三菱重工爆破、あさま山荘事件。そして近所の交番で起きた爆破テロ。三菱重工の時には亡き父が隣のビルにいて危うく、近所の交番テロは深夜勉強中に爆発音を。その10年近くあとに大学に入学したとき日本でも数少ない過激派の活動が盛んで入学式が実施されない数少ない大学。校内には血痕が点々としていたことも。
この映画では報道することによりテロに加担してしまう事になる事に悩む報道。半世紀後の今、こんな悩みをする報道は皆無、暴き立てる事を”知る権利“と言う視聴率稼ぎ。過激派についても、昔とは異なり地下に潜伏するのではなくて表に。世界的過激派の子供がテレビのコメンテーターになり、過激派幹部が地方自治体の長、議員に。半世紀前よりも物騒な今。色々と考えさせられる映画。
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骨と腱の難病になった双子のピアニストの実話。腕と指に負担をかけない独特の演奏方法。しかも一つの楽曲を二つに分けてそれぞれが弾いて一つの曲にするというこの二人だけの演奏方法。勿論、病状のこともありフォルテのような強く弾く事は難しいですが。それにしても一つの曲を二つに分けてそれぞれが演奏をしてあたかもひとりが演奏しているように弾くこと、これは昔10年ピアノを弾いていた経験からもかなり難しいと。でもこのようなデュオがいることに驚いた、そんな映画。
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