還暦なって、そして会社でも嘱託として今までの責任とノルマに追われた生活から解放されて自由な時間が増えました。そして何よりも敬老料金(最近はシルバー料金と言うようですが)で安く観ることができて(夫婦割も含め)映画を観る機会が増えました。
学生時代から何度も観た映画。
なんといっても主人公は砂漠。
そして男しか出ていない映画。まぁイスラム教の世界ですから。完全版ということで、かつて削除されていたトルコ軍による所謂性的虐待(それを快感に思う部分)の部分も含まれています。でも俳優は名優と言われる人達ばかり。ロレンスの”知恵の七柱”は学生時代に読みましたが苦労した記憶。
現在の中東問題の出だし、混乱のきっかけとなったのはこの映画の通り。どうしても西欧的な見方で描かれていてアラビアの部族達を低くみているのも事実。
映画としては前半の輝かしい部分と後半の暗い部分が見事に描かれ、また、モーリス・ジャールの音楽が美しい、名作です。
汎用工業製品のフォードが芸術作品のフェラーリに挑んだお伽話のような実話。
アメリカの巨大企業が巨大なるが故に大企業病になり始め”物を創る”ことを忘れはじめたもののまだ現場の職人の力もあったよき時代。サラリーマン会社ではなくオーナー会社でもあるのかもしれませんが。出て来る車の美しさもありますがなんとしても勝ちたい!という人の想いが自動車という工業製品に命を吹き込むということ、そしてそれを取り囲む人々達の生き生きとした息吹と、一方で物を創ることを忘れ、組織を第一にして上を見て忖度している大企業の経営層とのぶつかり合いも面白いです。大企業になるとそこで働く人達を守る、という組織防衛が最大の存在意義が重視されるのはある意味仕方のないことですが。
いわば”アナログ”と”デジタル”の闘い。
面白い映画でした。
岩井俊二監督の映画。
世代的には同じ、仙台ご出身とのことでロケ地も仙台、白石。学生時代を過ごした東北ということもあり懐かしく。
ストーリーとしては高校時代の淡い恋心、その揺れる想いを、世代を渡ってとても美しく描かれています。青春という時代は遙か彼方という歳になりました。ても、逆に若かりしとき、まさにはその場では、動揺した心の中でそんなに客観的に自らを見つめることはできず、むしろ、歳をとってから振り返ってわかる、そんな想いかもしれませんが。
この映画も、淡い恋心、相手を想う、それも一方的、盲目的に想う気持ちを清々しく描いています。小林武史さんの音楽も素敵です。
でもなんといっても福山雅治さん、松たか子さんのベテランは勿論ですが、広瀬すずさん、森七菜さんという若手の実力派も若さ故の一途な想い、新たな状況に対してちょっと引いた気持ちをうまく演じていました。
スマホでメールをする現代に、手紙を書くということの素晴らしさを岩井俊二監督は見事に描いています。
素敵な映画。
人は生きていれば素敵なことだけではなく嫌なことだらけ。思い出したくもない事が沢山。その、嫌な事だけを忘れることができたら人は心穏やかに、幸せになれるのか?
嫌な経験、記憶があるが故に素敵な経験がより素敵に思えるのかもしれません。人は別れ、試練を肌で感じるが故に今、目の前の幸せを感じるのかもしれません。
そんなことを考えさせられた映画。
でも、最後の切なさはなんとも言えない、ぐっとくるものが。若手メインの映画でしたが面白かった映画です。
もう震災から9年。でも、復興は遅々として中々。昨年、会社の仕事で陸前高田のほうへ行きましたが、復興は遅々として。
広島から岩手までのロードムービー。
”生き残った者はなんとしても生きる”
生きる望みを無くした少女の生きる事への新たな希望を手にしていく成長物語。
出会う人達、海外から避難してきたクルド人達、とにかく生きること、そして飯を食べること。その力強さに接しながら成長していきます。
そして諏訪監督の独特な撮影手法、つまり台詞は決まっておらずその場の雰囲気で会話をする構成台本によるため会話が本当に自然の会話。
モトローラ世理奈さん、独特な雰囲気、引き込まれていきます。素敵な映画。
日本に不法に滞在している中国人。
最近は日本人が外国人を不当に使用している事が多くなっています。中小企業はもとより、農業でも(かつて高原野菜で有名な産地でも)。そんな中で他人になりかわっていた不法滞在中国人。それがわかって最後には見て見ぬふりを、そして逃がす。でも、悲劇的な未来が案じられる結末。
本当に日本、おかしくなってしまっています。海外から日本に憧れて来た外国人は日本に失望していくこと、本当になんとかしていかないと。
そんなことを考えさせられた映画。
藤沢周平原作の木曽福島を中心とした木曽地方を。
とても美しく、そしてなんといっても御嶽山の素晴らしさが。それもそのはず、日本初の8K映画。
そして今の日本を代表する俳優、女優さん達。
昭和の時代劇そのものの、そしてとても美しい映画。見応えあります。ただ、期間限定の映画なのが残念です。
ビートルズとデビッド・ボウイの音楽が。
戦争映画、反戦映画というよりは、子供の頃、誰にでもあったような空想の世界と現実世界とのギャップに戸惑う、そんな子供の感覚の映画。
それがたまたま戦争、軍服、というもので、戦争オタク、軍服オタクであった、そんな映画。
アンネの日記と、白薔薇団のエピソードが加わって表されています。
最後に現実世界での我に返った人達の善意が救われた感じです。
監督が出演、とても素敵な映画です。
日本公開前、世界中で酷評されて興行的に厳しい、という映画。
多分、ミュージカルという舞台を前提にした人達のの評価かな、舞台を観たことが無いので特に単純に映画として観ました(ストーリーは知っていますが)。
体に密着したコスチューム、そして生々しい表現は、少し、ゾッとしましたが、見馴れました。ただ、映画そのものとしてはなにか薄っぺらい、頭になにも残らないストーリーでした。海外では生々しい表現が酷評されていましたがむしろ演出、映画そのものに問題が。
出演者はひとりひとりは素敵なのですが話しが繋がらない。また、ダンスシーンはシルクドソレイユとかモダンダンスが好きな人達にはよいかもしれませんが、昔のミュージカルのダンスシーンにはもっと目を見張るものが沢山あります。
ここでふっと思うと、”舞台”はある意味観客の頭の中での空想、想像力を自由に駆使できますが、”実写”となるとその自由が奪われます。ひとそれぞれの世界をもつことのできる舞台とは異なりそれが世界的に批判されたのかもしれません。
中にはここ10年で最低の映画と酷評する人もいますが。
いずれにしても、出演者はプリンシパル、歌手等、実力者なのに勿体ない。
そんな残念な映画でした。
実際にある前田建設の話し。
マジンガーZの本体ではなく格納庫を現代の土木建築の技術で造ってみるとどうなるのか、どのようにするのか、そしていくらかかるのか?
空想ものに真剣に取り組んだらどうなるのか?
内容はコメディですが至極真面目に。
確かに鉄腕アトムの設定時期はもう、過ぎています。そしてマジンガーZも今の時代に近いもの。
昔の空想を今の技術で、つまり空想に現実が追いついたのか?
面白い映画。
でも、なんで、冬になると面白い映画が増えるのかしら。冬はスキーで週末は出かけるのでどうしても平日の夜の映画を。まぁ、ラッキーなことに家から車で30分のところに3カ所のシネコンがあるので便利ですが。